柳楽優弥&川栄李奈「いろいろ楽しい現場だった」 『オレは死んじまったゼ!』撮影裏話

エンタメ
2023.08.27
できれば生きているうちに、日々の行いを省みたいけれど、もし、死んでからでも人生を反省することができるとしたら…? 死後の世界で我が身を成仏させるために自分の人生と向き合う、新ドラマ『オレは死んじまったゼ!』で、人生を見つめ直す幽霊を演じる、柳楽優弥さんと川栄李奈さんのお二人にお話を聞きました。
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――本作は、死後の世界で幽霊たちがどう生きていくのかを、笑いを交えつつ描いたドラマです。幽霊役と聞いてどう思いましたか。

柳楽優弥(以下、柳楽):幽霊役なんて初めてだったから、ピンとこなくて。役や物語というよりも、長久允監督の作品が好きだったので、まずは長久組に入れることにワクワクしました。

川栄李奈(以下、川栄):私は最初に「柳楽さんが主演の幽霊の話で、コメディです」って聞いて、これは絶対に面白いと(笑)。柳楽さんとは、過去2回、共演経験があったので。クランクインした時は、お久しぶりです! って感じでした。

柳楽:監督が書いた脚本を最初に読んだ時に、生前の自分自身を受け止めて赦すという“成長”を感じることができて。死後の世界を描いているけれど、サスペンスではないんですよね。

――長久監督は、広告代理店でCMプランナーとして活躍される、注目株の映画監督ですね。

柳楽:視点も独特で、映像の可愛い色合いの中にモノクロ画像を取り入れたり。おしゃれでカッコいいセンスを感じました。

――登場する主な幽霊を演じたのは、元ホストの桜田和彦を演じた柳楽さん、元看護師の佐々木咲を演じた川栄さんほか、賀屋壮也さん(かが屋)、長澤樹さん、三遊亭好楽さん。全7話のドラマで、毎話、それぞれの生前の人生がしっかりと描かれていますが、この作品の魅力をどんなところに感じていますか?

柳楽:生きていて、そんなに思い通りにいかないなと思うことは誰にでもあると思うんです。わかっていても生前はそれに向き合わずにいて、死後になってようやく自分の生前の人生に向き合い始めるというのが、この物語のテーマ。一つ屋根の下で暮らす幽霊たちはもともと、ホスト、看護師、芸人、女子高生、千利休…とキャラクター設定も面白くて、いろんな人に共感してもらえそう。

川栄:幽霊たちの個性が強くて、バックグラウンドも全然違いますが、1話見終えるたびにすごく心温かくなりました。それから、例えばホストクラブのシーンでは、ワインボトルのコルク部分に小さいカメラをつけたり、器の中から撮ってみたりと、斬新なカメラワークも楽しめると思います。

柳楽:そうそう。監督の手法が独特で面白いですよね。あと、死後の世界なのに人間らしい部分がちゃんとあって、何かに向き合うことって生前も死後もあまり変わらないと思うのもいいな、って。キレイごとだけではなくて、自分の事実に向き合っていく物語をファンタジーな世界観で描いているので、見やすいと思います。

――撮影中、印象に残っているエピソードを教えてください。

柳楽:前室(待合室)がみんな一緒で、しかも狭かったんです。

川栄:私、人見知りなので現場でうまく話せないことが多いし、共演者と友達になることも少なくて。やっと少し話せるようになった頃には撮影が終わっちゃう…ってことが多かったんです。だから今回、前室がかなりこぢんまりしていたからどうしようって思ってて。

柳楽:しかも、そこにみんなでいる時間が長いんですよね。それぞれが、何を話そうかな…って思っていたと思う(笑)。

――人見知りにとってはハードルが高い状況ですね。それで、どうされたんですか?

川栄:賀屋さんがうまくて。

柳楽:いいムードを作ってくれたので、さすが芸人さんだなって思いました。まだ10代の樹さんとかにもいじられながら。

川栄:私もめちゃくちゃいじってました(笑)。

柳楽:でも、その返しもうまくてさすがで。あと、好楽さんのセリフのあとに、僕のセリフが続くシーンで、妙な間があったんです。“あれ? 好楽さんセリフ忘れてるな…”って思ったんですが、監督がなかなかカットをかけないから、しょうがなく僕がセリフを口にした瞬間に、好楽さんがセリフを喋り出して。

川栄:あははは(笑)。

柳楽:「ごめん、ごめん!」って。『笑点』で拝見している通りの、素敵な方でした。

――楽しい現場でしたね。

柳楽:はい。現場で自然体でいられる関係性は、僕が普段から意識して望んでいることでもあります。

川栄:私はいつもご縁を大事にしているので、また柳楽さんとご一緒できたことが嬉しかったし、新しく出会った賀屋さんや樹ちゃんと仲良くなれたり、落語家さんとの共演という貴重な経験ができて思い入れの深い作品になりました。

柳楽:僕、いつもはグループLINEとか作らないんだけど、今回は初めて作ったんです。

川栄:柳楽さんが賀屋さんに「LINEやってますか?」って聞いたら「やってますよ」って返ってきたのに、柳楽さんは「へぇ~」で終わらせてて。「ちゃんとアカウント聞いてくださいよ」ってツッコまれてましたね(笑)。

柳楽:それで賀屋さんがグループを作ってくれたんですけど、アイコンは自分のイケメン写真ですし、グループ名は“カムカムエヴリバディ”という…(笑)。“オレは死んじまったゼ!”ってつけたくなかったのかな。

川栄:グループ名面白すぎでした。

柳楽:思い出すと、いろいろ楽しい現場だったね。

『オレは死んじまったゼ!』

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ポップだけどどこか切ない。生前の自分と向き合う意味。
未来に希望を持たずに、人生を無為にやり過ごしていた場末のホスト・桜田和彦が、突然“死んじまった”ことから始まる物語。成仏できない幽霊たちと一つ屋根の下で暮らしながら、桜田は自分の人生を見つめ直し、後悔と向き合っていく。9月1日(金)23:30~WOWOWの連続ドラマW‐30にて放送・配信開始。全7話。提供:WOWOW

やぎら・ゆうや 1990年3月26日生まれ、東京都出身。主演映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭の男優賞受賞。映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』が10月13日公開。
ジャケット¥75,900(CIRCOLO 1901/TOYOTA TRADING PRESS ROOM TEL:03・5350・5567) パンツ¥46,200(HEUGN/IDEAS TEL:03・6869・4279)

かわえい・りな 1995年2月12日生まれ、神奈川県出身。連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、最終章で主演を務めるなど、俳優として多くの映画やドラマなどで活躍中。
ブーツ¥171,000(JIMMY CHOO TEL:0120・013・700) その他はスタイリスト私物

※『anan』2023年8月30日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・長瀬哲朗(柳楽さん) 有本祐輔(川栄さん) ヘア&メイク・望月志穂美(柳楽さん) KUMI(川栄さん) 取材、文・若山あや 撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY

(by anan編集部)

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