きらきら透けるりんごチップが小さな帆船みたいな『栞杏1928』の紅玉のタルト。カワイイのはさておき、この時期あちこちのパティスリーで出てくる秋冬の定番だよね、なんて何気なくいただくと、目がさめるほどの衝撃! 口いっぱいにりんごの甘酸っぱさ、滴るような果実味、可憐な香り、火を入れたりんごの奥深い旨味……りんごのあらゆるおいしさが溢れ出す。
「直径6cmほどのタルト1個に紅玉を1.5個使います」と生野剛哉シェフ。聞けばただりんごがたっぷりなだけではない。4つの調理法で紅玉の魅力を引き出すという。まずはりんごジュースで煮た紅玉でりんごの旨味と甘さをアピール。その奥にはシナモンとカルバドスでバターソテーした紅玉をゴロンと塊で入れて、果肉を齧る喜びを忍ばせる。表面にフレッシュのりんごを並べて焼けば、鮮やかな赤いストライプが出現。りんごチップは極薄にしたりんごをシロップで真空調理、味を染み込ませてからオーブンで乾燥させたもの。よくあるスカスカなドライアップルとはまるで別モノで、ぬかりなく味わい深い。どのパーツも余分な甘さをつけず、シナモンもクレームダマンドも控えめにして、りんごを前面に。一口いけば、フルスロットルのりんごのおいしさが押し寄せる!
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