
基礎をマスターしたら、次はAIとの対話をよりスムーズに行うための実践的なコツへ。少しのアプローチの違いでも、得られる回答の精度は劇的に変わるはず!
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教えてくれた方
Profile
本郷喜千
生成AIコンサルタント、インディ・パ株式会社代表取締役。AIシステム、生成AIアプリケーションを中心にした開発事業、コンサルティングなどに従事。著書に『ChatGPTはじめてのプロンプトエンジニアリング』(スタンダーズ)などがある。
チェック①|プロンプトの精度を高めていくためのコツ!
ほわっとした抽象的な内容でもOK!まずは全体像を出してもらう
最初から「完璧な指示を出そう!」と焦る必要はなし! 具体的なアウトプットがわからない場合は、AIに全体のアウトラインを作ってもらうことから始めるのが賢い使い方。
「音声入力で頭に浮かんできた内容を思いついた順に話し、まずはAIに整理してもらいましょう。100ある知識を10に絞り込む最初の段階が一番重要です」(本郷さん)
まずはざっくりとした方向性を、AIと共有してみて。
最初のアウトプットをもとに詳細をどんどん詰めていこう
AIが整理したアウトラインを確認し、次は具体的な指示へと落とし込む。
「ベースが整っていれば、あとは具体化するだけなので指示は少なくて済みます」(本郷さん)
出力結果に違和感があれば、修正箇所のスクリーンショットを添付して視覚的に伝えるのも有効。
「難しくしないで」という否定形ではなく「わかりやすくして」と肯定形でフィードバックを重ねるのが、AIを自分好みの優秀なバディへと育てる最大の鍵だ。
チェック②|AIを扱ううえでの大前提! プロンプト入力の際に気をつけるべきこと
個人情報や機密情報は、絶対に入れないで!
AIに読み込ませた内容は、設定によってはAIモデルの学習データとして蓄積・利用される可能性があるため要注意。自分や他人の名前、住所、電話番号といった個人情報は入力NG。
また、日々の業務で使う場合も、会社の機密情報や未公開のプロジェクト内容、顧客のデータなどを送信するのは絶対に避けて。予期せぬ情報漏洩のリスクを防ぐためにも、AIに投げるテキストに社外秘や個人を特定できる要素が含まれていないか、送信前にしっかり確認する習慣をつけよう。
もし仕事の文章を添削してほしいときは、固有名詞を「A社」や「Bさん」など架空のものに置き換えてダミー化する工夫が必須。セキュリティに配慮しつつ、安全で賢い活用を。
特定の人物の顔やイラスト、ロゴは勝手に使わないこと
AIを活用した画像生成やコンテンツ作成において、しっかり意識しておきたいのが権利関係のルール。既存のキャラクターや誰かが描いたイラスト、有名人の顔写真、企業のロゴなどをそのまま読み込ませて新しい画像を作る行為は、著作権や肖像権、商標権の侵害にあたる恐れが。
また、意図していなくても、出力されたものが既存のキャラクターに酷似している場合は要注意。個人的に楽しむ範囲を超えて、出来上がったものをSNSに投稿したり、仕事の資料やアイコンとして商用利用したりするのは絶対にNG。
思わぬトラブルを未然に防ぐためにも、他人の権利を侵害していないかを常に気にかけるのがユーザーとしての最低限のマナーだ。
チェック③|覚えておいて! ビギナーが陥りがちなNG行動
鵜呑みにするのは危険!必ずファクトチェックを
生成AIの回答はとても自然で説得力があるため、ついそのまま信じてしまいがち。しかし、間違った情報をさも事実のように出力する「ハルシネーション」という現象が起こることも。
存在しない論文やデタラメなURLを出してくるケースもあるので、仕事の資料作りなどで使う場合は要注意。出力された数字や固有名詞、専門的な知識については、必ず自らの手で事実確認を行う習慣をつけておきたい。AIはあくまで優秀なサポート役と捉えて。
指示が短くなりすぎないように注意
Webで検索するような感覚で「おすすめの旅行先を教えて」とだけ入力しても、一般的で面白みのない回答しか返ってこない。生成AIから質の高いアウトプットを引き出すには、誰が、誰に向けて、どんな目的で使うのかという文脈や条件をしっかりと言語化することが不可欠。
予算5万円、20代女性の友達同士、リフレッシュできる温泉、など、具体的な要素をたくさん盛り込んで指示を出すほど、より解像度の高い素敵な提案がもらえるはず。
思い通りの出力にならなくても、1回で諦めないで
最初から完璧な答えが返ってくることは稀。もし的外れな回答が出ても、使えないと見限ってしまうのはもったいない! AIとのやりとりはキャッチボールのようなもの。「もっとカジュアルなトーンにして」「この部分を詳しく掘り下げて」など、出てきた結果に対して追加で要望を伝えていくことで、回答はどんどんブラッシュアップされていく。ズレている部分を肯定形でフィードバックしながら、自分好みの頼れるアシスタントに育て上げて。
チェック④|さらに精度を高めるには?プロンプト上級編Q&A
Q1. まるでもう一人の自分!? 「カスタム指示」って?
A. 「型」を作っておけばゼロから説明する手間なし
AIとのやりとりに慣れてきたら、ぜひ挑戦したいのが「カスタム指示」。自分の年齢や職業、趣味などの前提条件をあらかじめAIに記憶させておくことで、毎回ゼロから説明する手間が省ける便利な機能だ。
「過去に自分が書いたメールや企画書などのテキストを読み込ませて、『この文体を真似して』と指示することも可能です」(本郷さん)
自分特有の言い回しやフォーマットを学習させることで、まるで“もう一人の自分”のように業務を代行してくれる心強いバディが誕生。よく行う定型業務から順番に専用の型を作っていけば、日々のルーティンワークが驚くほどラクになるはず。
Q2. AIをチューニングする、効率的な「フィードバック」の方法は?
A. テキストだけでなく画像を使うのも手
AIの回答に不満がある場合、言葉だけの修正よりも手っ取り早いのが「画像」を使ったダイレクトなフィードバック。
「エラー画面や直してほしい部分のスクリーンショットを撮って送信し、『ここがわからないから教えて』と聞くのがおすすめ」(本郷さん)
最近のAIは画像読み取りの精度が飛躍的に上がっており、画面の全体図を見せたほうが文脈を正確に把握してくれることも多いそう。「例えばLINEのトーク画面のスクショを読ませて、角が立たない返信案を出して、なんて使い方も便利」。テキストと画像をうまく併用し、求める答えへと最短距離でチューニングしよう。
Q3.Iの個性に合わせて、使いこなす方法は?
A. 慣れてきたら複数のツールを使おう
生成AIにはそれぞれ、個性や得意分野がある。前ページで紹介したGeminiやChatGPTのほかにも個性豊かなモデルが登場中。
「自然で美しい日本語表現や、資料の作成、文書の校正作業に長けているのが『Claude』。また、X(旧Twitter)でリアルタイムなホンネ情報を拾ってきてくれる『Grok』は、音声モードでぶっちゃけ話をするのも面白いですよ」(本郷さん)
用途に合わせて使い分けるのが上級者への近道だ。
「慣れてきたら、複数のAIを並行して使い、同じプロンプトを投げて一番良い回答を採用するのがおすすめです」(本郷さん)
多種多様なAIを、適材適所で使いこなそう。
anan 2492号(2026年4月15日発売)より















