コロナのおかげですっかりレストランに行く回数が減ってしまってから、もう1年が過ぎる。そんな状況の中で、シェフたちも試行錯誤しながら新たな挑戦を始めている。この連載も、新店に限らず、シェフたちの新しい取り組みにフォーカスしていきたい。まずはテイクアウト。レストランと私たちを再び結びつける新テイクアウトとはどんなメニューか?
『レストランキノシタ』は1996年オープン。当時は無名だったけど、ディナー3800円(現在でも4000円~)で量もガッツリ、味も直球という魅力で「予約の取れないレストラン」と呼ばれるほどの超人気店になった。代表メニューの和牛ホホ赤ワイン煮は、かれこれ四半世紀の定番。私も何度も味わっているが、テイクアウトを一口食べたら目が点になった。一点の曇りもない、澄み切ったソースは何度もアクを引いた丁寧な仕事の結果だ。木下和彦シェフは常に進化していることを実感する。ロールキャベツは5時間も煮込んだトロトロの洋食メニュー(といっても洋食屋とは一線を画す軽いソース)。木下シェフが作るまかない飯・カレーライスは、和牛の様々な部位と野菜を煮込んだスパイシーなカレー。「テイクアウトは自由に表現できるのが楽しい!」と木下シェフ。その味をおうちでじっくり堪能して!
左上から時計回りに、特製キノシタカレー(2人前。ライス、ピクルスは好みで)¥1,800、ロールキャベツのクリーム煮(2個入り)¥900、和牛ホホ赤ワイン煮¥1,800、家で飲む時にリッチな一品、フォアグラのテリーヌ(パン、塩、ソース、付け合わせは別)100g¥2,200。どのメニューもご飯、パン、パスタなんでも合う。
レストランキノシタ 東京都渋谷区代々木3‐37‐1 エステートビル1F TEL:03・3376・5336 ランチ12:00~15:00(14:00LO)、ディナー18:00~22:30(21:00LO) 月曜休 ※営業時間中にテイクアウト可。当面の間ディナーは17:00~20:00。
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
※『anan』2021年3月3日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子
(by anan編集部)