【後編】ラジオでも活躍の場を広げるギターデュオ・Sakurashimejiがふたりで紡ぎだす、まっすぐな「声」と2026年の「現在地」

11/4にリリースされた2nd EP『あなたの声になれたら』全曲解説をお届けした前編記事に引き続き、後編はSakurashimejiのこれまでとこれから、そして最近話題のラジオアプリGERAで毎週更新されている番組、『話盛(読み:はなざか)りSakurashimejiの花修行』(通称:『しめはな』)についても、たっぷり話していただきました。番組からも垣間見える二人の仲の良さと、目には見えない信頼の深さが感じられる掛け合いにも注目です。

また、ギターを演奏するパフォーマンス形態や二人という人数からEBiDANの中で珍しい立ち位置とされることもあるSakurashimejiの二人。2026年のいま、彼らが見つめる現在地と未来とは。

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    【前編】「このEPは僕らの自己紹介」EBiDAN所属のギターデュオ・Sakurashimejiが自作の2nd EP『あなたの声になれたら』収録曲を解説

    「二人で好きな音楽をやれているだけで結構幸せ」

    ── EBiDANの15周年記念シングル『Yes!東京』のMVが累計1億回再生を突破するなど、EBiDAN全体が乗りに乗っているなか、お二人のフリーライブも人が集まり過ぎて中止になるなど、人気がすごいことになっていますね。何か気持ちに変化はありましたか?

    田中雅功(以下、田中) 本当にありがたくて、めちゃくちゃうれしい部分もあって、頑張っていこうという気持ちはもちろんあります。ただ、だからどう、みたいのはあんまりなくて。僕も彪我も、音楽をやれているっていうことだけで結構幸せを感じているので。音楽が好きな人たちと、好きな音楽を、好きな人たちに届けられれば、もう本当にそれで幸せ。ただ、今まで応援してくれた、恩返ししたい人もたくさんいて、そういう人たちにいい顔もさせてあげたいというのもあるので、Sakurashimejiというものを大きくしようという気持ちはありますけど。それ以上に、一瞬一瞬、音楽ができているという幸せを噛み締めながら歌っていければ、というふうには思っていますね。

    髙田彪我(以下、髙田) 自分の中では気持ちが追いついていなくて、いまだに信じられないです。実感はないけど、たくさんの人に届き始めているのかな、と感じてはいます。今、Sakurashimejiのライブに来てくれる人の半分以上が初めて、みたいな状態で、すごくありがたいんですけど、ここからその人たちをどう逃さないようにするか(笑)。期待もあるけど、できるかな?という不安もあります。

    ── そもそも楽曲の良さやお二人の魅力が、今回のEBiDAN『Yes!東京』きっかけで多くの人に発見された、ということかと思います。

    髙田 それこそ前回リリースしたアルバムで、初めて全楽曲、自分たちが作詞・作曲したんです。それまでのアルバムは、何曲かは提供曲があったので。自分たちのやりたい音楽の土台を昨年のタイミングで作れたというのは大きかったな、と思います。

    ── お二人は12歳から一緒に活動されているわけですけど、今のように音楽が好き、という気持ちで順調に続けてきたんでしょうか。

    田中 いや、結成当初はそれこそEBiDANという大枠にいることのメリットがいっぱいあって、お客さんもどんどん増えて、いわゆるステップアップみたいなのをどんどんしていって、中3か高1のときに野音(日比谷野外音楽堂。収容人数約3,000人)でライブをやらせてもらったりしたんです。でもそこからはコロナとかもいろいろあったりして、だんだん数字が振るわなくなって100人集めるのも大変、みたいになって。じゃあ俺らに残っているものってなんなんだろう、って考えたとき、やっぱり音楽が好きっていうことと、今この場で音楽ができているという幸せが最終的に残ったので、その気持ちをちょっとでも伝播させたいな、という思いでずっとやってきた、というのはあります。

    ── 大変な時期もあったんですね。

    田中 そのときは何が足りなくて、自分たちになぜこんな喪失感があるのか、みたいなのがしばらくわからなかったんですけど。大人になってからようやくなんとなくわかり始めた、みたいなところなのかと思います。

