気持ちよく体を動かして便意を起こりやすくする。
「スムーズな排便のために、便意をもよおしたらすぐにトイレに直行しましょう。便意を感じなくてもトイレに行く習慣を持つことも大事です。ただし、排便時に強くいきみすぎると血圧が上がったり、痔になりやすいので、頑張りすぎは禁物です」(消化器内科医・中島 淳さん)
そこで腸活プロデューサーの長瀬みなみさんが、自然なお通じへ導いてくれる方法を伝授。
「私も極度の便秘症でしたが、食生活の見直しと、今回紹介する出便tipsを習慣化したら、便を押し出す力が高まり、するりと出せるようになりました。それでもなかなか出ないという方は、便座に座りながらできるトイレ体操が効果的。基本姿勢になり、1~4を順番に行えば即効性抜群です」
それでもダメなら、クリニックを受診することも考えて。
習慣化がおすすめ! 毎日の出便tips
横隔膜ほぐし
少し前かがみになり、みぞおちから左右のろっ骨を指でつかむように30秒間まんべんなくほぐす。立った状態でやりにくい場合は、仰向けの状態でもOK。
お尻ほぐし
椅子に座り、足首を反対の膝の上に乗せ、手は膝と足首の上に。お尻を後ろに引きながら前屈して30秒キープ。反対側も同様に。
お尻の特に硬くなった部分を手でつかんで、大きな筋肉を揺らすように上下に30秒間動かす。反対側も同様に。
ツボ押し
おへその指3本分外側の左右にある「天枢(てんすう)」を刺激。ゆっくり圧をかけて、ずんと痛みを感じたら、そのまま10秒×10回。
おへその指1本分上にある「水分(すいぶん)」と、おへその指1本分下にある「気海(きかい)を同時に指で刺激。10秒×10回。
すぐに出したい時に! トイレ体操にトライ
トイレでの基本姿勢はロダンの「考える人」
トイレでの座り方は、かかとを上げて、ロダンの「考える人」のように少し前かがみに。左右の肘はそれぞれの膝の上に置く。
普通に座ると、直腸が鋭角に折れ曲がり、便が出にくい。一方、「考える人」の姿勢で前かがみになることで直腸が伸びてスムーズな排便がしやすくなる。そのために足台を使うのも効果的。
1、仙骨トントン
排便に関わる神経が通っているのが仙骨。仙骨は、お尻のでっぱり部分にあるため、ここをさすったり、トントンと軽く叩く。30秒間。
2、「の」の字マッサージ
腹部を大腸の進行方向に合わせて、時計回りに「の」の字を描くようにやや強めに押して、腸のぜん動運動を活性化させる。30秒間。
3、S状結腸マッサージ
左下腹部の直腸に便が溜まりやすいので、そこをやや強めにぐるぐると押してあげると、便が肛門に移動しやすくなる。30秒間。
4、ひねりマッサージ
膝を開き、膝の外側に反対側の肘をあてる。もう片方の手を上げて、斜め後ろを見るように大きくひねる。30秒間。反対側も同様に。
中島 淳さん 消化器内科医。横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授。便秘に対する正しい知識や情報を提供するポータルサイト「イーベンnavi」の監修も務める。
長瀬みなみさん 腸活プロデューサー。ウンログ社の取締役を経て独立。腸内環境の大切さを広める活動を行う。イベント、コラム執筆、SNSなど多方面で活躍。https://www.hani-yasu.jp
※『anan』2023年7月12日号より。イラスト・德丸ゆう 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)