『ジャヴァン・レストラン 池袋店』のマヒチェ
羊とスパイスのコラボレーションに目がない人にとって、ジャヴァンの羊料理はご馳走だろう。
昨年12月に池袋にオープンしたイラン料理店『ジャヴァン・レストラン』では、本格的なイラン料理を楽しむことができる。羊肉を好み、スパイスを多用するイラン。そんな食文化を象徴するのがマヒチェという羊の脚の煮込みだ。羊肉をサフラン・シナモン・カルダモンなどのスパイスで数時間かけてじっくり煮込んだお料理で、ほろほろジューシーなお肉の食感とかぐわしいスパイス香がたまらない。それをディルやそら豆と炊き上げたバスマティライスにオンザライスするのだから、えもいわれぬミドルイーストの芳香が立ちのぼる。それは異世界の刺激というより、どこまでも優しい味がする。
「料理は基本的に母と私で作ります。レストランの味というより家庭料理の繊細なおいしさを伝えたかったんです」と店主のガザレさんが言う。たしかに店で働いているのは全員女性。「それからマニアックな地方料理もやりたかった。マヒチェもマシュハドという地域の名物で」。イラン料理=ケバブといった一辺倒なイメージにとらわれていたことを反省するくらい、その先には驚くべきおいしさが潜んでいる。
「日本にまだない味を伝えたい。イラン料理のおいしさを発見してほしいんです」。まっすぐな瞳で伝えるガザレさんの手料理は、つかの間の中東旅へと私たちを誘ってくれる。
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