「ガマンしないこと」が大前提! 知っておきたい“生理痛”の原因と対応策

2023.4.30
「生理=痛いのが当たり前」と思い込んでいませんか? 生理痛を長年放置していると、子宮内膜症などの病気や、将来的に不妊につながるリスクが。痛みの原因と対応策を知って、生理に振り回される日々から卒業しよう。

婦人科系のトラブルは自己判断で放置しないこと。

生理のたびに襲ってくる下腹部の痛みや、周期どおりに生理が来ない不安、経血の漏れの心配etc。こんな悩みやストレスを抱えている女性も多いのでは。生理期間だけでなく、生理前のPMS、デリケートゾーンのかゆみなど、女性特有の不調はさまざま。そういったトラブルを「これぐらいなら、すぐ治るはず」と放ったままにしておくのは危険だという。

「婦人科系の疾患は、放置していると悪化していくケースも多く、『放置しているうちに治ってくれる』ということは少ないです。自己流でなんとか対処する間に、さらに状況が悪くなってしまうことも」(助産師、性教育YouTuber・シオリーヌさん)

生理痛やPMSなどの諸症状は、人それぞれ。まずは自分をモニタリングし、体がどのような状態なのかを知ることから始めよう。

「お肌は毎日鏡を見て状態をチェックし、ニキビができたら薬を塗ったりしてケアするのに、体の不調は放置してしまう人が多いんです。でも、知識があるのとないのとでは、その後の人生が大きく変わってくるのも事実。anan読者世代は仕事も忙しいと思いますが、未来の自分のために正しい知識を得て、体をケアしてほしいです」(産婦人科医・竹元葉さん)

正しい知識をつけるだけで、これまでの日常は、ちょっとずつ良い方向に変わっていくという。

「情報を得ることで、多くの選択肢があることに気づくと思います。アイテムの選び方なども、自分の生活や性格に合わせてより心地よく過ごせる方法を考えてみて」(シオリーヌさん)

生理痛→「ガマンしないこと」が大前提。

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放っておくと、こんなリスクが!
・子宮内膜症
・不妊の原因になる病気

生理痛は、経血を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が原因。ストレスや冷えなどでプロスタグランジンが増え、痛みが増幅することも。

「痛い時はガマンせずに、痛み止めを飲みましょう。癖になるのでよくないと考えている人もいるようですが、癖になって効き目がなくなる、などといったことはありません。痛み止めは、痛みがピークに達してからではなく、早めに飲んでおくのがおすすめ。アプリなどで生理周期を管理し、生理痛が始まったら早くに飲んでおくといいと思います」(竹元さん)

生理痛が毎回続くようであれば、一度婦人科の受診を。生理痛には多くの病気が潜んでいる可能性があり、放置すると不妊の原因になり、後悔を招くことも…。

「自分がしんどいと感じるなら、受診をしてOK。『この程度で受診してもいいのかな』と遠慮する必要はまったくありません。気軽に婦人科に行って、相談してほしいですね」(シオリーヌさん)

生理周期と体のサイクル

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月経期:DAY1~DAY6
卵胞期:DAY7~DAY12
排卵期:DAY13~DAY16
黄体期:DAY17~DAY28

周期を把握して早めに痛み対策を。
1回の生理周期の間には、生理が起きる月経期の後、卵子が育つ卵胞期が続き、排卵が起き、妊娠に備える黄体期に入る。周期を把握しておけば、生理日を予測して早めに痛み止めを飲んでおくなど、対策もとりやすくなる。

シオリーヌさん 助産師、性教育YouTuber。総合病院産婦人科等での勤務を経て性教育動画を配信開始。昨年、株式会社Rineを設立し、性教育の発信活動と産後ケアサービスの提供に邁進中。

竹元 葉さん 産婦人科医。女性のすべてのライフステージにおけるかかりつけ医として2019年に女性スタッフのみで診療を行う「sowaka women’s health clinic」を開業。

※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。イラスト・Kanako 取材、文・音部美穂

(by anan編集部)