いつだって遊園地を訪れたときのワクワク感が感じられるHey! Say! JUMPのライブ。ステージを覆い隠していた白い幕がバサリと落ちると、廃墟の遊園地をモチーフとしたゴージャスな洋館のセットがお目見え。高さ14mのメリーゴーランドにジェットコースターのレール、観覧車、ピエロの顔など、コンセプトである“DARK&POP”なセットにサプライズ感満点に登場した8人。炎が燃えさかる中、「DARK HERO」を歌う姿は、ヒーローさながら!
日常×違和感をDARK&POPに表現するアルバム『H⁺』のコンセプトの通り、ちょっぴりダークモードの“カッコいいJUMP”から始まった幕開け。「騒げ~、東京ドーム!」と山田涼介さんが叫ぶと、会場に集まった5万5千人が大きな歓声をあげ、「ウラオモテ」へ。オープニングからJUMPワールドに迷い込んだ観客たちがミステリアスな楽曲でさらに没入感を高めていく。
3曲目からは、まるで夜明けが訪れたかのように爽やかなナンバー「サンダーソニア」へ。「東京~! 会いたかったか? 皆、声を聴かせてくれ」と中島裕翔さん。ピエロの顔のモチーフが付いたフロートに乗り込み、薮宏太さんが「今日は日本でいちばん熱い夜にしようぜ!」、八乙女光さんが「歌おうぜ」と目の前のファンのみんなに呼びかけ、会場がひとつに。そして、中島さんが指をパチンと弾く音で洋館がゴールドに輝く演出で始まったのは、ロマンティックな「DREAM MY LOVER」だ。ラスト、有岡大貴さんが中島さんのマントに包まれ、中島さんが華麗にターンを決めると有岡さんの姿が消えるイリュージョンも。
ニューアルバムの楽曲を連続で畳みかけていくパートでは、“オトナJUMP”で彼らの新たな魅力をフル発揮。「Never end...」では、女性のシルエットがエキゾチックに映し出される中、セクシーに、しなやかにダンス。「ナユタの海」ではブルーのレーザー光線が張り巡り、会場が美しい深海の光景に一変。クラゲや熱帯魚が泳ぐ映像を前に歌うのは、僕が君を信じているからと歌う、美しい世界だ。そして、大人なラブソング「シアティカ」では、スタイリッシュなパフォーマンスで大人の表情を覗かせるなど、バラエティに富んだ楽曲を届ける。
「僕たちがHey! Say! JUMPです!」と声を揃えて始まったMC。メンバー全員ハイテンションで「みんなテンション変!」と笑う山田さん。この日は、ライブ仕様に髙木雄也さんが茶髪のニューヘアになっていることが話題に。「久々に染めてみようかなって。名古屋で、山田くんが気合いを入れて金髪にしてきたんで……」と髙木さんが髪色を変えた理由を話すと、「いや、俺、全然気合いとか入れてない!」と山田さん。「涙ぼくろも復活してるし。皆、よく見て! ライブのときだけ現れる涙ぼくろ!」と有岡さんに茶化され、「やめてよぉー!!」と照れまくる山田さん。「僕は名古屋の時から復活したの、知ってました!」と中島さんはニヤリ。
有岡さんが「髙木さん、ホントは銀髪にしようと思ったんだけど、八乙女さんが銀髪にするからやめたんだよね?」と切りだすと、「そうです!」と髙木さん。八乙女さんがシルバーにすると申告したため、茶髪にしたという。「八乙女さんに関しては、毎回本当に何色にするのか、マジで読めないから……」と山田さんが言えば、髙木さんは「俺、シルバーじゃなくて、もっと違う色にするからいいよ……みたいなメールくれたんだけど、舞台が終わって、気分を変えるためにやりたいんだろうなと思ったから(シルバーヘアを譲った)」と説明。
