マリネは腸活にうってつけのメニュー。
腸内にいる善玉菌が、食物繊維をエサにして作り出しているのが酸。これによって腸内が弱酸性に保たれると、悪玉菌の発育が抑制され、善玉菌がすみやすい環境に。このように腸内フローラを整えていくうえで、いま注目を集めているのが善玉菌の一種の酪酸菌。
「腸のバリア機能を維持したり、正常な働きを助ける短鎖脂肪酸を作る酪酸菌は、食物繊維や酢を摂取することで増えやすくなるといわれています。マリネはそれらの材料が取り入れやすいメニュー。発酵調味料も加えれば腸活パワーも倍増します」と言うのは、数々の美腸メニューを提案する管理栄養士の木下あおいさん。
今回は、腸活と連動してもたらされる副効能、“免疫力アップ”に注目した腸活マリネを紹介。
「食材は、食物繊維だけでなく各種栄養素を織り交ぜながら、マリネ液には酢をはじめとしてさまざまな発酵調味料、良質なオイルを使っています。作り方は、基本は食材を切って、マリネ液に和えるだけととても簡単。どれもさっぱりとした味わいなので、食欲が減退しがちな夏にもおすすめです」
サーモンとグリル野菜のマリネ
きのこやズッキーニに含まれる代謝促進のビタミンB1は、にんにくのアリシンとセットで摂ることで吸収率がアップ。マリネ液には腸の蠕動運動を促すオリーブオイルや、抗酸化作用が高いホワイトバルサミコ酢を。
【材料/2人分】
サーモンの刺し身…100g、ズッキー…1本、マッシュルーム…4個、エリンギ…1本、ミニトマト…6個、タイム…2本、にんにく…1かけ、[A:醤油…小さじ2、オリーブオイル…大さじ2、ホワイトバルサミコ酢…大さじ1]、ハーブソルト(または塩)…少々
【作り方】
- オーブンを180度に予熱する。
- ズッキーニを輪切り、マッシュルームを4等分、エリンギを乱切り、にんにくをスライスする。
- 鉄板にオーブンシートを敷き、2のズッキーニ、マッシュルーム、エリンギ、ミニトマトを並べ、タイムとにんにくをのせ、ハーブソルトを振り、20分焼く。
- ボウルにAを入れ、混ぜ合わせる。
- 3とサーモンの刺し身を4に加え、全体を和える。
腸活マリネで“免疫力アップ”
ビタミンD、カルシウム、鉄、亜鉛……。現代人に不足しがちな栄養素を補えば体はみるみる強くなり、免疫力もアップ!
サバとパセリのマリネ
強い細胞を作るためのタンパク質や、抗炎症作用があり脳も活性化するEPAやDHAが豊富なサバと、女性に不足しがちな鉄やカルシウムをたっぷりと含むパセリが主役。抗酸化力の高いクミンのほのかな香りが食欲をそそる。
【材料/2人分】
サバ水煮…100g、トマト…2個、パセリ…20g、玉ねぎ…1/8個、乾燥ひじき…3g、[A:クミン…少々、醤油…小さじ2、亜麻仁油…大さじ2、ホワイトバルサミコ酢…大さじ1]
【作り方】
- トマトを器に見立てて使うため、ヘタの部分を蓋用に落とす。中をくりぬき、一口サイズに切る。パセリと玉ねぎをみじん切りにする。乾燥ひじきをお湯で戻す。
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせ、水気を切ったサバ、1のパセリ、玉ねぎ、水気を切ったひじき、トマトの中身を加え、全体を和える。
- 中身をくりぬいたトマトの器に、2を詰める。
イカと桜エビのマリネ
良質なタンパク質や強力な抗酸化物質のビタミンE、そして健康維持に欠かせない酵素の働きを促す亜鉛が豊富なイカ。桜エビは、カルシウムや鉄など健康な骨や血を作る栄養素がたっぷり。
【材料/2人分】
イカ(茹でた胴部分)…100g、マッシュルーム…4個、紫玉ねぎ…40g、桜エビ…3g、乾燥わかめ…2g[A:醤油麹…小さじ2、黒酢…大さじ1、米酢…大さじ2]
【作り方】
- 乾燥わかめを水で戻し、水気を切る。イカは5mm幅くらいの輪切り、マッシュルームを薄切り、紫玉ねぎを千切りにする。
- ボウルにAを入れ、混ぜ合わせる。
- 1と、桜エビを2に加え、全体を和える。
無限小魚マリネ
小魚のカルシウムやアーモンドのビタミンEなど、免疫細胞を強くする栄養素が補給できるメニュー。味噌のコクと米酢のまろやかな酸味がクセになる! MCTオイルは疲労回復や脳を活性化。
【材料/2人分】
小魚…50g、枝豆…50g、アーモンド…8個、かいわれ大根…30g、[A:大豆パウダー(またはきなこ)…大さじ1、味噌…小さじ2、米酢…大さじ2、MCTオイル(または好みの油)…大さじ1]
【作り方】
- 枝豆はさっと蒸して、さやから出す。アーモンドを軽く砕く。
- ボウルにAを入れ、混ぜ合わせる。
- 小魚、枝豆、アーモンド、かいわれ大根を2に入れ、全体を和える。
木下あおいさん 管理栄養士、日本インナービューティーダイエット協会理事長。協会としての最新刊は『体の中からきれいになる食べ方』(宝島社)。ほかにも美腸レシピを紹介する著書多数。
※『anan』2021年7月28日号より。写真・市原慶子 料理作製・木下あおい スタイリスト・野崎未菜美 構成、文・野尻和代 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)