なんて品の良い佇まいのホットサンドだろう。独特なフォルムは見覚えがあった。和食の名店『くろぎ』のロゴマークだ。そう、これは昨年11月オープンのカフェ&バー『廚 otona くろぎ』で早くも評判を呼んでいる、その名も「くろぎサンド」。
フィリングをパンに挟んだら、型を使い練り切りの要領でグイッと抜くのも、和菓子店もやっているこちららしい。そもそも焼くとカリッとする水分量のパンを特注しているが、このやり方で抜くと、空気が押し出されてさらにクリスピーに感じられる。香ばしく焼かれたパンからとろりと溢れる餡バターや抹茶クリームチーズもまたひと味違った。柔らかな甘さにほのかな塩気が心地よく、独特の旨味がじんわり舌に染み渡るよう。
ヒミツは餡に醤油(抹茶餡には塩)が入っていること。「和食のさしすせそ」がちゃんと息づく甘味は、甘じょっぱさが後を引き、コーヒーを片手に朝食がわりやおやつにいただくのはもちろん、お酒のアテにするのもいい。なにしろお店は朝7時から深夜2時までずっとやっていて、猿田彦珈琲とコラボした和菓子に合うコーヒー「絹ゆらぎ」から、珍しい焼酎や日本酒まで完備。一日中いつだって焼きたてのホットサンドが、ゆるりとしたひと時を運んでくれる。
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