2020年、代々木上原に上質で新しい町中華の風を吹かせた『REI Chinese restaurant』の姉妹店が、同じく代々木上原に誕生した。その名も『REI STEAMED BUN』、そう、REIが手掛ける肉まん専門店だ(歓喜!)。
「気軽に買えるものを上質な形で届けることをやってみたいと思っていました。特に、肉まん屋さんはたくさんありますが、現状はオーソドックスなスタイルが中心的。僕たちはレストランならではの発想で肉まんを形にしてみたかった。包めるものはいっぱいあるなあと。そこに伸び代があるように思ったんです」と、REIのオーナーシェフの高島泰弘さん。
その言葉のとおり、ラインナップには「肉まん」や「塩あんまん」などベーシックなものはもちろん「パクチーまん」や「キーマカレーまん」など、心ときめくメニューが躍る。中でも、パクチーまんの特別さったら。想像の2倍量のパクチーが爽やかな突風を巻き起こし、粗挽きの富士桜ポークやエビがムギュムギュゴロゴロ、噛み締める喜びを与えてくれる。そのジューシーなおいしさは、焼売が大きくなったような喜びも感じさせるが、それがふわふわともちもちの絶妙バランスな生地に包まれているので、むしろ焼売より愛しい。今後は新キャラも続々登場するとのこと。秋冬に向かってますます肉まんがおいしくなる季節。ほっかほかの湯気の先にはおいしさと驚きがギュッと詰まっています。
パクチーまん(右・420円)、マンゴーミルク(600円)。店内飲食は可能だが、基本的にはテイクアウトの売店仕様。中華のあんこではなく和のあんこを用いた塩あんまん(左・380円)など甘ものもおすすめ。
REI STEAMED BUN 東京都渋谷区西原3‐1‐4 トライアングル1F TEL:03・6451・5523 11:00~20:00※売り切れ次第終了 日曜休
ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)、『ショートケーキは背中から』(新潮社)など。
『anan』2024年10月2日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子
(by anan編集部)