人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。『ガラスの仮面』の作者、マンガ家の美内すずえ先生をお招きした第2回。今回は学生時代を支えてくれた友人たちのお話と、マンガを描く一番の目的についてのお話です。
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友達の助けがなかったら、作品は描けなかった。

高2でデビューした私は、2か月に一回のペースで新作を雑誌に載せてもらっていました。ただの学生ですから、すべて作業は一人。褒められたことではないですが、授業中は寝ていたり、締め切り間際は休むことも多々。そんな私を助けてくれたのが友達です。今でもよく覚えているのが、家庭科の授業で着物の帯を縫う課題が出たときのこと。私はその課題自体を知らなかったんですが、あるとき学校に行ったら友達の一人が、「はいこれ、美内っちゃんの帯、みんなで縫ったよ」と。みんな、陰で私をすごく支えてくれていたんです。彼女たちは、『ガラスの仮面』のマヤにとっての〈劇団つきかげ〉の仲間のようなものでした。彼女たちとは今も付き合いがあり、たまに集まります。それぞれいろんな人生を歩んできましたが、気遣い合う優しさは当時と変わらない。腹蔵のないところで、ただただお互いに純粋に好き。そういう友情だから、長続きしているのかな、と思います。

マンガを描く目的は、読者を喜ばせること。

私がマンガに目覚めた1950年代といえば、手塚治虫先生の全盛期。他にも素晴らしいマンガ家の先生がたくさんいて、それこそ寝食を忘れて貪るように作品を読んでいました。マンガ家になってからは、私も読者の皆さんに、そういう気持ちを味わってほしいと思い、描き続けています。読んでくれる方を驚かせたい、喜ばせたい、ワクワクさせたい。マンガを描いている中での喜びは、いい作品が描けたときに感じる達成感よりも、読者から「おもしろかった」と言ってもらえることのほうが、何倍も大きいです。「あのシーンが良かったよ!」と言ってもらえたら、何日徹夜したとか、体を壊したとか、いろんな苦労なんて全部どうでもよくなります(笑)。

現代は、エンターテインメントが多様化していて、マンガの存在感も、かつてのようには大きくないかもしれません。でもその中にあっても、読者を喜ばせることはきっとできると私は信じています。

みうち・すずえ マンガ家。1951年生まれ、大阪府出身。’67 年デビュー。代表作に『妖鬼妃伝』『ガラスの仮面』など。公式サイト「オリーブの葉っぱ」内のキャラクターインタビューは必読。

※『anan』2021年12月15日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

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