草花から蜂たちが集めた蜜×ハーブ。自然の摂理そのものみたいな組み合わせの小さなショコラを舌に溶かすと、バサッとハーブ畑にダイブしている気分になった。
リラクシーなボンボンショコラを生み出した田中丸博文シェフは、蜂蜜メーカーが手がける『パティスリーQBG』でショコラティエを任されていた、蜂蜜の名手。10月に開いた『ROND‐POINT』でも、表現したい味に合わせて蜂蜜を使い分けている。マスカットのように儚く香るエルダーフラワーは、繊細なクローバー蜂蜜で香りを生かして。『MORI YOSHIDA』にいた時に出合ったレモングラスの“茎”を使う一粒には、あえてパワフルなイタリア産百花蜜を合わせて個性を残し、レモンがなくとも清々しい蜂蜜レモンを味わわせる。とりわけ惹かれたのがラベンダー。
「チョコレートにするなら爽やかさが欲しくて。僕の理想のラベンダーをローズマリーで叶えました」
同じシソ科で香りも通ずるところがあるフレッシュローズマリーを、ラベンダー蜂蜜とドライラベンダーにプラス。全体の8割も入れて颯爽としたラベンダーを印象づける。ふわりと広がる癒しの香りに、爽快感と蜂蜜の甘みが重なり、ラベンダー畑の風が体を通り抜けていくようだった。
蜂蜜の自然な甘さを生かして、フレッシュなハーブや果物で香りをつけた、最高に心地いいボンボンショコラコレクション。「レ・ミエル」6個入り¥2,160。右奥から時計回りに、ラベンダー、柚子、フランボワーズ、エルダーフラワー、国産百花蜜、レモングラス。それぞれバラ売りも(¥324~)。
Chocolaterie & Bar ROND‐POINT by Hirofumi Tanakamaru 東京都中野区中央2‐47‐2 コートフェニックス1F TEL:03・5989・1585 11:00~18:00 月曜休、火曜不定休
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2021年11月17日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)