BE:FIRSTは存在そのものがボーダレス。
男性らしさや女性らしさに囚われず、好きな洋服を楽しむジェンダーレスファッション。今回BE:FIRSTのRYUHEIさんが着こなしてくれたスカート風ボトムスはその代表といえる。スカートをはいても気分は変わらないというのが、いかにも今っぽい。
「パンツでもスカートでも、素敵だなと思うのは同じだし、気分はフラット。普段と同じです。でも、スカートはポージングが難しかったですね。パンツの場合は脚のラインが見えるので、動きがイメージしやすいんですけど、スカートはある程度大胆に動かないと、シルエットを見せられないところがいつもと違いました。ファッションシューティングはめっちゃ好きです! 服のよさやそれを活かせるポーズを探しながら撮ってもらうのが、服を研究している感じが面白くて。服に関するお仕事をたくさんやらせていただきたいですし、夢はブランドアンバサダー。ブランドの歴史とかデザイナーの動向とかも勉強しています」
183cmという長身に長く細い手足を自由自在に動かしながら、しなやかにポーズを決めていく。どのポージングも美しく、バリエーションの豊富さに驚かされる。
「ポージングは感覚でやっているので、抽象的な表現になってしまうんですけど、普通っぽくならないようにスタイリッシュに見せる、みたいな意識です。頭の中でダンスの練習をしている時と似ていて、こうしたらカッコよく見えるかな、脚をこう出したらどんなふうに映るかなって想像していますね」
撮影後、写真が映し出されるモニターを真剣に見つめていたのは、イメージ通りにできたかをチェックしていたのだろうか。
「あれは…、ソロで雑誌に載る機会はあまりないので、嬉しくて見てただけです(照)」
かわいらしい理由が、まだ17歳で現役高校生だったことを思い出させてくれる。学生とアーティスト。その2つの立場にボーダー=境界線は存在するのだろうか。
「ないです。境界線がないというより、圧倒的にアーティスト活動に気持ちが寄っているんですよね。高校は授業開始5分前に行って、終わったら帰るだけなので(笑)。放課後遊びに行く人たちとか見ると楽しそうだなあとは思うけど、僕はBE:FIRSTに集中しているので。それにしても、この時代に境界線を引くのって難しいですよね。だから“ボーダレス”という言葉が流行るんでしょうけど、それってすごくいいことだと思うんです。ボーダレスという言葉があることで、マジョリティとマイノリティ、2つの境目がなくなっていくイメージが湧きます。みんな、何かしらマイノリティの部分を持っていると思うんですよ。たとえば、音楽の好みがめちゃくちゃコアなことも、ある意味マイノリティというか。でも、音楽的な境目がないボーダレスな世界だったら、どんな好みであっても受け入れられるから、生きやすいんじゃないのかな」
では、“ボーダレス”という言葉から真っ先に想起するものとは? この問いに、くもりのない眼差しで答えてくれたのが…。
「BE:FIRST。それこそいろんな音楽のジャンルにボーダレスで取り組んできたことには、かなり自信があります。メンバーとは尊敬し合えているので、ぶつかることはないですね。ルールを決めなくても、全然大丈夫。年齢差というボーダーも、出会った頃から感じずにいられています。振付も楽曲制作も誰かの発信に『それいいじゃん!』って、みんなが同じ方向を向けるのがBE:FIRST。メンバーそれぞれがちゃんとセルフプロデュースができていて自分を持っているからこそ、自分の理想や意見に囚われずにいられるんだと思います。そんな自由に好きなように作る音楽を、僕らと一緒に楽しんでくれる仲間として、BESTY(ファンネーム)をすごく信頼しています」
自らスキルを磨くために今取り組んでいるのは、ボーカル力を上げるために音楽を聴くことだそう。
「ボーカルは、基礎がある程度出来上がって、負荷のかからない歌い方を掴んだ上で、あとはどれだけ音楽を聴いて、研究するかが大事だと僕は思っていて。聴いていて歌ったことのない歌い方があったらチャレンジしてみる。最初は真似でも、だんだんと自分らしいオリジナリティのある歌い方が見えてくるし、自然とスキルアップもできるんです」
ボーダレスな活動を展開する存在として、グループをプロデュースするSKY-HIさんの名前も挙げてくれた。
「いろんな垣根を越えてダンス&ボーカルグループが集まってパフォーマンスする『D.U.N.K.』を企画したのがまさにボーダレス」
BE:FIRSTは今まさに国境というボーダーを超え、本格的な世界進出を視野に入れている。
「世界に向けてやることはいっぱいありますね。僕らは日本に輸入されてきたミュージックカルチャーに影響を受けて曲を作ってきたけど、そのカルチャーで育ってきた本国の人たちに聴いてもらうには、レベルが高いだけじゃ足りない。必ず、カルチャーに対するリスペクトがないとダメです。今は、“BE:FIRSTといえばコレ”と一発で証明できる曲を、本気で、全力で作っています。それが世界で通じるのか、確かめたいという気持ちです」
自信をのぞかせながら、力強くビジョンを語るRYUHEIさんだが、『ONE PIECE』のカードゲームの話題になると一変。無邪気な表情で、カバンからカードを取り出し、嬉しそうに話す。
「メンバーで一番強いのは絶対に僕! 日常が『ONE PIECE』カードで埋め尽くされてます。時間があればカードを眺めながら対戦をイメージしてますし、悩みも『ONE PIECE』カードがあれば解決です(笑)」
リュウヘイ 2006年11月7日生まれ、愛知県出身。’21年、BE:FIRSTの最年少メンバーとしてデビュー。5歳で習い始めたダンスで魅せる。8月28日、ヒット曲「Boom Boom Back」や新曲8曲などを収録したニューアルバム『2:BE』をリリースする。
ブルゾン 予定価格¥643,500 シャツ予定価格¥255,200 トラウザー 予定価格¥179,300 ローファー¥124,300(以上フェンディ/フェンディ ジャパン TEL:0120・001・829) ソックスはスタイリスト私物
ブルーシャツ¥269,500 ホワイトストライプシャツ 参考商品 パンツ¥173,800 レザーネクタイ¥77,000 ベルト¥69,300 リング¥79,200 ブーツ 参考商品(以上ボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン TEL:0120・60・1966)
※『anan』2024年8月7日号より。写真・岡田 潤(BE NATURAL) スタイリスト・大浜瑛里那 ヘア・大城祐樹 メイク・千葉彩子 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)