大学生が運営する“子ども食堂”「どんな用事より優先しちゃう」

ライフスタイル
2019.03.09
「自分にできることを無理のない範囲で」――そんな気持ちで始めるのも実はありな「ボランティア」活動。今回は、その現場を見てきました。

【子ども食堂】IKEBUKURO TABLE

ボランティア活動12

「IKEBUKURO TABLE」は、代表の國井紀彰さんのもと、大学生が主体となって活動している子ども食堂。経済的に困っていたり、何らかの問題を抱える世帯の子どもの居場所作りとして、月に2回、食事の提供と学習支援を行っている。

この日は10名の大学生と、仕事帰りの男性も後から合流。先輩に誘われてこの日初参加の人も。普段の倍くらいの人数が来ていた。いつも16時に集合し、地域の店やお寺から寄付された食材をもとに献立を考え、足りないものは買い足して作る。監修役として、近くに住む子育てを終えた杉田さんが立ち会っているので、安心感がある。

17時くらいになると三々五々子どもたちがやって来て、慣れた調子で、座敷で食事ができるのを待つ。ゲームをする子、受験の面接試験の練習や宿題をする子など過ごし方は様々だ。18時ごろ食事が完成し、ボランティアと子どもたちが一緒に食卓を囲み、いただきます!

話もしながらで楽しそう。とにかく賑やかで、やっぱり食事は大勢で摂るものだと実感。食後も、片付ける人、子どもの相手をする人など、皆、手際よく自分の仕事を見つけて働いていた。

「学校や会社では、役割が決まった代替可能な存在になってしまいますが、こういう第三の場所で、ボランティアにとっても自分が自分でいられる、自分を見つめる場所になるといいなと思っています」(國井さん)

現場の声を聞きました!

ボランティア活動13

大学で食育を学ぶなか、子ども食堂に興味を持ったという日本女子大学3年の飯田瑠夏さんと、もともと子どもが好きで、仕事以外で子どもと関われる場所をと、子ども食堂のボランティアに関わるようになった立教大学1年の山口華乃さん。

「ここに来る前は、子ども食堂って、食事を作って出してそれで終わりなのかと思っていました。でも始めてみたら、思っていたよりも子どもとのコミュニケーションも盛んで、すごく楽しいです」と、笑顔で語る飯田さん。山口さんもそれに頷きながら、「いろいろな子どもたちに会えますし、しんどいと思ったことはありません。あまり話さない子に対して、どうやったら話してくれるかなと考えたり、たくさん刺激を受けています」と続ける。

普段の生活では会う機会のない、いろいろな年代、タイプの子たちと接することで、コミュニケーション力も鍛えられているよう。「子どもたちが悩みを相談してくれたり、学生ボランティアに心を開いてくれるのを感じたときはうれしかったです。あと、おいしいと言ってもらうとやっぱりうれしい」(飯田さん)。「まずいとは誰も言いませんよね?(笑)」(山口さん)。「味、薄い! と言われたことはあるよ(笑)」(飯田さん)

ボランティアは、アルバイトのような強制力はないので、自分の好きなタイミングで来ることができ、融通をつけられるから続けやすいのだとか。「そう言いながらも、ここが楽しいので、どんな用事よりも優先させちゃいます(笑)」(山口さん)。自分が変わるきっかけにもなるので、興味がある人には勧めたいそうだ。

飯田瑠夏さん(右)ボランティア歴5か月、山口華乃さん ボランティア歴9か月

「IKEBUKURO TABLE」 2015年、大学院在学中に國井さんが立ち上げた。池袋駅から徒歩15分の一軒家で、毎月2回開催。現在ボランティアは15~16人。子どもの貧困に取り組む団体との交流会も。ボランティアについての問い合わせはサイトから。
https://ikebukurotable.wixsite.com/home

※『anan』2019年3月13日号より。写真・大澤千尋

(by anan編集部)

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