元気なカラダでいるために内外からのケアを見直そう。
「性の話題がタブー視されている家庭も多かった影響で、大人でも自分の女性器についてよく知らない人が多いのが実情。でも、たとえば膣がどんな構造をしていてどのように年齢を重ねていくかなどの正しい知識は、セックスのためだけでなく病気の予防にもつながります」
と言うのは、白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長の海老根真由美先生。年齢を重ねるにつれ、膣まわりの状況が変わるのは自然なことだそう。
「9~12歳くらいになると、膣、子宮などの内性器、大陰唇や小陰唇などの外性器ともにほぼ完成。初潮がくると、膣口のあたりに多くの血液が通い、柔軟性も出てきます。18~20歳頃になると、子宮内膜が厚くなり、月経時の経血も多くなる傾向が。セックスをすることで刺激が与えられ、膣も柔らかく。20代は子宮や膣の柔軟性が高いので、医学的には出産に最適な年代といえます。そして一般的に、30代後半以降になると女性ホルモンが出ても組織が反応しにくくなり、膣まわりは乾燥しがちに。50歳前後で閉経を迎えると、子宮や膣が小さくなり、膣粘液が減ることで下腹部の違和感に悩まされる人もいます」(海老根先生)
生涯、膣を健康に保つためには、内側と外側、両方からのケアが不可欠。
「内側からのケアとして、女性ホルモンのバランスを保つためにも、過激なダイエットや睡眠不足、ストレスはなるべく避けましょう。さらに、タンパク質、脂質、炭水化物などのバランスの良い食事を心がけることも大切です。外側からのケアでは、おもに清潔にして保湿すること、筋力をつけることを心がけて」
と、植物療法士の森田敦子さん。ここでは“デリケートゾーン”“フェミニンゾーン”といわれる外側の女性器のケア方法を紹介。カラダや肌にやさしいアイテム選びもぜひ参考にして。
お風呂で清潔にリセットしてトラブルのないデリケートゾーンに。
「健康な膣は常在菌に守られていますが、生活習慣の乱れなどによって免疫力が落ちると菌のバランスが崩れ、膣に雑菌が入りやすくなります。雑菌が入るとニオイやかゆみなどトラブルの原因になるので、それを防ぐためにも、普段から専用ソープで清潔にしておくことは大切です」
と、海老根先生。専用ソープは、デリケートゾーンのpH値に合わせて作られているほか、恥垢を取り去りやすく、効果的にニオイやかゆみを防ぐことができます。
「自分自身の治癒力に合わせて使える、植物由来成分でできたものがおすすめです」(森田さん)
(1)厳選調合したジャムウハーブがニオイやムレをケア。
ニオイやムレ悩みに合わせて配合した12種類のジャムウ成分に加え、角質ケア成分の重曹も配合。古い角質をオフし、透明感のある肌へ。フェミナチュール デリケートボディウォッシュ 150ml¥1,650(ヴィーナスラボ TEL:0120・940・337)
(2)敏感な肌にも使えるマイルドな弱酸性タイプ。
常在菌や潤いをキープしたまま、ニオイやかゆみのもとである恥垢をすっきり洗い上げる。日本人女性に合わせた和漢植物エキス配合。アンティーム フェミニンウォッシュ 120ml¥2,200(サンルイ・インターナッショナル TEL:0120・550・626)
(3)刺激の少ない植物成分98.7%でやさしく洗い上げる。
経皮吸収やアレルギーに配慮した98.7%のナチュラル設計で、パラベンやエタノールは無配合。リフレッシュできるユーカリやティーツリー精油の香り。インティメイトウォッシュ 120ml¥2,700(メロウドット info@mellowdot.com)
溝になっている部分は泡でやさしくなで洗いを。
ヒダがたくさんある大陰唇と小陰唇は、指でつまむようにしながら洗うこと。大陰唇と小陰唇の溝は、指を這わせて、かゆみやニオイの原因になる恥垢を注意しながら落とそう。クリトリスは皮を押し上げて剥き、皮の内側もきれいにするのを忘れずに。雑菌の多い肛門まわりは最後にシワを意識しながら洗おう。
海老根真由美先生 白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長、産婦人科医。女性一人一人のライフスタイル、ライフステージに寄り添った治療に定評がある。クリニックには膣をケアするレーザー治療なども導入。
森田敦子さん 植物療法士。キュレーターを務める、フェムテック POP‐UP「センシュアル・ライフ」が伊勢丹新宿店本館3階にて7/28~8/3に開催。オンラインフェムテックセレクトショップ「WOMB LABO」も近日オープン予定。
※『anan』2021年7月14日号より。写真・恩田はるみ スタイリスト・山本瑶奈 取材、文・古屋美枝
(by anan編集部)