『Ode』が隣でコーヒースタンドを始めた、そんな朗報に心躍らせ、いそいそ広尾へ。食通たちがこぞって通うフランス料理店がなぜ今コーヒースタンドを? 「コロナ禍の休業中にいくつか架空の飲食レーベルを立ち上げたのが一番のきっかけです。この状況にスタッフの心が疲弊しないよう、新しいことを楽しもうって」と生井祐介シェフ。嘆くよりも面白い試みでモチベを上げる、なんと前向きな乗り越え方! 架空のフィナンシェ専門店にキューバサンド店……評判をさらったフードを、今度は『BGM COFFEE & VIBES』でコーヒーと一緒に。
カウンターに並ぶ黄金色のベイクの中でも、とりわけユニークなのが“サステナブルパウダー”入りのカヌレ。『Ode』でも料理に添えられていたこのパウダー、調理過程で出た野菜の端材を、焼きながら乾燥させて粉にした自家製。カヌレにあえてバニラを使わず、香りのパーツとしてこのパウダーを練り込んでいる。その時の端材で内容は変わるけれど、今回はみかんの皮、ふきのとう、にんじん、ジャガイモ、セロリが粉に。齧るとカリムチッ、まず外側のビタースイートなおいしさが押し寄せ、後味にわずかにふきのとうの香りがふわり。カヌレがほんのり春の気配を纏っていた。
左手前から時計回りに、「カヌレ」¥400、季節のコンフィチュールでしっとり仕上げたレミーマルタン香る「ブランデーケーキ」¥500、「BGMオリジナルブレンド ロングブラック」¥550、カヌレ(前述と同じ)、「フィナンシェ」キャラメルソルト、ナチュール各¥300、粉にした白インゲン豆で某クッキーのしっとり感を再現した「チョコクッキー“キラーマアム”」¥300(すべて税込み)。
BGM COFFEE & VIBES 東京都渋谷区広尾5‐1‐31 TEL:03・6447・7926 8:00~未定 不定休 カヌレはじめ一部焼き菓子はhttps://shop.restaurant-ode.com/から取り寄せ可能。
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2021年3月17日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico
(by anan編集部)