    「ラジオのおかげで楽屋での会話は激減」

    ── 今年の8月からはラジオアプリGERAで新番組「話盛(読み:はなざか)りSakurashimejiの花修行」が始まりました。お二人のトークが毎回めっちゃくちゃおもしろいんですが、そのなかでも特に、交互に担当されているエピソードトークが楽しみです。

    髙田 ありがとうございます! それこそ毎日、ラジオのためにエピソードを探す日々というか…(笑)。そして事前に雅功に話しちゃうと新鮮味がなくなってしまうので、普段の楽屋とかでの会話が極端に減りました。むやみやたらに近況報告をしなくなりましたね。

    田中 昔から楽屋でずっと話してる二人だったんですけど、この話はラジオで話すかかもしれないと思うと、最近はちょっと話すのをためらうというか、オチまで言わなくなるということになりがちです。

    ── エピソードトークのネタになるようなことは、普段からメモをとっているんですか?

    田中 僕の場合は本当に単語だけとかですけど。番組プロデューサーの石井(玄)さんが言うには、ラジオっていうのはこの1週間、パーソナリティがどう過ごしていたかをみんな知りたいから、なるべく直近のできごとを話すほうがいいらしくて。僕らはそれぞれ隔週でエピソードを話すので、2週間のうちに何か1つ見つける、みたいな生活をしています。

    髙田 僕もメモをしていて、収録の日が近づくとそのメモから引っ張り出して、構成を考えます。今までなかなか自分のことを話す機会ってなかったので、結構新鮮で。自分たちの知らなかった部分が知れたし、すごくやりがいがあるな、って思っています。

    ── ラジオをやるなかで、お二人の役割分担みたいなことは何かありますか?

    髙田 怒る役と、怒られる役?

    田中 彪我が怒らせてるの! 俺、怒りたくて怒ってるわけじゃないから。怒らせてるの!

    ── 髙田さんが宿題をやってこなかったりして、田中さんが怒ってますよね(笑)。

    田中 そう。しかもこの人、自分の放送を聴いてないんですよ!

    髙田 いや、その、聴くべきところだけは聴いてます。

    田中 自分のエピソードトークのところだけ聴いてるらしくて。あり得なくないですか? だからね、怒らせてるのは彪我のほう! 本当はもっと和気藹々とラジオをやりたいんですけど、怒らせてくるから仕方ないですよね、こればっかりは。

    髙田 13年も一緒にいるんで、難しいところもあるのかな、と…。

    田中 なんかそうやって被害者みたいな顔するじゃん(笑)。いっつも、そう!

    ── あ、でも、髙田さんの作った番組のジングル、良かったです。

    田中 甘やかさないでください!(笑)

    髙田 精一杯、力を込めてやりました。

    田中 足りないですよ、負債があるんで(笑)。

    ── お二人は結成当初からそんなふうに相性が良い感じだったんですか?

    田中 相性は良かったと思います。なんか似た者同士だったんですよ、最初。なんか、ここまではっきり「違う」っていう感じじゃなかったもんね。二人で生活していくうちに、どんどんこういう、なんか割り振りじゃないですけど、キャラクターが出てきたなっていう感じですね。

    「二人は家族ではなく、ビジネスパートナー」

    ── EBiDANって、結構人数の多いグループも多いなかで、お二人で活動するというのはどんな感じですか?

    髙田 結成当時は自分もほかのグループみたいに数人でやるものだと思っていたので、急に二人きりで来週からストリートライブをやってこい、と言われて焦りはあったんですけど…。なんか結局、今となっては自分の性格に合っていたな、と思います。性格的に大人数でいたら埋もれちゃうだろうし。

    田中 人数はそんなに気にしたことはなくて。それこそ結成当初は、バンドやりてえのにな、とかはあったりしましたけど。結局今、彪我とやれていることとか、それ以降に出会ったバンドのメンバーとかもいっぱいいるんで、結果良かったな、って思うことばかりで。結果論って言えば結果論ですけど、二人組が最善だったのかな、と思います。