シルバーヘアにした八乙女さんは、「めっちゃ似合ってるよね、俺。ビックリした!」と、お気に入りの様子。そんな八乙女さんを見て、有岡さんが「思い出したんだけどさ。八乙女さんは髪の色を結構、チェンジするじゃない。金髪にしたときかな? 『ヒルナンデス!』の生放送のCM中にチョコプラさんに『髪の色、変えたんだよね~』って、褒めてもらえるテンションで言ったら、チョコプラさんに『お見送り芸人しんいちみたいだね』って言われてたね」と振り返る。
ここで山田さんが「大ちゃんは、昔からずっとそれ(同じ髪型)じゃない?」と言い出し、「マイナーチェンジに気づいてないだけで、今は襟足が長めです!」と力説する有岡さん。「いや、そんなに変化が分からないからさ、知念とじゃんけんして、負けたら、知念の言われた色にしろよ」と突然、提案したのは伊野尾慧さんだ。これには「”しろよ”っておかしいだろ。知念が言い出したわけじゃないのに。それに知念がじゃんけん強いの、みんな知ってるもんね? 知念といえば、じゃんけんなんですよ」と、じゃんけんに勝てるか、不安げな有岡さん。
伊野尾さんの提案で、『いたジャン!』でおなじみの“ケチネン”になった知念さんとじゃんけん大会をすることに。「皆さまもお付き合いください。ケチケチケチネン。ジャンケンポン!」と真剣勝負をしようとするも、なかなかスムーズにいかず、「おい、全員ちゃんとやれよ!」とふざけて、怒る伊野尾さん。真面目にじゃんけんをしていた中島さんは茫然。ここで「(有岡さんに)2つ選択肢をあげよう。ピンクにするか。どこか一束だけ金髪にするか……ピンク一束でもいい!」と提案して、「ケチケチケチネン、ジャンケンポン!」とジャンケンをして大騒ぎ。結果、勝利したのは有岡さん。知念さんは「明日もやろう」と闘志に燃えていた。
「またいつでもおいでよ! じゃ、知念。いいよ。ほら、言っておきたいことあれば……」と有岡さんに言われた知念さんは「ハッ?」と強めの反応をして、「今年イチのブラック知念でました(笑)」と薮さんに突っ込まれる場面も。気を取り直した知念さんが、「この後も最大限のエンターテイメントをお届けしますので、他の方も見たいと思いますけど、僕を見てください」とアピール。翌日の公演でも髪色をかけたケチネンじゃんけんが繰り広げられ、Hay! Say! JUMPのカウントダウンコンサートでは、有岡さんがレフト側だけ一束メンバーカラーに染めた姿を披露していた。
後半は、山田さんのオーダーで伊野尾さんがピアノ演奏にチャレンジした「最後の涙」からスタート。白いグランドピアノを前に「緊張する~! いよいよ神頼みしかない(笑)」と真剣な表情で手を合わせる伊野尾さん。しんみり別れのラブバラード曲の繊細なメロディーが会場をふわりと包むと、優しい歌声で歌うメンバーたち。ペンライトを振って、見守るように静かに聴き入るファン。歌い終えると、伊野尾さんを称えるような盛大な拍手が巻き起こった。
うってかわって、明るくハッピーな雰囲気に包まれたのは、5年ぶりに“じゃんぷぅ”が東京ドームに帰ってきた4thブロック。愛と平和の妖精としてファンに愛されているじゃんぷぅの復活に沸く会場。今回のためにアレンジされた着ぐるみを着た個性あふれメンバーたちがチアリーダーのポンポンを持って「Cheer!」でキュートにダンス。「ファンファーレ!」では、中島さんと山田さんが息ぴったりにステップを踏んだり、伊野尾さんと知念さんが向き合って踊ったり。ラストは、ピエロの中に吸い込まれるように消えていく8人。一体、どこへ……!?
