「やせたね」はNG!? 気遣い上手があえて“しない”6つのこと

ライフスタイル
2021.04.14
誰といても、不快にさせず、楽しい気持ちでコミュニケーションをとれるバランス感覚が良い人はどこが違うのでしょう? ここでは、気遣い上手さんがあえて「しないこと」に注目。無理せず場の雰囲気を良くする作法を身につけよう。

人間関係を育むために相手の立場を尊重する。

なぜ気遣いが必要か。その問いに、精神科医の星野概念さんは「人はひとりでは生きられません。他者と関わっていくための尊重や歩み寄りが気遣いなのだと思います」。

その際に大切なのは、相手の気持ちを汲みとる想像力。

「どうしたら相手が喜ぶか半歩先を考え、言葉や態度で伝える。ちょっとしたコツでできるようになります」

とは、イメージコンサルタントの三上ナナエさん。相手の反応はコントロールできないと捉えることも重要だ。

「リアクションを気にすると、躊躇したり見返りを求めたりして自分も苦しくなる。そこを切り離して考えれば踏み出しやすいはず」(三上さん)

気遣い上手がしないこと

相手に寄り添う気遣いをするために必要なこととは? 手始めに、気遣い上手が「しないこと」を心構えとして身につけよう。大切なのは、自分が主役にならないこと、無理をしないこと。

“見返りを求めすぎる”を、しない。

いつも気遣いをし続ければ、見返りを求めたくなることも。「これは気遣いの副作用のようなもの。ある程度は仕方がないけれど、ストレスが溜まって辛くなったら、一度気遣いをやめてみるのも手です」(星野さん)。「褒められたい、評価されたいなど、自分に矢印が向いた気遣いは空回りしがち。むしろ見返りは得られないでしょう。相手を思う気遣いだからこそ心に届き、評価や感謝につながるのです」(三上さん)

“主観を押しつける”を、しない。

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相手の立場や思いを汲みとる努力は気遣いの基本。でも行きすぎると主観が強くなり、結果的に相手を置いてきぼりに。「過剰に自分ごとに捉えると、いつの間にか相手の立場に立つ視点が消えてしまうことがあるんです。『私ならこうする』や『絶対こうするべき』といったスタンスはただの押しつけです。相手に心から共感することは大切ですが、冷静さを失わないようにしてください」(星野さん)

“初めて会う人に主張しすぎる”を、しない。

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仕事でもプライベートでも初対面の印象は重要。相手や会社の雰囲気をリサーチして、違和感を持たれない身だしなみと言動を心がけること。主張の強い服装は避けよう。「素の自分を知ってもらおうとしたり、気遣いしなきゃと気負ったりせず、まずは失点しないことが大切。必死さが伝わると相手に警戒され、印象を落とすことも。今後も付き合いが続く間柄なら特に、最初に頑張りすぎないことも気遣いです」(三上さん)

“無理をする”を、しない。

相手の気持ちや立場に寄り添ってコミュニケーションをとろうとするほど、自分を抑える場面は多くなるが、「気遣いを頑張りすぎて自分が潰れてしまったら本末転倒です。自分を大事にしながら無理のない範囲で、ほどよく気遣いを続けられる人が気遣い上手だと思います」(星野さん)。すべての人にパーフェクトな気遣いをするのは不可能。まずは自分が良好な関係を築きたい人の気持ちを汲みとることを目指そう。

“相手が気にしそうなことを指摘する”を、しない。

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なにげないひと言でも、相手を不快にさせたり追い詰めたりすることが。例えば、「汗がすごいけど大丈夫?」「ごはん残しているけど体調悪いの?」「やせたね」などは、気遣いや褒めのつもりでも逆効果になりやすい。「これらの例は、相手の立場に立っていない言葉。特にみんなの前で言うと注目を浴びさせてしまうので禁物です。状況を見極めながら、気づかないふりやあえて触れない選択も大切です」(三上さん)

“不機嫌になる”を、しない。

不機嫌な人には、周囲が気を遣って接せざるを得ないうえ、イライラが伝染する悪循環をもたらす。「自分のコンディションを整えることが気遣いのスタートです。たとえ言葉を発しなくても、人はその場にいるだけで周囲に影響を与えるもの。表情や態度にも気を配りましょう」(三上さん)。心が波立った時は、自分を俯瞰する視点を持ち、心と行動を切り離すと、感情がコントロールしやすくなるそう。

星野概念さん 精神科医として勤務する傍ら、音楽や執筆活動にも精力的。初の単独著書『ないようである、かもしれない 発酵ラブな精神科医の妄言』(ミシマ社)が発売中。

三上ナナエさん イメージコンサルタント。客室乗務員の経験から見出した気遣い術を生かして活躍中。著書に『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)。

※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・別府麻衣 取材、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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