紫 今「音楽を通して意見を交わし合えるのがすごく楽しい」 ファーストアルバムに込めた想い

エンタメ
2025.03.15

紫 今さん

作詞・作曲・編曲・歌唱を自ら行う完全自作自演マルチクリエイター、紫 今さん。キャッチーで多彩なサウンドと風刺の効いた鋭い歌詞、圧倒的な歌唱力でバズを続ける中で生み出したファーストアルバム『eMulsion』に込めた想いとは?

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音楽を通して意見を交わし合えるのがすごく楽しい。

「『emulsion』という言葉には乳化という意味があって、水と油のようにかけ離れた曲が一緒になっているアルバムにしたいという想いがありました。幅の広いアルバムにしたいという意識で新曲を何曲も書きました」

多彩で幅広い15曲が収められているが、これまでになかったストレートな楽曲が驚きを与える。

「これまでは自分が伝えたいことを少しひねくれた表現で曲に落とし込んでいたんですが、新曲の『最愛』と『革命讃歌』は自分の想いをストレートに表現しました。ストレートな歌詞に負けないように歌声でも感情を100%抽出した表現をしようと思ったことがアルバムでの最大のトライでした」

「最愛」は、別れを経験したことで出会う前より孤独を感じる切なさを綴ったラブバラードだ。

「昨年、実際にこういう経験をしました。これまでの自分は愛を知らない自覚があったので、小説やドラマや映画からインスパイアされた恋愛模様を曲にしていて自分の愛を歌うことを避けていたんです。自分の恋愛を歌ったのはこの曲が初めてです。すっきりしましたね。恋愛以外でも、友達との関係や誰かに嫌なことを言われたりしても曲にすれば全部ハッピーエンドにできる。“あの経験はこの曲のためだったんだ”って思えるのは音楽をやってて嬉しいことのひとつです」

ストレートな新曲で新機軸を見せる一方で、耳を奪うフックが大量にちりばめられ、社会風刺満載。多くの聴き手を翻弄するような「合法パンチ」も新曲として収められている。

「『合法パンチ』はSNSの誹謗中傷をテーマにした曲ですね。昔から世の中に対していろいろな疑問を持っていて討論するのが好きだったんですが、小学生が討論してもケンカになってしまいます(笑)。でも今は私が曲を発表するとたくさんの人がコメント欄に解釈を書き込んでくれて、音楽を通して意見を交わし合えるのがすごく楽しいです」

PROFILE プロフィール

紫 今

むらさき・いま 2023年、SNSで話題になった楽曲「ゴールデンタイム」で配信リリース開始。’24年4月リリースの「魔性の女A」が国内外でバイラルヒット。3月29日から東名阪アルバムリリースツアーを開催。

INFORMATION インフォメーション

1stフルアルバム『eMulsion』

「魔性の女A」や「凡人様」等のストリーミングヒット曲に加え、新曲も含む全15曲を収録。【通常盤(CD)】¥3,500 【初回生産限定盤(CD+BD】¥6,800(Sony Music Labels)

写真・小林真梨子 取材、文・小松香里

anan 2438号(2025年3月12日発売)より

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No.24382025年03月12日発売

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