    ── すごく特殊な関係のお二人ですよね。12歳から放課後は一緒に練習して、ストリートライブをして、って。日本中探してもほかにいないんじゃないかっていう。

    田中 いや、マジでいないですよね。なんか「家族みたいですね」みたいに言われますけど、家族でもないしね。でもたしかにいちばん近いか。でもキモいもんね、俺ら家族だよな、って言うの。

    髙田 たしかに。

    田中 いつもビジネスパートナーって言ってるんですよ。12歳からの長いビジネスが続いている。

    ── だとしても、仲良しですよね。お互いをすごく理解しているから、本気で腹が立つこともないっていう感じなんでしょうか?

    田中 腹立つことはいっぱいあります。腹立ってばっか(笑)! でも怒りたい、みたいなのはあります。彪我に怒っているのが楽しい、みたいな。だから怒らせてくれ、とは思ってます。

    ── え、いいですね!

    田中 いいですよね!

    髙田 だから、僕はそれを提供してあげてる。怒りしろを(笑)。

    田中 そんなことないけどな!(笑)

    「最近、『EBiDANをやめないで』と言われます」

    ── ところでお二人は今、SakurashimejiがEBiDANの中にいる、ということをどんなふうに捉えていますか?

    髙田 ほかのグループとはやっていることが違うから、正直、一時はそこに劣等感を感じていたときもあったんです。でも、今となっては自分のやりたいことや歌いたいことはSakurashimejiで曲にしているし、劣等感なんて感じなくていい、という思いを自分の中で育んできたので。EBiDANの中でどういう存在か、と言われたら、自分で言うのもなんですけど、なくてはならない存在だと思います。EBiDANのおもしろさって、やっぱり各グループの個性の強さだと思うので、そういう意味ではいちばん個性は醸し出しているんじゃないかと思います。

    ── どうして劣等感があったんですか?

    髙田 シンプルにほかのグループが歌って踊って、ってしているところで、やっていることが違い過ぎて…。

    田中 芸能人だよね!

    髙田 そう、キラキラしている感じというか。自分らはもっと泥臭い感じなので。でもそれがいいんだな、って思えてきましたね。そこが曲になっていくので。

    田中 今、ちょっと考えてたんですけど、EBiDANにとっての俺らは、って言われるとわかんないよね。EBiDANが誰目線かにもよるし。

    ── では、SakurashimejiさんにとってのEBiDANはどうですか?

    田中 語弊を生むかもしれないんですけど、なんだっていいと思ってますね。別にEBiDANであろうが、EBiDANじゃなかろうが、仲良い人とは仲良いし。たまたまスタートがEBiDANだったっていうだけで。なんか最近、特典会とかで幅広い年齢層のファンの方に「EBiDANやめないでね」ってすごく言われるんです。

    ── なぜですかね?

    田中 わからないんですけど、結構言われるんです。でも、そんな思考もそもそも眼中にもないというか。やっぱり外から見ていてもほかのEBiDANグループとは違うな、って思われ過ぎているんだと思うんですけど。昔は考えた時期もありましたけど、今となったらもうどうでもよくて。一緒のステージに立ったら仲間だし、バラバラでやっているときは好きな音楽をやってるし、っていうだけなんで。EBiDANだからどうとか、Sakurashimejiだからどうとかっていうのは、最近本当に考えてないです。ただ、年に一度のEBiDAN THE LIVEで踊らされることに関しては、強制労働だ!って騒ぎ続けようとは思ってますけど(笑)。

    ── ファンの皆さんはそれを楽しみにしていますしね。

    田中 だったらうれしいです(笑)。

    「自分たちの音楽をきっかけに音楽の楽しみかたが広がったらうれしい」

    ── お二人はこれからの夢などはあるんでしょうか?

