
生成AIに触れる機会は増えたけど、なんだか出力がうまくいかない…。そんな悩みを解決して、まるで自分のバディのようにAIを使える、魔法のプロンプトを伝授!組み立て方をマスターして、パフォーマンスを高めよう。
マインドセットを改めてAIをもっと使いこなそう
生成AIを使いこなす第一歩は、ツールに対する認識を根本から改めること。これからの働き方について、生成AIコンサルタントの本郷喜千さんはこう語る。
「今後、AIを常に起動させながら一緒に業務を進めるのが日常になっていくはず。今、AIの出力結果が思い通りに出せなくて悩んでいる人は、基本的なプロンプトの組み立て方を学ぶことで、この先パフォーマンスが飛躍的にアップします」
まずベースに持つべきマインドセットは、AIを単なる検索エンジンとして扱わないこと。現在のAIは人間の言葉を深く学習済み。そのため、単語を無機質に並べるのではなく、主語や述語、助詞を含めた自然な文章で伝えることで、より的確な答えが返ってくる。
「AIは人間以外で唯一、人の言葉を理解できる。だからこそ、仕事仲間や友達と同じように接するのがベストです」
このときぼんやりとした指示ではなく、条件を明確にして絞り込むことで、AIは頼れるバディへと進化する。自分が人から仕事を依頼される場面を思い浮かべてみよう。
「具体的に『何月何日までにこの条件で書いてね』と言われるほうが進めやすいはず。AIに対するオーダーも全く同じ。そうした的確な指示を与える方法が『プロンプトエンジニアリング』と呼ばれるものなのです」
「エンジニアリング」という言葉に身構える必要はなし。まずは世界中の膨大なデータを学習したAIの知識の海から、どうやって必要な情報を抽出するかを考えよう。
「太陽光を虫眼鏡で集めて紙に焦点を当てると燃えますよね。プロンプトエンジニアリングとはそれと同じで、AIが持つ膨大な知識を絞り込み、自分にとって一番都合のいい答えを作ってもらう作業です」
普段から人にわかりやすく伝えられる人は、すでにAIを使いこなす素養を十分に持っているということ。プロの視点を取り入れて、仕事の効率を劇的にアップさせよう。
全ツール共通!基本のプロンプト入力方法
主なプロンプト入力方法は大きく2つ。それぞれの入力方法でできることを把握して、TPOに応じて使い分けよう。
テキスト入力
チャット方式で楽々入力。資料読み込みもお手のもの!
得意なこと:資料作りなど、成果物を作ること。
おすすめシーン:すでに出力したいものが決まっているとき。
おすすめツール
「Gemini」
Googleが開発したAIモデル、およびそれを使用した対話型サービス。テキストのほか、画像や音声、動画も扱える。最新情報のリアルタイム検索とGoogleアプリ連携が特徴。
音声入力
気軽に話しかけるだけで、短時間でアイデアを深掘り
得意なこと:アイデアの壁打ち。
おすすめシーン:モヤモヤした頭の中を整理したいとき。
おすすめツール
「ChatGPT」
OpenAI社によって開発された対話型AIサービス。生成AIが一般に広まるきっかけになった。Gemini同様、テキスト、画像、音声、動画を扱える。
理想のプロンプトを作るには、まずはこの要素で作る!
自分の思い通りにAIを動かすためには、どんな情報をどうインプットするかを理解するのが一番の近道。ここでは、AIへの指示を構成する基本となる3つのステップと、それぞれに盛り込むべき具体的な項目をチェックしよう。
① マストで入れる2大要素を整理して言語化しよう!

まずは「何を」「どうするのか」を決めよう
プロンプトの土台となる、欠かせない必須要素。
「一番典型的なものでいえば、対象と述語ですね。この2つが欠けてしまうと、AIはそもそも何を出力していいかわからなくなってしまいます」(本郷さん)
難しく考える必要はなく、「ビジネスメールを(対象)」「書いて(述語)」、「コーヒーについて(対象)」「教えて(述語)」といったように、まずは自分が必要としている事柄に対するシンプルな構成を作るのが先決。
「誰かに教わるまでもなく、『これについて調べて』とお願いするのは、AIを使ううえで誰もが普段から自然に行っていることですよね」(本郷さん)
まずはAIにどんなテーマで、どんなアクションを起こしてほしいかを整理して、言語化しよう。
② さらに出力内容を絞り込むための要素をとにかく細かく入れよう!

ターゲットや目的をさらに明確に
必須要素に加えて、出力のクオリティに劇的な差を生むのが任意要素。アウトプットの精度を上げるために、より具体的な条件や希望を伝える要素がこれにあたる。
「プロンプトは、ここで明らかな差がつきます。例えば『テーマは宇宙です』と最初に絞り込んでおけば、AIは膨大な知識の中から宇宙分野のデータだけを見に行けばいいので、答えをより深く探せるわけです」(本郷さん)
「あなたは宇宙の専門家です」など初めにAIに役割を与え、ターゲットや目的を明確にすることが大切。自分の頭の中にある問題意識や前提条件をすべて書き出し、AIを最適な回答へと誘導していく作業がここにあたる。要素が多いほど出力の精度は飛躍的に高まっていく。
③ 最後に、どんな形式で出力したいか指示しよう!

お手本を入れれば、すぐ使える出力に!
情報を十分に絞り込んだ後は、仕事や実生活で使える形で出力させるための形式要素を指示しよう。文字数や箇条書き、表組みといった指定は不可欠。さらに効果的なのが、お手本となる例を示すこと。
「例えば、普段自分が書いているのと同じトーンで文章を出力したい場合は、過去に書いた文章を貼り付ければ、語彙や助詞の使い方から似たものを出すことができます」(本郷さん)
フォーマットの具体例があるだけで、AIは一気にユーザーの意図を汲み取り、手直しのいらない精度の高い成果物を出力してくれる。自分好みのフォーマットや文体の癖をAIに覚えさせて、ゼロから作成する手間を省き、日々の作業を一気に効率アップしよう。
教えてくれた方
Profile
本郷喜千
生成AIコンサルタント、インディ・パ株式会社代表取締役。AIシステム、生成AIアプリケーションを中心にした開発事業、コンサルティングなどに従事。著書に『ChatGPTはじめてのプロンプトエンジニアリング』(スタンダーズ)などがある。
anan 2492号(2026年4月15日発売)より


















