人物画を描く時の技法を意識した立体的なメイクを心がけています。
油絵や写真など芸術への造詣が深い彼女は、アートを学ぶために昨年来日。仕事の拠点も韓国から日本へと移した。
「今年33歳。少し時間はかかったけれど、夢が叶ってすごく幸せ。日本語力を磨いて、モデルや俳優として活動するのが目標です」
ビューティ大国の韓国出身とあって、美容の知識も豊富。今回の撮影ではセルフメイクを披露してくれたが、そのこだわりとは?
「最近は立体感をテーマにしていて、あれこれ試している最中なんです。私は顔が短くておでこが広いから、凹凸がないとカエルみたいに見えちゃう。鼻や顎にシェーディングやハイライトをのせたり、前髪やサイドの髪を調整したりしてメリハリをつけています」
骨格の立体感やバランスをメイクで表現する際は、アートの勉強が役立っているそう。
「人物画は明るくする場所と暗くする場所を考えながら描かないといけないから、メイクと共通点が多い気がします。水がなくなるとたちまち枯れてしまうお花のように、私にとってアートはなくてはならないもの。メイク以外にもいろんなインスピレーションを与えてくれるので、時間があると一人でフラッと美術館に行くこともしょっちゅう。日本のアニメからヒントをもらうことも多く、『ジョジョの奇妙な冒険』の空条徐倫のメイクはいつか挑戦してみたいなと思っています(笑)」
ポーチの中、見せてください!
「普段はカバー力が高いエスティ ローダーのファンデーションを使っていて、ティルティルのクッションはお直し用。アイブロウマスカラはヘビーローテーションの05、アイライナーは韓国でも人気があるヒロインメイクの02、リップはエチュードのフィクシングティント07がスタメンに。ポーチは香水購入時についていたものを愛用」
Makeup Point
「人の印象は目で決まるので、メイクは目元を重視します。今韓国で大流行しているのが、目尻を真横にピッと伸ばすアイライン。顔の余白が狭く見えて、小顔効果があるのだそう。瞳の中に光が映るようにビューラーでしっかりまつ毛の根元を上げた点や、眉マスカラで毛並みを強調した点もポイントです」
Yeon Soo’s Beauty Rules
1、睡眠環境にはこだわります。
「30代になって再確認したのが、睡眠の大切さ。寝ないと毛穴が開いてムリなので(笑)、7時間は眠るようにしています。日本に来てからアウトレットでテンピュールの枕とマットレスを購入したのですが、首が安定して仰向けの姿勢できちんと眠れるように。睡眠の質が上がった気がします」
2、スキンケアは韓国からお取り寄せ。
「敏感肌で、お手入れは韓国のクリニックが作っているコスメ・lapeau.anをライン使い。皮膚の新陳代謝を専門で研究しているから、肌のリズムを整えるのが楽になるんです。エッセンスの種類がたくさんあって混ぜて使うこともできるので、肌の状態に合わせて使い分けしています」
3、1万歩のお散歩で体型をキープ。
「ボディのために取り入れているのが、毎日1万歩は歩くこと。あとはやっぱり、食べすぎないことです。普段は甘いものでストレスを発散していますが、1週間ほど我慢すると体型はもちろん、肌状態も復活。ちなみにボディケアはビオデルマのアトデルムクリーム Dがお気に入り」
ハ・ヨンス 俳優。1990年10月10日生まれ、韓国・釜山出身。ドラマ『リッチマン~嘘つきは恋の始まり~』など数多くの話題作に出演。現在は活動の拠点を日本に移し、テレビや雑誌で活躍。
※『anan』2023年6月21日号より。写真・Nae.Jay スタイリスト・SHOCO ヘア&メイク・櫻井美眞 取材、文・真島絵麻里