集中できる“狭さ”が魅力。一畳書斎という新発想。
リモートワークが一般化して早2年。自宅での仕事環境をアップデートしたい人におすすめなのが、部屋に専用のワークスペースを設けること。「一畳ほどの空間があれば、快適な書斎を作ることができます」と話すのは、インテリアコーディネーターの中西八枝佳さん。一畳書斎のポイントや家具の選び方を伺いました。
「一畳書斎を作るメリットは、生活空間とは別に集中しやすい環境を整えることができ、オンとオフを切り替えやすいこと。また、資料などを置いたままにできるので、作業の再開もスムーズです」
空間づくりの際は、作業に適した高さのデスクと椅子を選びつつ、デスクまわりの環境を整えることを重視したい。
「手持ちの家具を活用する場合は、高さを調整するなど体に負担のないバランスに注意を。また、人は視界に余計なものが入らない方が集中できます。壁や家具、植物など間仕切りになるものを上手に使って、デスクに座った際の視界を遮るような工夫をすると効率が上がるはず。デスクの片隅に、息抜きになるような癒しグッズを置くのもおすすめです」
◎一畳書斎とは…
Wi‐Fi環境と電源、空調が整っていて、デスクや椅子を置くことができる一畳ほどのスペースがあればどこでも書斎に。デッドスペースになっている部屋の片隅、廊下、クローゼットなど、これまで意識しなかった場所がワークスペースとして機能することも。
一畳書斎をより快適に使いこなすポイント。
作業内容や体型に合った家具やアイテムを選んで、デスクまわりの環境を整備すれば、仕事の効率がアップ。
集中力アップに欠かせない、一畳書斎のマストアイテム。
【チェア】コンパクトなチェアを自分に合った高さに調整。
「高さを変えられるオフィスチェアが理想ですが、普段使いのものを活かすならクッションや足を置く台などで調節を」。クッションは、背もたれと座面の両方向から調整すると作業がより快適に。
【デスク】必要な作業に適したデスクサイズを見極めたい。
仕事内容により最適なサイズは異なるが、最低限の広さを目安に選びたい。「使い勝手のよいデスク幅の目安は60~80cm。奥行きは50cm以上あればパソコンと資料を広げることができます」
【デスクライト】手元を明るくすると集中力を高められる。
仕事のパフォーマンスを上げてくれるのが、デスクライト。「角度を変えられるタイプなら、作業に合わせて臨機応変に使うことが。机に挟むクランプ式のものはデスクを広く使えておすすめです」
【収納】整理整頓しつつ作業スペースを確保。
使わない資料を片付けたり、机の上にモノが堆積することを防ぐ収納家具。「サイドデスクのように作業中のスペースを拡張できるタイプや、キャスター付きで移動できるワゴン式が便利です」
生活空間に作るからこそ気をつけたい、作業効率アップポイント。
照明を使い分けてオンとオフを明確に。
照明をうまく使えば、切り替えがスムーズ。「仕事中はデスクライトや天井の照明で明るくして集中し、夜は間接照明にすると◎」
気が散るものは隠して集中力キープ。
視覚情報をコントロールして、切り替え上手に。「テレビが気になる人は布をかけて隠すなど、目から入る情報を遮断する工夫を」
仕切りを活用しておこもりゾーンを作る。
デスク周辺を囲っておこもり空間に仕上げれば、能率アップ。「壁や家具がなければ、植物を置いたり、パーティションで囲っても」
中西八枝佳さん インテリアコーディネーター、一級建築士、整理収納アドバイザー。ホームオフィスの改修事例も多く、著書に『ホームオフィスの作り方 在宅勤務がはかどる仕組みとインテリアのコツ』(Kindle版)が。
シャツ¥28,600(リノ/グッドスタンディング TEL:03・6447・2478) パンツ¥25,300 スリッパ¥12,100(共にルーマー/アルファ PR TEL:03・5413・3546) ピアス¥10,450(メラキ/フラッパーズ TEL:03・5456・6866) その他はスタイリスト私物
※『anan』2022年3月23日号より。写真・山口 明 スタイリスト・大谷優依(インテリア) 山口香穂(モデル) ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER) モデル・池野裕実(Kukka management) イラスト・かざまりさ 取材、文・宮尾仁美
(by anan編集部)