個人と個人がつながり、あらゆるものを“シェア”して生きていくという価値観。シェアリングエコノミーが広がっていけば、従来の社会からどのように変わるのか。シェアライフの第一人者・石山アンジュさんとジャーナリスト・堀潤さんに、その心構えも聞きました。

シェアが普及した未来は、どんな社会に?

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安心のセーフティネットが広がっていく。

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堀潤(以下、堀):シェアリングエコノミーが広まれば、安心のセーフティネットが広がると思います。働き方も暮らし方も、もっと自由になるでしょうね。

石山アンジュ(以下、石山):多様な価値観が広がりますよね。

堀:シェアライフの安心感は、僕自身が身をもって実感しました。NHKを辞めた時、ノープランだったので不安はあったのですが、しばらく知人のいたシェアハウスに住まわせてもらっていましたし、SNSで発信し、賛同してくださる人を募って、クラウドファンディングで自分の思う発信スタイルを実現することができました。共感する人とつながり、みんなが支えてくれた。世の中捨てたもんじゃないなと思いました。

石山:昔からある“お互いさまの精神”ですね。

堀:昔はお醤油の貸し借りができるコミュニティがあったのに、資本主義経済のアクセルを踏みすぎて壊れてしまった。もう一度シェアを通して紡ぎ出している感じがします。

石山:変化の激しい時代の中で、持続可能性を高めるには、いろいろな土地で、人々が流動的に暮らすような暮らし方、働き方が理想だと思います。今よりもっと人口も少なくなりますし、人材を取り合うのではなく、シェアするというようなイメージ。そうすれば、万一、首都直下型地震が起こっても、社会が回るのではないでしょうか。

堀:情報も大都市集約型から、地方の情報を吸い上げて全国から発信するような形になっていくと思います。地域にはそれぞれいいものがありますから、それを全国でシェアできればもっと活性化していきますね。

石山:シェアリングエコノミーの話をすると「モノが売れなくなるのでは?」と言われますが、実はそうでもなくて、いろいろな企業のものに触れられることで、本当に好きなものは購入しようというふうになると思います。

堀:ニューヨークでライドシェア(車のシェア)が広がった時、タクシー会社にとっては脅威と思われていました。でも、ライドシェアは需要によって値段が変動するので、タクシー会社はネットで予約ができるようにした上に、安定した価格で提供できる仕組みにアップデートしたんですね。シェアが広がると、既存のサービスもより使いやすいものになっていきます。

石山:今は環境問題も待ったなしの状態ですから、大量生産・大量消費をやめて、モノを多く作らない代わりに、消費したものに付加価値をつけて再利用するシェアは、サステナブルなビジネスモデルです。これまでは、すべてを自分で買って所有しなければいけなかったところから、シェアをすることで、自分も得をしますし、地球も嬉しい。そんなライフスタイルを選んでいただきたいですね。

自分は何をシェアできるか考えてみよう。

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堀:シェアライフを広げていくためには、「こんなものをシェアできるよ」と、もっと世間に知らせていく必要があるんじゃないかなと思います。

石山:必ずしも得意なことやポジティブなものだけでなく、悩みや弱さを分かち合うこともできますよね?

堀:そうなんですよ! コロナ禍になった直後、「あなたの不安は誰かのニーズです」と呼びかけて、Zoomで100人くらいの人を集めて話してもらいました。NPOの方々にも参加してもらい、掲げられた問題に対して、解決できそうなものは申し出てもらうというマッチングができました。弱さをシェアすることは、誰かのサービスを強くすることにもなるんですね。

石山:お金を出せば全てが済む消費経済に慣れていると、シェアって少しめんどくさい側面はあると思います。でも、それも表裏一体で、誰かとコミュニケーションをとることで温かみのあるつながりを得られます。私自身、すごく実感していますが、明日何が起こるかわからない時代です。一人一人が心を開いて、誰かを受け入れる、つながる余白を持てたら、対立やヘイトもない豊かな社会になると信じています。

石山アンジュさん 1989年、神奈川県生まれ。デジタル庁シェアリングエコノミー伝道師。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事。著書に『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』『多拠点ライフ』。TVのレギュラー番組も多数。

堀 潤さん 1977年、兵庫県生まれ。ジャーナリスト。NPO法人「8bitNews」代表理事、「GARDEN」代表。『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX 月~金曜7:00~)、『JAM THE PLANET』(J-WAVE 水・木曜19:00~)などに出演中。

※『anan』2023年10月18日号より。写真・中島慶子 ヘア&メイク・村田真弓 イラスト・加納徳博 取材、文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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