大河ドラマ出演も! ティモンディ・高岸「どんな仕事であれ僕にできることは応援です」

エンタメ
2022.08.05
「やればできる!」というフレーズでおなじみのお笑いコンビ・ティモンディ。お笑いだけでなく、演技や文章を書く仕事など個人の活躍も注目されている、対照的な個性を持った二人の気になる関係に迫ります!
Entame

――プロ野球選手を目指し、高校野球の名門・済美高校の同級生として出会ったお二人。初対面の日にキャッチボールをしたとか。

前田裕太:入寮して一番最初に話したのが高岸で。その日、みんなでキャッチボールをすることになり、じゃあ一緒にやろうよと。「サードかと思った」といきなり言われて、初対面なのに? と思ったことを覚えています(笑)。

高岸宏行:クッとした強い目力で、太もものデカさが半端じゃなかったから、体で止めるファイタータイプのサードだと思い込んだんです。

前田:卒業後、高岸は大学野球、僕は法学部へと進学しました。

高岸:久しぶりに会った前田が六法全書を持っているのを見た時は、ええっ! と思いましたけど、頑張っていて素晴らしいなと思いました。僕はプロ野球選手になることしか考えていなかったのですが、大学時代に怪我で諦めることに。その時、これまで応援してくれたみなさんに「高岸の知り合いです」と誇りに感じてほしい。自分がされたように人を応援して恩を返したいと思ったんです。そんな時にサンドウィッチマンさんの復興支援活動を見て芸人になろうと決め、前田に声をかけました。

――誘われた時のお気持ちは?

前田:大学院にも行き、法曹界で働くつもりでしたが、楽しそうだなと思って始めました。「コンビニ行こう」くらいの気持ちというか。晴天の霹靂みたいな驚きがなかったのは、ずっと付き合いが続いていたからかもしれません。高岸の大学に遊びに行った時、「ここが南館だよ!」と紹介され、南館を紹介されてもな…と思ったことを今でも覚えてます(笑)。

――そしてサンドウィッチマンさんと同じ事務所へ。

前田:履歴書と一緒に肩を寄せ合って撮った写真を送って(笑)。

高岸:オーディションで写真が必要だと知り、東武百貨店の階段の踊り場で撮りました。互いの家から真ん中の場所が池袋で、そこでいつも話し合っていたんです。

――芸人を始めたばかりのころはいかがでしたか?

前田:僕たちの場合、まったく売れていない状態で事務所が仕事を取ってきてくれるということはなく、お金を払ってライブに出ます。その、すべての責任が自分に返ってくるところが面白かったんです。

高岸:前田は、僕の応援したいという気持ちをくみ取って、「こういう表現がいいんじゃない」という話をしてくれる。その試行錯誤の時間が本当に楽しかった。このままでもいいよねと話してました。

前田:少し意識が変わったのは、お手伝いをしていたサンドウィッチマンさんの全国ライブの打ち上げの時。富澤(たけし)さんが「前田は頭がいいからちゃんとネタを書いたら売れるよ」と言ってくださったんです。

――素敵な先輩です。

前田:でも、僕は富澤さんのお子さんの家庭教師をしたりと、いいようにも使われていて(笑)。

高岸:自転車も教えたよね。

前田:そうそう。高岸はそこでも「頑張れ!」って応援して(笑)。

高岸:技術的なことはわからないので、とにかく応援しました!

――楽しそうです(笑)。前田さんがネタ作りにおいて大事にしていることはありますか。

前田:僕か高岸どちらかの良さが出ればいい、というのが一つの基準としてあるので、たとえネタが飛んでもそこは気にしません。逆に、二人ともあまりピンときていない場合は、ネタの道筋が通っていてもよくないんです。

――風向きが変わったと感じた瞬間はありましたか?

前田:風向きというものを世間一般的な評価とするのであれば、2019年に『アメトーーク!』と『ゴッドタン』に続けて出演した時。でも、富澤さんに言われて二人で話し合った日から、やっていることも言っていることも変わってない。そこが自分たちの良さだと思っています。それに、嬉しい半面、まだ早いとも思いました。僕らの倍くらいの芸歴がある方が若手として出ている世界だし、あと、済美高校がセンバツで初出場初優勝をする姿を見ていた影響もデカかった。万全を期した状態でテレビに出たかったんです。

高岸:僕は、テレビに出るということは、より多くの人に応援のメッセージが届きやすいということなので、純粋に嬉しかったですね。誰かにいいと思ってもらえないと出られない舞台でもありますから。「やればできる!」には、そのままのあなたで素晴らしいという気持ちを込めています。

――高岸さんは大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演も話題に。

高岸:最初、マネージャーから「大河が来ました」と言われた時は、マネージャーの友だちに大河さんという人がいて、その人が遊びに来たんだと思っていました。

――まさかの勘違い(笑)。

高岸:驚きましたけど、どんな仕事であれ僕にできることは応援です。芸人という肩書だったり、もともと野球をやっていた人が急に大河ドラマに出てチャレンジする姿を見た時に、僕だったら元気をもらえるかもしれないと思ったので断る理由はないし、一生懸命やりたいと。しかも、仁田忠常という実在した人なので、末裔の方もいれば、その人を好きな人もいるわけです。より魅力を伝え、より有名にすることができたらいいなという気持ちで全力で挑みました。役者としての下積みや技術はないですが、役の気持ちをくんで投影するということは、生きていればできると思ったので、その命綱一本だけでなんとかやりました。

前田:僕も驚きはしましたけど、富澤さんのように俳優としてもお仕事をされている芸人はいるし、高岸がドラマに出ることは目指すべき背中の一つの形ではあるなと思いました。それに、高校時代の友だちが大河ドラマに出ているのって面白いじゃないですか(笑)。

―― 一方の前田さんは、エッセイを書くお仕事もされています。

前田:好きだなと思う仕事ではあります。語弊がないように自分で文章を作れるし、語弊があってもいいと思えるものでもあるというか。思っていることをちゃんと落とし込めたり、独りよがりでいいというのは楽しい世界です。経験値がないものについて書く場合は偏見でしかないので、語弊がないようにと思い、保険をかけようとして時間はかかりますけど(笑)。

冠番組『ハレバレティモンディ』(札幌テレビ)が毎週土曜13時~、高岸さんが出演するNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)が毎週日曜20時~放送中。ラジオ『ティモンディの決起集会』(FM愛媛)が毎週日曜24時~放送されている。いろいろなスポーツに挑戦する公式YouTube「ティモンディチャンネル」も更新中。

右・高岸宏行(たかぎし・ひろゆき)1992年10月8日生まれ、愛媛県出身。左・前田裕太(まえだ・ゆうた)1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。2015年に結成、高岸さんはボケと応援、前田さんがツッコミとネタ作りを担当している。高岸さんは7月、プロ野球独立リーグのルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに入団し、大きな話題に。

※『anan』2022年8月10日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) インタビュー、文・重信 綾

(by anan編集部)

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