歌と演技、そしてバラエティまで、三刀流でいきたいです。
韓国のボーイズグループBTOBの末っ子として愛されるユク・ソンジェさん。ソロ活動に軸を置くべく、昨年事務所を移籍し再出発した。
「僕がこれまでしたいと思ってきたこと、挑戦したかったことをより自由にできる環境に身を置くことにしました。“グループの末っ子”という立場は気持ち的には楽ですが、歌手として、俳優として、僕がもっと成長するためには、必要な決断だと思ったんです。独り立ちをしても、BTOBの活動をしながら、自分の好きなことをするのが、メンバーやファンとの約束なので、どんなことがあっても守っていきます。メンバーそれぞれが、それぞれの場所で自分のやるべきことをやることで、再び集まり交わった時、より強い光を放つことができると信じています」
事務所移籍から半年。自身の変化を感じているそう。
「まず、仕事に対する責任感がより強くなりました。突飛な言動も減って、落ち着きのある男に…(笑)」
一方、デビュー当時から変わらないのが、「切り替えの早さ」。
「これは長所にも短所にもなり得るのですが、僕は諦めが早いんです。自分に合っていなかったり、無理だと思ったらあっさりと捨てられる。例えばテニスは1週間でやめました。そんな中、今でも飽きずに続けているのが釣り…じゃなくて歌(笑)。歌は、職業である前に一番大事な趣味であり、死ぬまでしていたいことです。次が釣りとゴルフ。この2つは、密かにプロを目指しています」
現在発売中のソロ1stシングル『EXHIBITION:Look Closely』は、これまでのイメージとは全く違うロックなソンジェさんが楽しめる。
「BTOBでもバラエティでも、いつも末っ子ポジションだったので、ファンの中には僕がまだ子供だと思っている方が多いようです。今回ロックに挑戦して、“男”として見てくださる方が増えた気がします。これからも、どんどんいろいろなジャンルに挑戦していこうと思っています。次はセクシーな姿でみなさんの心を撃ち抜いちゃうかもしれない、なんて。真面目な話をすれば、昔から日本のバンド音楽やJ‐ロックがとても好きなので、いつか日本でバンドを組んで、楽曲を発表したり、活動する野望もあります」
デビュー間もなく、演技活動をスタート。韓国で若手俳優の登竜門といわれる「学校」シリーズの一つ『恋するジェネレーション』の高校最強の問題児テグァン、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のお調子者のドクファなど、魅力的なキャラクターを多く生み出し、“演技ドル”の仲間入りを果たした。
「僕が演技を始めた頃は、“演技ドル”は演技が下手だという色眼鏡で見る方が、少なからずいらっしゃいました。けど、僕は“視聴者の方の期待値が低いなら、ちょっと上手かっただけでも褒められるってことだよね”と、特に大きなプレッシャーを感じることはなかったですね」
演技者としての成長を感じられたのが、’22年出演のドラマ『ゴールデンスプーン』。不思議なスプーンに翻弄される高校生を演じ「MBC演技大賞2022」のミニシリーズ部門男子最優秀演技賞を受賞した。
「この作品で、台本の読み方を学びました。このシーンではどんな動きをすればいいのか、どんな表情やどんな口調にすべきなのか、台本を読み解いて演じる術を得て、より演技が上手くなったと感じました。それまでは演技を難しいと思ったことはなかったのですが、演技の奥深さを知ったことで、自分はまだまだだなあと思うようにもなりました。今はもっと上手くなりたいです」
気になるのは、今後の活動。
「いい音楽があれば歌手活動をして、いい作品があれば演技をする。理想は5 :5の割合。(日本語で)二刀流って言うんですか?(笑) この言葉、大谷翔平さんの動画を見て覚えました。僕は、歌と演技の二刀流ですね。いや、バラエティも合わせて、三刀流。それと、ビジネスにも興味があるから…。四刀流! 最近考えるんです。僕が何人もいたらいいのにって。今はAIの時代じゃないですか。『今日は君が“俳優ユク・ソンジェ”をして。僕が“歌手ユク・ソンジェ”をするから』というふうに役割分担ができたら、もっといろんなことができるなって思うんです。本体よりもAIユク・ソンジェのほうが活躍しちゃったりして」
最後にご自身の考える、“ユク・ソンジェ”の肩書を聞いてみると?
「う~ん。アイドルかな。アイドルって、若い歌手だけを指す言葉ではないですよね。俳優やスポーツ選手、青年実業家にも使われるじゃないですか。僕は一生アイドルをしていたいし、死ぬまでみんなのアイドルでいたい。ファンの方々がおじいちゃんになった僕をアイドルと呼んでくれるかはわからないけど。僕にとって、ファンのみなさんは何歳になっても少女なんですよ。それと同じように、僕も、昔も今もこれからも、みなさんのアイドルでいたいです」
Yook Sung Jae ユク・ソンジェ 1995年5月2日生まれ。2012年BTOBの一員としてデビュー。ソロ1stシングル『EXHIBITION:Look Closely』が発売中。来年放送予定のドラマ『鬼宮』で、時代劇に初挑戦する。
パンツ¥27,500(LAD MUSICIAN/LAD MUSICIAN HARAJUKU TEL:03・3470・6760) ブレスレット¥27,500(PLUIE/PLUIE Tokyo TEL:03・6450・5777) その他はスタイリスト私物
ジャケット¥66,550 ニットベスト¥46,200 パンツ¥60,500 シューズ¥108,900(以上Y-3/adidas fashion group showroom TEL:03・5547・6501) 2連ネックレス¥38,500(HERGO/ROLE TEL:03・6380・4836) ブレスレット¥84,700(PLUIE/PLUIE Tokyo TEL:03・6450・5777)
※『anan』2024年8月7日号より。写真・山根悠太郎 スタイリスト・能城 匠 YUN JIBIN(フィッティング) ヘア・TAK SEONA メイク・LEE AHYOUNG 取材、文・酒井美絵子 取材協力・FRAU INTERNATIONAL
(by anan編集部)