とろんとした舌触りに、ほんのり甘さの広がる豆乳。台湾の朝ごはんでおなじみの豆漿(ドウジャン)の専門店が今年の2月、五反田にオープンした。ご店主は2015年に神田の『東京豆花工房』を開いた田邊与志久さん。豆花屋を始めたことで朝が早くなり、おいしい朝食にありつく余裕がなくなってしまったことをきっかけに「忙しくても気軽に立ち寄れる朝食が街には必要なんだ」と決意して、豆漿屋の開店に至ったという。朝の街角で、豆漿を一杯。台湾の朝食文化はとても豊かだ。
豆漿は毎朝お店で絞る作りたて。お酢を加えてふるふると固める鹹豆漿(シェンドウジャン)は、干しエビ、大根の塩漬け、ねぎ、油条(揚げパン)を加え、ごま油とラー油を回しかければ完成だ。豆漿の包容力に、お酢の酸味と具材の食感がアクセントとなって、食欲のない日でもするすると食べ進められる。器が空っぽになる頃には、胃袋がじんわり温まり元気がわいてくる。中華系のパンこと酥餅(スーピン)も充実で、サクサクホロホロの塩揉み大根のパイや、ピーナッツの甘じょっぱいおまんじゅうなども添えれば、これ以上ない完璧な朝食となる。大きな窓からは惜しみなく朝日が注ぎ、パイ生地が散らかったテーブルにきらきらと反射する。慌ただしい朝の中にあって、この場所だけはまるで聖域みたいだ。
鹹豆漿¥450。塩揉み大根の酥餅(左)¥250。ピーナッツの酥餅(右)¥250。豚とねぎの酥餅(手前)¥280。台湾からやってきた酥餅のプロ・江さんの技が光る。薄焼きパンの焼餅(シャオピン/¥460)は、ねぎ入り薄焼き卵と油条を挟んで食べる。
東京豆漿生活 東京都品川区西五反田1‐20‐3 TEL:03・6417・0335 7:30~14:00 日曜休
ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
※『anan』2019年4月10日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子
(by anan編集部)
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