「スニーカー」本当の意味、知ってる? 【意外と知らないカタカナ語雑学】

文・田代わこ — 2024.1.14
スポーツするときだけでなく、おしゃれアイテムとしても欠かせないスニーカー。高級ブランドや世界的アーティストとのコラボなど、高価なスニーカーも続々登場しています。そんな人気の「スニーカー」の本当の意味をご紹介!

【意外と知らない雑学】

「スニーカー」雑学クイズ!

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『日本国語大辞典』によると、スニーカーの意味は「底にゴムを使った布製または皮革製の運動靴の総称」。でも、もとの英語にはちょっと意外な意味もあります。そこで、雑学クイズ!

「スニーカー」の本当の意味は…?

正解は、


スニーカーは、英語の名詞sneakerからきた言葉。英和辞典によると、sneakerの意味は靴の「スニーカー」のほか、「こそこそする人、卑劣な人」など、あまりよろしくないタイプの人間を指す言葉としても使われています。

また、動詞sneakには「こっそり入る、こっそり忍び寄る、卑劣に立ち回る」などの意味があります。

スニーカーが誕生する前は、コツコツと音がする革靴が主流だったので、人が近づいてくると足音ですぐにわかりました。でも、ゴム底の靴が開発されると、人がこっそり近づいても気づかないことから、sneakerという名前がつけられたそうです。

スニーカーの歴史

では、スニーカーの歴史を簡単にご紹介。

スニーカーが誕生したのは、1800年代。アメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーがゴムの加硫法を発明し、その技術を応用して靴底にもゴムが使われるようになりました。

1900年代になると、スニーカーの需要が増加。1908年に、マーキス・M・コンバースがアメリカで会社を設立し、ラバーシューズの製造をはじめます。1917年、コンバースはバスケットボール専用のシューズ「キャンバス オールスター」を開発。当時のバスケットボール界のスター選手がこの商品を広めていきました。

スニーカーが世界に広まったのは、1936年のベルリン・オリンピックです。ドイツの「ダスラー兄弟商会」が製作した靴を履いてオリンピックに参加したアメリカの陸上選手、ジェシー・オーエンスが4つの金メダルを獲得。これを機に、ダスラー兄弟のシューズは世界的に広まりました。ちなみに、その後兄弟はそれぞれ別の会社を設立。弟のアドルフは「アディダス」、兄のルドルフは「プーマ」の創業者となりました。

第二次世界大戦後、スニーカーはファッションとして着用されはじめます。アメリカのハリウッドスターやミュージシャンなどが、ジーンズとスニーカーを組み合わせたスタイルで着こなし、定番になっていきます。

1980年代になると、バスケットボール界のスター選手、マイケル・ジョーダンとナイキがコラボし、「ナイキ・エアジョーダン」が誕生。このシリーズやコンバースの「キャンバス オールスター」は、長年人気を保ち続けているベストセラースニーカーです。

今では、普段着だけでなく、スーツにスニーカーを組み合わせるスタイルも一般的になりました。健康のため「スニーカー通勤」を推進する行政や企業も増加。ファッションだけでなく、健康アイテムとしてもスニーカーは欠かせない存在になっています。

以上、ちょっと意外な「スニーカー」雑学でした!

参考資料
『日本国語大辞典』(小学館)
『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

https://uk.giesswein.com/blogs/News/history-of-sneakers/
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/016250/kenkou-zukuri/sneaker-biz.html
https://converse.co.jp/pages/history-brand