衝撃を与えられるような悪役に。「毎日役のことばかり考えていました」
「これまで舞台中心でドラマの経験があまりなかったんです。18歳になっての新たな挑戦なので気合を入れて臨まないとと思って、毎日役のことばかり考えて生きてきました」
黒瀬は、親を夜行に殺されたとはいえ、かなり非情な人物。そのため「真っ先に悪役を研究した」そう。
「僕の中で最高の悪役といえば、映画『ダークナイト』のジョーカーなんです。完全に悪に狂っていて、人間の領域を超えている。あれ以上の悪って想像がつかないくらい。悪い人になるのではなく、悪い人としての心のスタンスを意識して演じていました。今回のドラマは、ホラー、恋愛、音楽…いろんな要素が詰まった作品なので、僕がそこで衝撃を与えられるような悪役として存在できたら、いい調和になる気がして」
現場では同世代の共演者が多い。
「とくに龍宮城の面々はガッツがあって、一緒にいるだけで刺激を受けます。(西田)至くんと闘うシーンを撮った後、帰りが一緒になって話したら、お互いに相手が本当に嫌いになっていたみたいで(笑)。それくらい役に入り込めたんだと思ったし、やり切った感があった場面だったのですごく嬉しかったです」
黒瀬と自分自身は真逆だと言うが、ならば大東さんはどんな人?
「いろんな要素を持ってはいると思うけれど、間違いなく言えるのは、人を軸に生きているってことかな。たとえばファンの方、観てくださる方、スタッフさん、もちろん家族…そういう人たちがいるから頑張れる。あと共演者の存在も大きいです」
子役としてミュージカルなどの舞台に立ち、その後アイドルとして活動も。今後についても気になるが…。
「目標はカメレオン俳優になること。あと、タイミングがきたらアーティスト活動もしたいと思っています」
『秘密を持った少年たち』 片想いの幼馴染み・ユキ(大原優乃)を救うために夜行になった玲矢(佐藤海音)は、同じく夜行の少年たちとバンド活動をしながら人間に戻るすべを探していたが、ひとりまたひとりと仲間が命を落としてゆき…。毎週金曜24:30~日本テレビ系にて放送中。
おおひがし・りつき 2004年11月29日生まれ、東京都出身。出演中の、本作を舞台化した『音楽劇「秘密を持った少年たち」』は11月23日まで全10公演、日本青年館ホールで上演。ドラマの前日譚が描かれる。
※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・山本隆司 ヘア&メイク・井手賢司(UM) インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)