芳醇なラム酒シロップがじゅわり…『1500』で堪能する、昔ながらの“イタリア菓子”

2022.6.8
スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『1500(ミレチンクエチェント)』のカッサータほか、です。
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大好きなお菓子屋『ホルン』に姉妹店ができた、しかもイタリア菓子! と聞き、うきうきと代々木八幡へ。『1500』は木の深めのトーンもいい感じの現地っぽいバール(2~3階はトラットリア)。ショーケースにはティラミス、ババといった日本でもお馴染みの面々から、ゼッポレ(ナポリ風シュー)、レジネッレ(シチリアのごまとサフランのクッキー)なんて珍しいものまで。イタリア各地のお菓子が誘ってくる。

どれも昔ながらのイタリア菓子、でもよりおいしくする工夫は抜かりない。あえて生地をきめ細やかに仕上げた「ババ アル ルム」は柔らかな口溶けの中で、じゅわりと芳醇なラム酒シロップが染み出してくる。シチリアの「カンノーリ」は筒型の生地を揚げずに焼くタイプにしていて、サクサク軽やか。同じくシチリアの「カッサータ」は日本だとアイスのものをよく見るけれど、こちらは生菓子。プリンみたいな形にピスタチオマジパンのグリーンが愛らしい。口にすればまったりとろけるピスタチオのナッツ感。それからチョコとフルーツの華やぎを、しっかり水気を切ってミルキーに仕上げたリコッタチーズのクリームがまろやかに包み込んでいく。決して派手じゃない、気取らないおやつですよ的雰囲気を出しつつ、ひと味違うあと引くおいしさ。食べたそばからもう、また食べたくなってしまった。

手前から時計回りに、「レジネッレ」5個¥300、ピエモンテのチョコサンドサブレ「パーチ ディ ダーマ」5個¥500、ほろっと崩れる茹でた卵黄入りクッキー「マルゲリティーネ ディ ストレーザ」4個¥450、「カッサータ」¥550、シチリア産ピスタチオとピエモンテ産ヘーゼルナッツの2大ナッツを味わう「ジャンドゥーヤ ピスタチオ」¥650、「ババ アル ルム」¥600。「カンノーリ」(¥550)はリコッタクリームたっぷり。

1500 東京都渋谷区元代々木町4‐2 TEL:03・5738・8821 9:00~ 23:00  不定休 店名は略してミレチ。1階のバールでは終日、2階のトラットリアでは17:00 までお菓子のイートインも可。3階は半個室(個室料¥2,200 、お菓子のイートイン不可、要予約)。

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

※『anan』2022年6月15日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico

(by anan編集部)