“軸”が整っているとか、“軸”がゆがんでいる、ズレているなどとよくいうけれど、そもそも軸って何のこと?

正面、横、重心。軸には3つの種類がある。

「人のカラダには軸は3つあります」とは、ピラティストレーナーの渡部龍哉さん。

「いちばん分かりやすい軸は、カラダの中心を通るラインです。正面から見たときは“正中線”といって、カラダを左右に分ける線。横から見たときは、カラダを前後に分ける線になります」 

下の写真のようにどちらの軸もカラダのセンター部分にある各ポイントを結んだライン。正面から見たとき、横から見たとき、これらの軸が地面に対して垂直になっている状態が、いわゆる正しい姿勢。

「もう一つの軸は“重心”で見ます。カラダには上半身と下半身それぞれに重心があり、その2点をつなぐ線が重心軸。2点が垂直に重なっていれば、軸がとれているといいます」

試しにいつもの立ち姿勢をスマホで撮ってみて。あなたの軸は、真っすぐですか?

センターライン

Health

正面から見たときは眉間、鎖骨の付け根、みぞおち、恥骨、左右両膝の真ん中、左右の足首の真ん中を通るライン。横から見たときは耳の穴、肩の先端、太ももの突起、膝関節、くるぶしの少し前を結んだラインが軸になる。

重心

Health

上半身の動きの中心になる上半身の重心はみぞおち、下半身の動きの中心になる下半身の重心は太ももの真ん中。この2点を結んだ中央にあるのが全身の重心となる丹田。

軸がズレると、どうなる?

大事なのは動きの中で重心の軸をとること。

では、カラダの正面と横から見た軸と、重心で見た軸はどう違う?

「止まった状態で姿勢がきれいに見えるために大切なのが、正面と横から見た軸。動いてもきれいに見えるのに大事なのが重心軸です。全身の重心となる丹田は止まっているとき限定。動くと重心軸は移動します」

下の写真をごらんあれ。片脚で立つときには、まず上半身の重心位置が軸脚側にズレる。そのとき軸は斜めにズレるが、その後、片脚で立つと軸は再び真っすぐになる。片脚で美しく立つには、このように重心軸を動かすことがマスト。

「この重心軸の移動ができると、必要最低限の力で美しくカラダを動かすことができます。逆にこれができないと、上半身の軸がブレて下半身が頑張るので下半身太りになりがち。歩き方や姿勢も乱れるので、肩こりや腰痛が起こりやすくなります」

22

片脚でスッと立てる人は、無意識にこうした軸の移動を行っている。上半身の軸をうまく移動できない人は、片脚立ちになったときにフラついたり骨盤が横に流れてしまう。

なぜ軸はズレたままに?

原因はハイハイ不足と長時間のデスクワーク。

片脚立ちのときに上半身の軸を横にズラす動きは、実は胸郭を横にスライドさせる動き。胸郭とは背骨と肋骨で囲まれた鳥カゴのような部分のこと。この部分を動かせないことが軸がズレる最大の原因。

「胸郭の動きは赤ちゃんのころ、ハイハイで習得します。でも最近は、ハイハイが短期間で、すぐにつかまり立ちをする子が多い。大人になると今度は長時間のデスクワークで肋骨が潰れて胸郭が平たくなり、ますます動きが悪くなってしまいます」

胸郭が動かないとズレた軸のままで下半身が踏ん張る。でも筋肉があまりないと長時間カラダを支えられないので、靭帯で支えようとする。

「その結果、横から見ると骨盤は前に出て背中は猫背の姿勢になりがち。デスクワークで股関節も固まるのでお尻と脚の境目も曖昧になります」

ぽっこり腹に垂れ尻=軸のズレ!

Health

本来なら動かせる胸を覆うカゴ。
胸郭は背骨、肋骨、肋骨の前の胸骨という骨で囲まれた部分。長時間のデスクワークで固まるのはココ。骨盤と太ももの骨をつなぐ股関節も同様に固まりやすい。

重心位置と日常の動作から軸のズレをセルフチェック。

果たして自分の軸はズレているのかいないのか? 渡部さんにセルフチェックの方法を伺った。

「まずは姿勢で重心のズレをチェックしましょう。片脚立ちで胸郭がきちんと動かせているかどうかを確認します。つま先の上げ下げ動作では、股関節が動きやすい位置に体重を乗せているかどうかが分かります」

次に、ふだんの生活動作で軸がズレていないかをチェックする。骨盤が前に出て背中が丸まった姿勢では、家事などのルーティンの動きに必ずクセが現れる。「そちらの方が楽ちん」という場合は、軸がズレてそもそもの姿勢も乱れている可能性大。

「落とし物を拾うという動作ひとつにしても、上半身と下半身の重心を合わせた正しい軸で動けている方が美しく見えます。エクササイズだけでなく、何気ない生活動作でカラダをどう動かすかがカギになります」

定期的に自分の軸の状態をチェックしよう。

姿勢でチェック

【1】もも上げ

Health

片側の太ももを上げて片脚立ちになる。正しくはB。Aのように軸脚の骨盤が横に流れる人は胸郭の動きが悪い可能性あり。

【2】つま先の上げ下げ

Health

真っすぐ立ってつま先を床から上げる。重心が後ろへ移動するBの人は重心がつま先寄りで股関節を動かしにくい。Aを目指そう。

生活動作でチェック

【1】お風呂掃除

Health

柄付きモップで浴槽を掃除するとき、背中を丸めるAの人はふだんから猫背姿勢かも。Bのように股関節を曲げ、背すじをピンと。

【2】料理する

Health

シンクに寄りかかるBの人は、猫背で骨盤が前に出た典型的な不良姿勢。股関節と膝を曲げて背すじを伸ばすAが正しい姿勢。

【3】落とし物を拾う

Health

Bのように手だけで拾う人は背中が丸まり腰にも負担がかかっている。腰を落として、背骨と骨盤を真っすぐにしたAが正しい。

【4】顔を洗う

Health

中腰姿勢になるときは、股関節と膝を曲げて上体を真っすぐキープするBが正解。Aの人は猫背姿勢がクセになっている証拠。

ブラトップ¥7,500 レギンス¥12,800(共にルルレモン TEL:0800・080・4090)

渡部龍哉さん Reline Pilates創設者、ヒップアップ専門パーソナルトレーニングスタジオ「hip joint」代表。モデルやタレントから多くの支持を得る。

※『anan』2021年12月1日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・武政 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・横川莉那(スペースクラフト) イラスト・井上 明 取材、文・石飛カノ

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line
ビューティ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
【ananモテコスメ大賞 新定番部門・ヘアケア編】Lienelのふたりがお試し! デイリーに取り入れたい新旧コスメ
【ananモテコスメ大賞 新定番部門・ヘアケア編】Lienelのふたりがお試し! デイリーに取り入れたい新旧コスメ
Beauty
Today's Update
【ananモテコスメ大賞 新定番部門・スキンケア編】Lienelのふたりがお試し! デイリーに取り入れたい新旧スキンケアコスメ
【ananモテコスメ大賞 新定番部門・スキンケア編】Lienelのふたりがお試し! デイリーに取り入れたい新旧スキンケアコスメ
Beauty
坂道の新世代エースの3人が纏う、秋のトレンド“Neoミュートメイク”
坂道の新世代エースの3人が纏う、秋のトレンド“Neoミュートメイク”
Beauty
西垣匠が“雰囲気自在チーク”で魅せる、3つのスタイル
西垣匠が“雰囲気自在チーク”で魅せる、3つのスタイル
Beauty

Movie

ムービー

Regulars

連載