先月アンアンで特集した「ソウルカラー心理学」も好評と、大人気のそのワケは、占いの内容はもとより、読後になんだかほっと心が和らぐような独特の語り口。そんな“しいたけワールド”が堪能できる初のエッセイ集『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』が、このたび発売に。
「ブログとかではちょこちょこ書いていたんですけど、いつかは本にできたらいいな、と思っていたんです。というのも、占いもソウルカラー心理学も、読んでもらえるのは、その人に関係のある項目が中心になりますよね。12星座とか18カラーとか、膨大な量の文章を書くのに、必要とされるのは一部だけ…。でも、エッセイなら、そういう枠組みをとっぱらって、これまで僕がいろんな星座や人を見てきた中で感じたことを、なんと全員に読んでもらえる! 僕にとっては、そんなお得感というか、“おやつ感”のある一冊です」
本書は、運を味方につける方法や、逆境からの回復法、恋愛問題との向き合い方など、いわば幸せになるためのヒント集。とはいえ、そこはしいたけ.さん。マニュアルではなく、読者に寄り添い、そっと背中を押してくれるような言葉が心に染み入る。
「それはたぶん、僕が占いの個人鑑定をしていた時の体験が、もとになっていると思うんです。そこに来る人たちってほぼ疲れていたので、たとえば『早起きしましょうね』って言っても、99%通用しない。そんな正論より、『とりあえず、あったかいものを食べてください』って声をかけたい。自分の経験からしても、そのほうが嬉しいと思うんです」
かく言うしいたけ.さん、実は以前は筋金入りの“コミュ障”だったとのこと。それが22歳の時に、「女の子にモテたい!」と一念発起。
「まずは、飲み会へのスタンスを改めました。僕はお酒が飲めないので、飲み会に行く人を『翌朝眠いのに、なんで行くんだ』っていう目で見ていたんです。でも、視点を変えると、初対面の人を盛り上げるとか、みんなすごいことをしている。本のサブタイトルで表しているのも、まさにそれ。ドアを開けるって風が入って寒い行為ですが、一方で、閉め切ると何も入ってこなくなってしまう。ドアを開けることは、怖くないかもしれない。この本から、そんなことを感じてもらえたら、と思います」
本書には、好きな子の前での失敗談や、飾らないホンネも、ユーモラスにちりばめられている。
「占い師さんって、僕も含めて、どこか謎に包まれているじゃないですか。そのぶん、どの立場でアドバイスをしているのか、お伝えしたほうがいいと思ったんです。たとえば、『宿題をやりなさい』って言うにしても、宿題を完璧にこなしてきた人が言うのと、苦労して宿題をしてきた人が言うのとでは、響き方が違う。もちろん僕は後者ですが(笑)」
それにしても膝を打つのが、例え話の豊かさと妙。本書は「歯科医院の待合室に置かれるのが野望」とのことだけど、その心は?
「ちょっと緊張する場面で、手に取る」とほっとする。そんな一冊になってくれたらいいなって思います」
『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』恋愛、仕事、人間関係など、しいたけ.さん流の開運アドバイスが一冊に。それぞれの具体的なお悩み解決法や、“五感タイプ”も必読。KADOKAWA 1300円
占い師、作家。2014年より、「VOGUE GIRL」で連載を開始。「note」で、月間占いなどを発表。『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)ではリーディングを担当。
※『anan』2018年12月26日号より。インタビュー、文・保手濱奈美
(by anan編集部)
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