
エリック・カール『はらぺこあおむし』1987年版 表紙 1987年 エ リック・カール絵本美術館 Collection of the Eric and Barbara Car le Foundation. Ⓒ 1969, 1987 Penguin Random House LLC.
『はらぺこあおむし』で有名な絵本作家、エリック・カールの展覧会が東京都現代美術館にて開催中。会期は7月26日まで。本展では、日本で過去に開催されたエリック・カール展と比べて最多の12点を紹介するほか、原画や素材なども多数展示。同氏の絵本作りの全容に迫る。
Who’s Eric Carle?
Profile

Ⓒ The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Inc.
エリック・カール
1929年、ニューヨーク州生まれ。'52年からデザイナーやアートディレクターとして活躍後、絵本作家となり生涯で約90冊もの絵本を生み出した。2002年「エリック・カール絵本美術館」開館。'21年に91歳で没。
モザイクと色彩で物語を紡ぎ出す、エリック・カールの創作の源流に迫る
あおむしが食べた跡を穴で表現した仕掛け絵本『はらぺこあおむし』。きっと誰もが幼い頃にこの本を一度は手に取ったことがあるだろう。現在では欧米やアジアを含め70言語以上に翻訳され、世界中で愛されるロングセラーに。今年は日本語版の出版50周年を迎え、それを記念した展覧会が開催される。
会場では、『はらぺこあおむし』の全ページの原画が登場するほか、海外で出版されている他言語版もズラリと展示。また本書誕生のきっかけとなったダミーブック「みみずのウィリーのいっしゅうかん」も紹介し、この絵本のルーツに迫る内容に。ちなみにダミーブックとは、絵本の構想段階で作られる本のこと。本展では、日本で過去に開催されたエリック・カール展と比べて最多の12点を紹介する。他に『パパ、お月さまとって!』や日本では未発表の絵本など27冊の絵本原画や、モザイクに使用する素材など約180点を集めて、カールの絵本作りの全容に迫る。
他にも、カールのグラフィックデザイナー時代のポスターなども紹介することで、絵本作家だけでなく、グラフィックデザイナーとしての側面にも光を当てる。カールの絵本の魅力はビジュアルやストーリーだけではなく、トリックにもある。
幼い読者のために「遊べる本でもあり、読める玩具でもある絵本」を目指していた彼はグラフィックデザイナーとしての経験を活かし、当時は珍しかったフリップフラップ絵本やポップアップブックなど、読者と共に手を動かして楽しめる本を手掛けた。
インタラクティブな趣向を通して、主人公と共に冒険できるカールの絵本の数々。そこには彼の生い立ちや友人など、バックボーンに由来する、彼ならではの創意工夫がある。本展を目にすれば、彼の絵本がなぜ世界中で愛されるのか、その魅力を理解できるはずだ。
information
エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし
東京都現代美術館 企画展示室1F/3F 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内) 開催中~7月26日(日)10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで) 月曜(7/20を除く)、7/21休 一般 2,300円ほか TEL. 03-5245-4111
anan 2495号(2026年5月13日発売)より

























