『演劇ドラフトグランプリ』開催! 荒牧慶彦「演劇はお客さんに観てもらって初めて完成する」

エンタメ
2023.12.06
俳優たちがチームを作り演劇で競い合う。昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催される。プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。

『演劇ドラフトグランプリ』とは…
座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。

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荒牧慶彦

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演劇は、お客さんに観てもらって初めて完成するもの。
舞台のよさはなんといっても生であること。僕はミュージカル『テニスの王子様』で初めて舞台に立たせていただいて以降、その魅力に取り憑かれました。演劇って、幕が上がりお客さんに観てもらって初めて完成するものだと思うんですよ。どんなに稽古場で完成したと思っても、初日の緊張感は格別ですし、思わぬところで笑いが起きたりもする。ときに起きるハプニングも大好きです(笑)。劇場の中にいろんな感情が渦巻いて、演劇という空間が出来上がる。だから台詞や物語は同じでも、毎回違うものが出来上がるし、それが演劇の魅力だと思います。

MANKAI STAGE『A3!』で劇団員の月岡紬(つきおか・つむぎ)を演じ、舞台は役者の力だけで成立するものではなく、裏で支えてくれるスタッフがいてこそということにも気づかされました。この考えは今、僕がプロデュース業をする上でもひとつの指針になっています。僕がプロデュースする「演劇ドラフトグランプリ」は1話完結型の演劇が複数、オムニバス形式で上演されます。ひとつの舞台でジャンルの異なる演劇を一気に観られるのが魅力です。僕が座長を務める劇団『一番星』のテーマは“アイドル”。みんな動ける子たちなので、いい舞台になると思います。

あらまき・よしひこ 1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。

ジャケット¥82,500 シャツ¥23,100 パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760) イヤカフ、上¥9,900 下¥12,100 リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525) その他はスタイリスト私物

七海ひろき

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みんなが私の台詞を待っている、“間”がすごく好きなんです。
小学校時代の朗読の授業でお芝居に興味を持って、そこからずっと夢中になり続けています。むしろ正解がないものだから、やればやるほどもっと進化できるんじゃないかとやめられない。思ったように全然できなくて苦しかったり、落ち込むことがあっても、私はきっと一生やるんだろうなと思っています。とくに舞台で、相手が台詞を言ってからの“間”…私が何を言うのか、みんなが注目して待っている瞬間がものすごく快感(笑)。自分の言葉で話すときの“間”はすごく苦手で何か言わなきゃって焦るのに、台詞だと全然平気なんです。しかもそこで私が発した言葉でお客様が泣いたり、ときには怒ったり…劇場の空気が動くのを感じるのも好き。結局やっぱり、観てくださる方がいるっていうことがモチベーションになっているんです。

近年は声優や映像のお仕事もさせてもらっていますが、そちらはスタッフさんも一緒にお芝居を作っている感覚がより強いです。制作側の思い描くイメージにのっかって一緒に作り上げていく感じ。こう見せたいからこう演じてほしいと、自分では思いつかなかったお芝居を求められる瞬間があって、まだまだいろんな可能性があるんだなと思うと本当に楽しいです。

ななみ・ひろき 1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。

ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿) シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087) 右手のリング¥24,200 左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR) その他はスタイリスト私物

高野 洸

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お客さんに見せる上で、嘘にならない芝居がしたいんです。
俳優をやろうと決めてから、ドラマ、舞台、映画といろいろな現場で気づきをもらいながら、少しずつ演じることを学んでいる感覚です。なかでもとくに発見が多かったのが、今年出演した舞台『キングダム』の現場。共演者はそれこそ“演劇”のど真ん中にいるような方々ばかりで、舞台に登場した瞬間に観客を引き込んでいく力と、その見せ方がすごかったんです。でも同時に、僕が同じことをしても意味がないとも思いました。みなさんそれぞれが歩いてきた道の中で自分はこれだというものを見つけて、それを貫き通してきて身につけたもの。僕も自分なりのものを見つけていきたいです。

今、僕が重視しているのは、いかにナチュラルに見せるかということ。お芝居は“嘘”ですが、お客さんに見せる上で、嘘にならないようにしたいんです。どんなに自分が役の気持ちに寄り添えても、お客さんに伝わらなければ意味はなくて。作品での自分の立ち位置を理解して、役柄の背景をどう落とし込んだらナチュラルに見えるかを考える。必ずしも毎回100%やれるわけじゃないけれど、ときには想像の120%できる瞬間もあって。お芝居って、わからないなとも思うし、面白いなとも思うんですよね。

たかの・あきら 1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。

ジャケット¥64,900 シャツ¥23,100 パンツ¥31,900 ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿) その他はスタイリスト私物

『演劇ドラフトグランプリ2023』 12月5日(火)17:00開演 日本武道館 総合演出/植木豪 総合司会/山寺宏一 特別審査員/中川晃教 楽屋レポーター/髙木俊 アシスタントレポーター/田中涼星 【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦 演出/川尻恵太 出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩 【劇団『びゅー』】座長/高野洸 演出/松崎史也 出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介 【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之 演出/中屋敷法仁 出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央 【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規 演出/私オム 出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄 【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき 演出/三浦香 出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大 アリーナ席・1階席1万3500円 2階席1万1500円 3階席9500円 Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)

※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎 スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん) 塩田勝樹(七海さん、高野さん) 取材、文・尹 秀姫 構成、文・望月リサ

(by anan編集部)

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