
松下優也さん
松尾スズキさんの小説『クワイエットルームにようこそ』は、薬と酒の過剰摂取で搬送された主人公が収容される精神科病院の閉鎖病棟が舞台の物語。2007年に作者自身の脚本・監督で映画化されたが、なんと今回、ミュージカルになるという。
ミュージカル好きな人たちに、ちゃんと届くものにしたい
「台本を読んで、とにかく笑いましたね。コメディでも、台本を読むだけじゃ笑いになりにくいものが多いのに、文字だけで笑わせられるってすごいと思います。ただ面白いだけじゃなく、お芝居として魅せる場面もあるし、人間の滑稽さや愚かさも描いていて、笑えるけれど切なさや痛さもあって好きですね」
松下優也さんの役は、主人公・佐倉明日香(咲妃みゆ)の恋人で放送作家の焼畑鉄雄。気が弱くて優柔不断で、その場の雰囲気に流されやすいキャラクターは、これまで熱量の高い役を演じることが多かった松下さんには意外な気がするけれど…。
「どうしようもない頼りないヤツではあるけれど、根は優しい人なんだろうと思っています。僕の場合、頑張れば派手にやっちゃうからこそ、頑張らないことを頑張ろうかなと」
昨年出演した『マリー・キュリー』でも、演じていたのは主人公・マリーを静かに支える夫の役。「引いたお芝居ができるようになったのも、キャリアを重ねるうちに、どこか自分に自信がついてきたからかもしれない」と話す。
「自分の役をどう見せるかより、主人公が素敵に見えるために何ができるのかを考えた結果です。これまで、周りが僕がやりやすいように考えて動いてくれていたんだなっていうことが今はわかるんです」
クセの強いキャラクターたちが突飛な行動に出るが、ミュージカルも芝居の最中に突如歌い出すと考えると、意外に相性はいいのかも?
「ミュージカルをちょっと誇張したり、笑いに転化した作品を、ミュージカルど真ん中の人たちがやる。それが面白いと思うんです。だからちゃんとミュージカルが好きな人たちに届くものにしたいし、そうしなきゃいけないとも思っています」
もともと歌手としてデビューし、今、アーティスト活動と並行し、ミュージカル俳優としても活躍中。
「歌をやっていく中で演技のお仕事が増えてきて、正直、最初はそこまでピンとこなかったんです。でも、音楽も芝居も一緒かもと思うようになったら面白くなってきた。基本的に、興味を持ったことは深掘りするタイプですし。…結局、向いていたからやっているって感じです(笑)」
Profile
松下優也
まつした・ゆうや 1990年5月24日生まれ、兵庫県出身。2008年にアーティストデビューし、翌年から俳優活動開始。近作に、ドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』、ミュージカル『ケイン&アベル』『キンキーブーツ』など。
information

COCOON PRODUCTION 2026『クワイエットルームにようこそ The Musical』
ストレスフルな日常を送っていたフリーライター・明日香(咲妃)は、薬と酒の過剰摂取で精神科病院の閉鎖病棟に収容される。個性的な入院患者たちと交わる中、徐々に病棟に馴染んでいき…。1月12日(月)~2月1日(日) THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階) 作・演出/松尾スズキ 音楽/宮川彬良 振付/スズキ拓朗 出演/咲妃みゆ、松下優也、昆夏美、皆川猿時、桜井玲香、池津祥子、宍戸美和公、近藤公園、笠松はる、りょう、秋山菜津子ほか 全席指定S席1万2500円ほか Bunkamuraチケットセンター TEL. 03-3477-9999(10:00~15:00) 京都、岡山公演あり。https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/quietroom2026.html
anan 2478号(2026年1月7日発売)より























