これからの時代にふさわしいのは、コンパクトで無駄の少ない暮らし。たくさんのものを持ち、広い部屋に住むことがいいとされてきた価値観から、自分が好きなものだけを選んで、限られたスペースで賢く暮らすスタイルにシフトしつつある昨今、インテリアに求められる条件にも変化の兆しが。複数の用途で兼用できたり、空間を有効活用して使えるようなコンパクトなサイズ感の家具に注目が集まっている。
「最近は、長く使い続けることを前提にした小さな家具も増えています。一人暮らしのときはダイニングテーブル兼ワークスペースとして使い、家族が増えて広い家に引っ越したらコンソールテーブルとして活用するなど、同じ家具でも暮らし方に合わせて用途を変えることで長年使うことができるんです」(インテリアスタイリスト・大谷優依さん)
愛着があるものを長く使い続けることができるうえ、環境にもやさしい、そんな現代のライフスタイルにフィットしたインテリアの選び方。家具を探す際、頭の片隅に置いておきたい新基準です。
空間を広く見せる半円形テーブル。
壁につけて置ける半円テーブルは、ダイニングテーブル兼ワーキングデスクとして活用できる。「コンパクトなスペースに置いても部屋を広く感じさせてくれるのは、角のないラウンド状のフォルムだからこそ。空間になじむ優美なデザインが印象的です」(大谷さん)
95テーブル ホワイトラミネート W120×D60×H72cm¥151,800 ドムス チェア¥97,900(共にアルテック TEL:0120・610・599) 360°CONTAINER 5段 W35×D46×H72cm¥94,600(マジス ジャパン TEL:03・3405・6050) ゴミ箱¥5,500(HAY/HAY TOKYO TEL:03・6427・9173) ティッシュボックス¥14,300 トートバッグ¥19,800 コミューンポスターフレーム付き¥46,200(以上プレイマウンテン TEL:03・5775・6747) ペンダントライト¥110,000(アクタス TEL:03・5269・3207) その他はスタイリスト私物
コンパクトダイニングテーブル
食事にも、リモートワークにもちょうどいい大きさ。
食事だけでなく仕事や作業など、多用途に対応できるのが新たなテーブルのスタンダード。置く場所をイメージして、すっきり見えるかどうかを基準に選ぶのがおすすめ。
天板サイズを変えられると用途に広がりが。
天板を広げることでスペースが倍になるエクステンションテーブル。折り畳んだ状態だと天板の厚み3cmがプラスされるため、ワーキングデスクとして快適な高さになるのもポイント。「エクステンションテーブルの機能性と、ずっと使い続けられる飽きのこないデザイン性を両立したものは貴重」。DH DINING TABLE W86×D73.5×H76cm/W147×D86×H73cm¥128,700(パシフィック ファニチャー サービス TEL:03・3710・9865)
テイストを選ばずなじむ飽きのこない佇まい。
木材の価値を見直し、サステナブルな活用を進める『カリモク ニュー スタンダード』のテーブルは、さまざまな使い方を想定した軽くてコンパクトな設計が魅力。「やさしい丸みを帯びた天板の角と円柱状の脚がポップな印象で、お部屋のアクセントになりそう。シンプルなデザインで、圧迫感がないのもうれしい」。キャストールテーブル W75×D75×H74cm¥95,700(カリモク ニュー スタンダード/カリモク家具 TEL:0562・83・1111)
暮らしに応じて拡張できるのがポイント。
ライフスタイルが変化してもフレキシブルに使える家具シリーズ「Per」の2本脚テーブル。存在感が出ないよう、奥行きを40cmに抑えた。「デスクワークにはもちろん、対角で使えば2人用ダイニングテーブルとしても。家のサイズや暮らしに合わせて、用途を変えて使い続けられるところが魅力です」。Per Table Slim W100×D40×H72cm¥81,400 Per Chair¥38,500(共にグッドエイティパーセント/アクタス)
圧迫感を抑えた天板で空間をすっきり演出。
モダンな北欧デザインのアイテムが揃うブランド『HAY』のスチール製テーブル。「本来は屋外用のアイテムですが、天板がすのこ状になっているので部屋に抜け感が欲しいときに。曲線を生かしたエレガントなムードの中にちょっと武骨でワークテイストっぽい雰囲気もあるので、リモートワーク用のデスクとしても使いたい人におすすめです」。PALISSADE TABLE W82.5×D90×H75cm¥79,200(HAY/HAY TOKYO)
大谷優依さん インテリアスタイリスト。ナチュラルでやさしい雰囲気のスタイリングが持ち味で、雑誌や広告、カタログなどで活躍する。目下、自宅の引っ越しを検討中。
※『anan』2022年3月23日号より。写真・山口 明 中島慶子(商品) スタイリスト・大谷優依(インテリア) 取材、文・宮尾仁美
(by anan編集部)