バスケットボール男子日本代表・比江島慎&河村勇輝、パリでは「未来に繋がるバスケができた」
写真上・比江島慎選手、下・河村勇輝選手
比江島 慎「最後の大会として悔いなく挑みたいと決めていました」
望んでいた結果には届きませんでしたが、惨敗だった前回の東京オリンピックとは全く違い、相手をあと一歩のところまで追い詰めた試合もありました。フランスのファンの皆さんが街を歩いている僕たちに「ナイスゲーム」と声を掛けてくれたり、3試合目のブラジル戦では日本代表を応援してくれたり、(チームの目標だった)「世界を驚かす」、未来に繋がるバスケができたと感じています。
代表合宿中はみんなで食事に行ったりと、チーム内でのコミュニケーションは多くとっていました。本当に長い時間を共に過ごしたので、絆はより深まり、チームとして良い方向を向くことができたと思います。僕個人も、オリンピックをこのメンバーで過ごせてよかったです。
日本の若い世代のレベルが上がっているのは間違いないですし、オリンピックの舞台でも戦えることを今回で証明できたので、このまま成長を続けられれば必ず結果が出るはずです。ファンの皆さんにもそこは信じてもらっていいのかなと思います。
個人的に、今回のオリンピックは日本代表としての最後の大会のつもりで悔いなく挑みたいと決めていました。結果は出せなかったですが、やり切った感はあります。Bリーグでは今回の経験を生かして今まで以上に活躍するつもりです。ブレックスでは昨シーズン結果を出すことができず悔しい思いをしているので、それを新シーズンにぶつけて、必ず優勝したいですね。
前回の『anan』の反響ですか…発売されたタイミングがちょうど合宿中だったので、なかなか反響を肌で感じ取ることができませんでした。なので「今回こそは」と思っています(笑)。
ひえじま・まこと 1990年8月11日生まれ、福岡県出身。身長191cm。シューティングガード。2018年にBリーグMVPを受賞、海外挑戦を経て’19年から宇都宮ブレックスでプレー。2023‐24シーズンは3Pシュートの成功率でリーグトップとなりベスト5にも選出。
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河村勇輝「自分の夢だけでなく、皆さんの夢もかなえたい」
パリではベスト8進出という目標を掲げていたので、1勝も挙げられず3連敗で終わったことは悔しいです。それでもオリンピックが終わって多くの方から温かい言葉をいただきました。
やはりバスケは体格差が大きく、サイズのある選手が有利とされるスポーツです。その中で体が大きいわけではない僕がスピードやテクニックを使ってプレーすることで、「体格だけじゃない」「気持ちで戦っていく」というところはお見せできたんじゃないかと。そういう意味では僕たちが掲げてきた「世界を驚かす」を少しは実現できたという満足感があります。
前回の記事は、ビーコルや日本代表のメンバーからも「かっこいい」との反響をもらいました。仲の良い富永啓生選手からも「やったじゃん」と言われたのですが、あれは褒めているかイジっているか分からない感じでしたね(笑)。どういったきっかけであれ、バスケに興味を持つ人が増えてほしいので、良い機会になりました。(NBA入りを目指しての)アメリカ行きは自分のバスケ人生の中で一番大きなチャレンジになりますし、いろいろ大変なことは分かった上での挑戦ですが、それも必ず自分の成長に繋がると思います。自分の夢というだけでなく、応援してくださる皆さんや小さな子供たちも、僕がNBAのコートに立つ姿を夢に見てくれていると思うので、ぜひそれをかなえたいです。
海外に出ますが、今後も日本代表でやっていきたい思いもあります。今回のアメリカ挑戦も、日本代表の経験がなければいただけなかったチャンス。日本代表に求められる限りは、できる限りアメリカから帰ってきてプレーしたいと思っています。
かわむら・ゆうき 2001年5月2日生まれ、山口県出身。身長172cm。ポイントガード。’22年に横浜ビー・コルセアーズとプロ契約を結ぶ。今秋渡米し、メンフィス・グリズリーズのトレーニングキャンプに参加。2024‐25シーズンのNBA入りに挑戦する。
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※撮影は2024年6月に、取材は8月に行われました。
※『anan』2024年9月18日号より。写真・倉本侑磨(Pygmy Company) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・TOYO(BELLO) 取材、文・鈴木健一郎(鈴木制作所)
(by anan編集部)