東京・大手町の一角、「アマン東京」の麓に小さな森のように佇む『ザ・カフェ by アマン』。オリジナルアイテムが買えるショップも魅力的で、私のお気に入りは、客室の冷蔵庫にも常備されている、オリジナルフルーツジュース。これは総料理長自らが美味しいものを求めて全国の農園を探し歩くなかで出合った和歌山県の谷井農園によるもの。
全5種のラインナップで1種類はその季節の旬の味。それが楽しみのひとつ。スリムなボトルにクルッと薄紙をかぶせ、水引を連想させる白い紐。日本の贈り物の様式美を意識したスタイリッシュなルックスは、その土地の文化や伝統を重んじるアマンのスタイルを象徴するかのよう。通年のシリーズ「完熟マンゴー」はドロッと濃厚でジュースというより、むしろ果物そのもの。ミルクで割って飲むのも私好み。ほどよい酸味が効いている「クランベリー」や「ピンクグレープフルーツ」。果肉たっぷりの「不知火オレンジ」は、のど越しも心地よい。
この時期限定なのは和歌山県あら川産の「白桃」。グラスに注ぐと桃がほのかに甘く香って、凝縮された濃厚な味わい。まとわりつく甘さもなく、後味はスッキリ。天然の繊細な甘さに全神経を注ぎながら何度でも味わいたくなるのです。サマーギフトにぜひ。