新しい知識を身につけて、セックスをもっと楽しく。
性教育は、子どものときや学生時代、保健体育の時間などに受けたはず。でも、妊娠や性感染症はもちろん、セックスそのものについても、しっかり教えてもらった記憶って、あまりない…というのが正直なところ。正しい知識がなければ自分の体を守れないし、相手を傷つけることもある。そして女性は将来子どもが産めなくなる体になることも…。そんな状況を変えようとする意識を持つ人の輪が広がり、いま日本の性教育はいろいろと変化が起きていて、まさに新しいフェーズに入りつつあります。
SNSを通じて出会った人とセックスをすることが、ごく普通になった現代。すでにセックスを経験している大人こそ、刷り込まれたことを疑い、新しい知識を身につける必要があります。変わりつつある性教育の最前線を知ることで、価値観をアップデートしていきましょう！
NEWS 1
アクティビストの福田和子さんが、東京大学で性教育にまつわるゼミを担当。
スウェーデンに留学をし日本の性にまつわる状況に疑問を抱き、現状を変えようと「＃なんでないの プロジェクト」などアクションを起こしている福田さん。そんな福田さんは、2021年に東京大学教養学部学生自治会が主催する“自主ゼミ”で始まり、単位になったこともある「東大で性教育を学ぶゼミ」にて、開講以来講師を務めています。学ぶのは〈包括的性教育〉。「体にまつわることに加え、性の多様性やジェンダー規範、性的同意などさまざまなテーマを、双方向の授業で展開します。東大は学生の8割、教員の9割が男性という環境で、また将来的に社会のリーダー的役割を担う人が多い場所でもあります。特定の人たちを周縁化する社会構造、パワーを持つ人はそこで何ができるのか。包括的性教育を通して、そういったことにも気づきを得てくれたら、と思います」（福田さん）
NEWS 2
男子はどんな性教育を受けてるの？ その実態がわかる新書が話題。
著者であるおおたさんが、全国すべての男子校に性教育やジェンダー教育に関するアンケートを実施し、気になる授業を行っている学校を取材。巣鴨高校ではドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のドラマをベースにジェンダーについて学ぶ授業を行い、また関西の名門・灘高校では婦人科から講師に招き、第一部では女性の生理やデートDV、性的同意についての講義を、第二部では近隣にある甲南女子大の学生たちと共にディスカッションを行う授業を実施。すべてが興味深く、「男子たちはこんなことを習っているのか！」と、ページをめくるたびに目からウロコ状態に。新たな問題提起もありますが、この教育を受けた彼らが社会に出れば、きっと今より社会は良くなるのでは…と、希望を感じる一冊。『男子校の性教育2.0』おおたとしまさ著 ￥946（中公新書クラレ）
NEWS 3
自分の体と性、健康のことを考えるきっかけに、ジョイセフの『SRHR NOTE』。
国際協力NGOジョイセフが、SRHR（性と生殖に関する健康と権利）について学ぶことができ、自分ごととして考えるきっかけをくれる『SRHRNOTE』をリリース。日々の体調や気分を記録したり、パートナーとの関係性を考えるシートがあったり、読むことで知識が身につくページがあったり…。長年国内外で女性を取り巻く課題と向き合ってきたジョイセフの知見と、現役医師2名の監修で出来上がったノートは、重要なライフスキルが身につく内容。自由に書き込み、気軽にセルフチェックに取り組むことで、自分の心と体、人生と向き合う時間が作れる。デザインも美しく、持っているだけで嬉しくなりそう。セクシュアル・ヘルスについて気になることがあったとき、このノートが助けになります。SRHR NOTE￥330（ジョイセフ https://www.joicfp.or.jp/jpn/）
NEWS 4
男子向けの性教育キットが、登場しました。
ボックスの中に入っているのは、専門家の監修の下にまとめられた、はじめてのセックスに向けて役立つ知識が詰まった小冊子と、練習用のコンドームと潤滑ゼリー、ローション、収納用の巾着袋。キットを作ったメーカーによると、10～20代の男性3300人に実施したアンケートの結果、性交渉や避妊についての情報源は、AVや友人との会話、噂話など、曖昧なものが多かったそう。男子に正しく安全な知識を身につけてもらうために、このキットを制作。実際に触れた高校生からは、「学校では教えてもらえない内容が書いてあって便利」「サイズの違うコンドームが入っているからいろいろ試せていい」などの声が。男性パートナーと一緒に見てみるのも楽しいかも。ピルモット「はじめてキット for BOYS」￥1,980（ピルモット
https://shop.pillmotto.com）
※『anan』2024年8月14日‐21日合併号より。イラスト・カメダ 性教育いらすと
（by anan編集部）
