左から甲斐翔真さん、望海風斗さん
【望海風斗】ずっと共にやってきた体が私の相棒です。
翔真くんは、いい意味で他人を気にせずに自分が思ったことや感じたことを素直に言葉にしたり、芝居で表現できる人。どうしても他人の前ではカッコつけたり、いいところを見せたくなるものですが、それが全然ないんです。素直に自分をさらけ出せるのは、役者として素晴らしい才能だと思っています。
今の私には、自分の体がバディのようなもの。以前は、思い通り動かせることが当たり前だと思っていて、休日にしっかり休むとかマッサージに行ったりはしても、そこまで体のことにちゃんと目を向けていなかったんです。でも、年齢を重ねていくなかで、そうもいかなくなってきているのを感じています。そこから、今の自分がこうして舞台に立っていられるのも40年共にやってきたこの体があってこそだと感謝の気持ちを持つようになりましたし、ちゃんと大事にしないといけないなと思うようになりました。とくにミュージカルは、体を使った表現が多いので、この先も上手に長く付き合っていけるよう、食生活を見直したり、動ける体を維持するためのトレーニングに通うようにしています。
のぞみ・ふうと 1983年10月19日生まれ、神奈川県出身。宝塚歌劇団雪組トップスターを務め、2021年の退団後はミュージカルを中心に活躍。8月28日にメジャー1stアルバム『笑顔の場所』をリリース。
ジャケット¥550,000 パンツ¥154,000 チュールスカート¥187,000(以上ファビアナフィリッピ/アオイ TEL:03・3239・0341) バングル¥62,700(カスカ/カスカ イストリア TEL:03・6452・3196) その他はスタイリスト私物
【甲斐翔真】感動こそ、僕の人生になくてはならないもの。
望海さんとは俳優としての属性が近い気がするんですよ。芝居を論理的に考えるより感覚的なものを優先している感じが。しかもそこに確かな技術がある。技術って僕は“ホンモノ”を際立たせるものだと考えていて、そういう意味で本当に素晴らしい表現者だと思っています。
自分にとってのバディ…それを“人生における大事なもの”としてとらえるなら“感動”ですね。それは舞台でもドラマでも映画でも、旅行とか食事とか、なんでもいい。大人になると、日々の生活の中で感動ってなかなかしづらい。だから自分から進んで新しいものに触れたり体験するようにしています。以前からクラシックのコンサートに足を運んでいますが、海外から来日したホルン奏者の方が吹いた瞬間、会場全体の空気が変わるという体験をしたことがあります。目に見えない波動のようなものがホール全体に響き渡るのを感じて、一瞬で体温が上がって心が掻き立てられて、普段涙を流すことってほとんどないのに、そのときは泣きそうになりました。これがホンモノだと心が震えましたし、自分もそんな役者になりたいと強く思いました。
かい・しょうま 1997年11月14日生まれ、東京都出身。2020年の『デスノート THEMUSICAL』で初舞台にして初主演。『RENT』『エリザベート』などに出演。来年『キンキーブーツ』での主演も控える。
衣装はすべてスタイリスト私物
ミュージカル『next to normal』 12月6日(金)~30日(月) 日比谷・シアタークリエ 音楽/トム・キット 脚本・歌詞/ブライアン・ヨーキー 演出/上田一豪 出演/望海風斗、甲斐翔真、渡辺大輔、小向なる、吉高志音、中河内雅貴 チケットは秋に一般前売り開始。2025年には福岡、兵庫で公演あり。https://www.tohostage.com/ntn/
※『anan』2024年8月28日号より。写真・彦坂栄治(まきうらオフィス) スタイリスト・井阪 恵(dynamic/望海さん) 山本隆司(style3/甲斐さん) ヘア&メイク・岡田知子(TRON/望海さん) 木内真奈美(Otie/甲斐さん) 構成、取材、文・望月リサ
(by anan編集部)