    田中 二人としての夢っていうと、音楽を続けていくっていうこともそうですけど、夢というかわかりやすい目標みたいなことでいうと、フェスでトリをするというのは、ありますね。なんかたとえばドーム、とか、キャパ感で目標を決めるのが得意じゃなくて。それやった途端に燃え尽きちゃいそうだな、とかいろいろ思うと、なかなかそれを言い出しづらかったりするんですけど。フェスって、その年にトリができても、来年できるかわからないじゃないですか。だから常にヒリヒリした戦いの中に放り込まれている感があるな、っていうので、ずっと目標にできるものを「来年のフェスのトリ」にしてやっていたいな、と思います。

    髙田 僕もその、右に同じく、という感じなんですけど。トリをできるほどの曲を作る、っていうところも、それまでにいろんな会場でライブをするっていうのも目標の一つですし、まずはフェスの常連になることですかね。

    田中 たしかに!

    髙田 どこのフェスに行ってもSakurashimejiいるよね、って言われるようになるのが、まず目指すところかな、と思います。

    ── お二人はフェス、好きですか?

    田中 フェス大好きです! 今、流行り廃りのスピードが本当に早くて、昨日流行っていたはずなのに今日全然流行ってないじゃん、みたいなこともある。そうなると、後世に語り継がれるようなヒット曲を出すことと同じくらい、現場で評価の高いアーティストになるっていうことも大事なのかなと思ってるんです。だからフェスとかサーキットで重宝されるというか、第一線で活動できるようなアーティストになりたいな、と思ってます。

    ── では最後に、今回の2nd EP『あなたの声になれたら』をこれから聴くファンの皆さんにメッセージをお願いします!

    髙田 これからも僕たちSakurashimejiは人間を続けていくので、人間観察という感じで聴いていただいてもいいし、聴いていただいたうえで皆さん自身の曲にしていただくのもすごくうれしいです。僕たちの曲をどんどん私物化していってほしいな、と思います。

    田中 今、EBiDANが盛り上がっているなかで、ちょっとでも僕らの音楽に耳を傾けてもいいかな、と思ったかたはこのEPを聴いてライブに来たら、音楽の楽しみかたが変わる気もするんです。だからもし本当にこのEPをいいと思ってくれたら、ぜひライブハウスやツアーに来ていただいて、音楽というものの根本の楽しみかたをどんどん知ってほしい。僕ら以外にもたくさん、最高の音楽はこの世に溢れているので、今まで視界に入らなかった音楽に気づく第一歩にこのEPがなったらすごくうれしいな、と思ってます。

    Profile

    Sakurashimeji

    さくらしめじ 2014年結成の、スターダストプロモーションEBiDAN所属のギターデュオ。現在2nd EP「あなたの声になれたら」が好評発売中。2027年5月27日より、全国8か所9公演でZeppTourを開催。ラジオ『話盛りSakurashimejiの花修行』(GERAで毎週水曜日配信)に出演中。

    🐼 編集部より

    Sakurashimejiさんの音楽に次ぐ代名詞にもなりつつある軽快なトークの掛け合いが毎週楽しめるラジオアプリGERAの「話盛りSakurashimejiの花修行」(通称:「しめはな」)。周囲の方々に最近面白いコンテンツは? と尋ねられ「しめはな」をおすすめすると、「あれ、面白いね!」と誰もが口にする不思議な魅力のある番組です。すっかり「山笑」(読み:やまわら 意味:しめはなリスナーネーム)になってしまった編集部は、12年かけて紡いだ田中さん、髙田さんの阿吽の呼吸の秘密が知りたくて、2026年の二人の関係性と現在地に迫りました。印象的なフレーズをポンポンと生み出す髙田さんと、場の空気をよく捉え、柔軟に多方向からのツッコミを放つ田中さん。二人の生み出す会話のケミストリーに終始、笑いの絶えない対談となりました。記事の後半では、EBiDANとしての二人、そしてSakurashimejiとしての夢も伺いました。彼らの誠実でまっすぐな姿勢が反映された回答に胸を打たれるロングインタビュー、ぜひ何度でも読み返していただけたら嬉しいです!

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    写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office)  スタイリスト・ ダヨシ(KINIRO) ヘアメイク・櫻井華奈(HITOME) 取材、文・古屋美枝

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