“知る人ぞ知る”な桜の名所は、ローカル沿線にある!? 桜を追う玄人がセレクトした、4月以降も楽しめるスポットをご紹介。
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20年以上にわたり、毎月桜を観察している桜ウォッチャーの中西一登さん。誰もが知る名所中の名所から地方のニッチな桜まで、桜前線とともに全国を駆け抜けてきた。そんな中西さんに、ローカル線で巡るお花見の魅力を伺った。
「実はびっくりするくらい、たくさんの桜が植えてあるようなローカル線ってあるんです。線の開業を祝してとか、お客さんに楽しんでもらいたくてといった理由で植えられた桜があり、路線によってはメジャーな名所に劣らない楽しい場所があるんです。地元の人たちが桜を大切に保護していて、年々、美しさを増していくスポットもあります。桜を楽しむ時、私は周りの情景も含めて思い出に残しておきたいと思うのですが、“列車に乗りながら”も楽しい桜の楽しみ方の一つ。刻々と移り変わる窓の景色を眺めれば、お目当ての桜以外にも沿線に咲く桜との出合いがあります。桜のトンネルやのどかな春の田園を列車で抜けていくのは、ひと味違ったお花見の体験になりますよ」
青森県・津軽鉄道|芦野公園(あしのこうえん)駅

列車に揺られながら桜色のトンネルをくぐる。
「線路が公園を縦断しており、列車が桜のトンネルをくぐるというのは全国的にも珍しい光景。芦野公園駅で降りたら、旧駅舎を利用した喫茶店へ。地元の名物を使ったメニューがいただけます」
茨城県・ひたちなか海浜鉄道|中根(なかね)駅

関東の“秘境駅”の沿線には地元民が愛する神代曙などが。
「地元の方々によって守られた、枝ぶりが良く存在感たっぷりの神代曙などが車窓から楽しめます。途中の那珂湊駅までは沿線の所々に桜があり、そこで下車しておさかな市場まで行くのもおすすめ」
石川県・のと鉄道|能登鹿島(のとかしま)駅

愛称・能登さくら駅。約100本の桜が駅を包む。写真:実田謙一/アフロ
「駅を囲む約100本もの桜は昭和7年に、駅の開業を祝って植えられたものが中心。夜にはぼんぼりが点灯されて素敵な雰囲気に。他にも能登中島駅や西岸駅など、沿線には良い桜がありますよ」
千葉県・小湊鐵道|飯給(いたぶ)駅

ブルーモーメントの幻想的な映り桜は必見。
「駅裏の田んぼに水が張られ水面に桜が映る“映り桜”が見どころ。日暮れ時のブルーモーメントには桜と空とのコントラストが美しいです。これが終列車なので外から見るなら帰りの足を確保して」
栃木県・東武鉄道日光線|東武日光(とうぶにっこう)駅

桜×男体山×中禅寺湖の絵画のような構図を拝める。
「日によってはSL大樹が走るローカル色豊かな路線の後はバスなどで中禅寺湖畔へ。標高が高いのでGW以降に見頃を迎えるオオヤマザクラがある遅咲きの穴場。大ぶりで濃いピンクの花が咲き華やか」
福島県・JR磐越西線|喜多方(きたかた)駅

ここ数年でグンと美しく育った圧巻のしだれ桜。写真:館野二朗/アフロ
「ここは廃線跡の桜並木。喜多方駅徒歩5分の場所から始まる旧国鉄日中線跡地。これだけボリュームのあるしだれ桜で、かつ長い桜並木は珍しいです。圧巻の迫力なので有名になりきる前に訪問を」
お話を伺った方
Profile
中西一登
桜ウォッチャー。会社を5回辞めて、九州から北海道まで桜前線を追いかけ、これまでに1900か所以上の桜を訪問。日本の桜を知り尽くしたスペシャリストとして監修した『絶対に見ておくべき桜絶景』(メディアソフト)が好評。
anan 2489号(2026年3月25日発売)より



