そんなミステリアスな演出とリンクした映像では、遊園地に迷い込んだ少女が押してはいけない赤いボタンを押してしまい、デンジャラスなダークゾーンへ突入。ここからラストスパートはダンスパート。ヒリヒリとするような熱いダンスで魅せた「群青ランナウェイ」では、8.5mの巨大シャンデリアが光る巨大やぐらムービングステージが登場。照明によって、“H”が浮かび上がる全長16mのやぐらの上で激しいダンスパフォーマンスが繰り広げられていく。“踊るJUMP”にクギ付けになる会場。
グルーヴィーで新境地の激しいダンスナンバー「Donkey Gongs」では、炎が連続でバンバン打ちあがり、ラスサビの“Donkey”のフレーズのタイミングで音玉が連続で炸裂。炎の熱気に包まれた会場は、最高潮の盛り上がりだ。「NERD」では、8人がズラリ横に並び迫力たっぷりにダンスし、息をつかせぬ怒涛のダンスナンバーで今のHey! Say! JUMPを証明するかのように渾身のパフォーマンスを見せつけた。
ホットになりすぎた会場をまるでクールダウンさせるように雪が会場に舞い始めると……、珠玉のラブバラード「White Love」でロマンティックな雰囲気に包まれる。ここでは、Hey! Say! JUMPでは、初めてとなる無線制御型ペンライトFreFlow®(フリフラ)を仕様した演出も。一瞬、光が消えるなど、ペンライトの光の演出が会場を盛り上げる。変わらぬ愛を誓うドラマティックなナンバーを歌う8人は、永遠に色あせない輝きを放つ。
最後に今回のライブの演出を担当した山田さんが挨拶を。「皆さん、本日は本当にどうもありがとうございました。名古屋からこのツアーが始まって、今日から東京ドームが始まりました。29、30、31、1日と4日間やらせていただきます。4日間東京ドームでできることは、すごいことだからね、本当に。皆さんのおかげです! 感謝しています。この4日間だけでなく、このツアー皆さんと素敵な幸せな公演にしていきたいと思います。この会場に来れないよっていう方は、配信がありますので、僕たちと楽しんでいただければと思います。また僕たちと一緒にこうして素敵な時間、思い出を作りましょう。本日はありがとうございました!」。
「もうちょっと遊ぼう!」の声で始まったアンコールでは、イントロが始まると知念さんが「我々は2007年にデビューしました。この曲は2011年リリースの曲でしょうか、その頃を思い出しながら歌います」と「OVER」の曲振りを。懐かしい曲の後は、初めて出会ったときのことを覚えているかと問う「ときめくあなた」。伊野尾さんが「みんな~、最近、ときめいている? そうだよね。ときめいてないよね! だったら、踊ればいいんじゃない?」と、ときめきを推進。「Dreams come true」では、「みんなの声、聴かせてちょうだい」と薮さんと八乙女さんが肩を組みながら、マイクを会場に向ける。ファンの大合唱に「最高!」と笑顔をのぞかせたメンバーたち。
最後に「皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで東京ドーム公演、本当に素晴らしいコンサートになったなと思います。まだね、2024年は数日残ってますけど、2025年もHey! Say! JUMP一人ひとり、そして、グループとしても精一杯頑張っていきますので、皆さんまたこういうコンサートの機会があったら、僕たちに顔を見せに来て下さい。本当に素敵な笑顔をありがとうございました!」と薮さんが締めくくる。ステージ去り際まで名残惜しそうにファンとコミュニケーションをとる姿が印象的で、中島さんは「みんな最高の景色をありがとう」、髙木さん「今日も幸せにしてくれてありがとう」と、メンバーそれぞれが感謝の想いを伝えて幕を閉じた。
遊園地をモチーフにしたコンセプチュアルなステージでファンタジックな世界観を表現した今回のライブ。変わらない煌めきを放つ王道のアイドル曲では、Hey! Say! JUMPらしさを、そして、「Donkey Gongs」のようなグループにとっての挑戦も詰まったセットリスト。デビューから18年。バラエティに富んだオールジャンルの楽曲で勝負できるまでに進化を遂げた彼ら。最高のエンターティナーに成長した8人が創り上げる夢の世界の続きに注目だ。