
仲野太賀さん
生き生きと、若いパワーがほとばしる大河ドラマ『豊臣兄弟!』がスタートした。主役を演じるのは仲野太賀さん。これまでに『江~姫たちの戦国~』『いだてん~東京オリムピック噺~』など5作の大河ドラマに出演しており、6度目にして主役の座を射止めた。
八津さんの脚本はすごくポップ。誰もが楽しめる青春活劇になっています!
「いつか大河の主役をやってみたいという夢は俳優を始めた頃からありました。ただ、その夢がどれほど遠いものか年々痛感し、そんな夢を持っていたことさえ頭の隅に押しやっていた…そんな中、オファーをいただいたので本当に驚きました。これまでのすべての仕事がここにつながっているように思えて、お世話になった方々の顔が浮かびました」
仲野さんが演じるのは豊臣秀長(小一郎)。秀吉(藤吉郎)の弟で、兄の天下取りを支えた人物。『半沢直樹』や『おちょやん』を手がけた八津弘幸さんが秀長の視点で戦国の世を描く、オリジナル脚本である。
「八津さんの脚本はとてもワクワクします。キャラクターが瑞々しく描かれていて、史実により出来事は知っていても、脚本を読んでいると、この兄弟が一体どんなことを成し遂げるのか、夢が膨らみます」
青年期の秀長の史料はほとんど残っておらず、史実に基づきながらも「もしかしたら、こうだったかも?」という想像も加えている。初回の、小栗旬さん演じる織田信長と小一郎の出会いも、驚くようなユーモアをちりばめたシーンになっていた。
「秀長はできるだけ無駄な争いは避けて、どうしたらみんなが笑って生きられるかということを常に考えていた人。秀吉や信長は100人に1人のカリスマ性を持った人だと思いますが、秀長はどちらかというと残り99人側。天下人へと駆け上がる兄の横で、秀長だからこそ見えていた景色があっただろうし、兄と家臣や市井の人々との間に入ることができたんじゃないかなと思います」
仲野さんは秀長ゆかりの土地に度々出向き、昨秋には名古屋まつりで小栗さんと約80万人の前でパレードを行った。「人生最終回? と思うほどだった」と、尊敬する先輩と大勢の人々に歓迎されたことに感激し、たくさんパワーをいただいたと語っていた。奈良の壷阪寺を訪れた際には豊臣秀長公像に対面した。
「その像が作られたのが、大坂夏の陣の後らしく、秀長が亡くなった随分後なんです。すでに徳川政権になっていたにもかかわらず、誰かが豊臣秀長の像を残したいと考えた。どれだけ慕われていたか、彼の人間性を推測できるような気がしました」
本作の一番の見どころは、池松壮亮さん演じる秀吉とのバディだ。近年の日本映画を支えてきた二人でもあり、信頼は厚く息もぴったり。
「お芝居って何だろうとか、映画やドラマ、作品を届ける意味みたいなことについての対話を10代の頃から重ねてきた仲でした。ずっと影響を与えてくれた尊敬する俳優なので、そんな池松さんと大河ドラマで秀吉と秀長の兄弟を演じるというのも、運命めいたものを感じています」
記者会見では二人仲良く手を繋いで登場し、会場を沸かせる一場面も。
「池松さんは、劇中の秀吉のように明るくカリスマ性があって、現場の和やかな空気を作ってくれているので、僕も自然と小一郎ムーブになり、甘えてしまっています(笑)。信長役の小栗さんは一切手を抜かず、ご自身に一番厳しい。それでいて僕らには親身に寄り添ってくれて、豊臣兄弟の精神的な柱になっています」
主役然と気張ることなく、誰に対してもフラット。「人たらし」な仲野さんだからこそ、皆をオープンな気持ちにさせ、ベストパフォーマンスを引き出すのだろう。きっと秀長がそうであったように。
「時代劇だと、もしかしたら身構える方がいらっしゃるかもしれませんが、『豊臣兄弟!』はポップで、共感性の高い、誰でも楽しめる青春活劇になっています。体温の伝わるドラマにできたらと思います!」
Profile
仲野太賀
なかの・たいが 1993年2月7日生まれ、東京都出身。最近の主な出演作にドラマ『虎に翼』、映画『十一人の賊軍』など。映画『ストリート・キングダム自分の音を鳴らせ。』が3月27日公開。
information

NHK2026年度大河ドラマ『豊臣兄弟!』
尾張中村の貧しい農家に生まれ、農民として生きるつもりだった小一郎(仲野)が、兄の藤吉郎(池松)に誘われ、共に天下統一を目指すようになる、下剋上サクセスストーリー。毎週日曜20時~、NHK総合ほかにて放送中。ⒸNHK
anan 2478号(2026年1月7日発売)より




















