意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「半導体不足」です。

製造地域の偏りが大きな要因に。長期的展望が必要。

society

いま、世界的に深刻な半導体不足に陥っています。半導体は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器のほか、最近は冷蔵庫や洗濯機などの家電にも使用されており、電車の運行など社会インフラにも不可欠なものです。

不足した大きな理由は新型コロナウイルスのパンデミックです。世界的にリモートワークが広がり、半導体チップを使った製品の需要が急増しました。ただ、製造工場はコロナ禍になる前から、実はほぼフル稼働状態でした。半導体は年々進化しており、生産ラインも最先端のチップにバージョンアップしていました。ところが、従来のバージョンも依然として需要があり、進化と必要なタイプにズレが生じることに。それがサプライチェーンの生産工程にストップをかけ、生産の減速や停止という事態になったのです。半導体不足による自動車業界への打撃は深刻で、閉鎖を余儀なくされる工場も。ゼネラルモーターズやフォードは20億ドル以上、収益の減少を見込んでいます。

もう一つの問題点は、半導体を作る地域が偏っていることです。世界の半導体の87%が台湾、韓国、中国で生産されています。半導体チップの54%は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)が製造。当然、需要が集中しても生産能力を急に上げることはできません。また、生産拠点の一つである中国とアメリカの対立も、供給不足に影響を及ぼしました。

半導体の大手、アメリカ・インテル社のCEOは、半導体不足の影響は2023年まで続くだろうと予測しました。アメリカは世界の半導体の売上高の47%を占めていますが、自国で生産しているチップは約12%。このため、半導体関連に改めて投資を行うと宣言。東アジアに依存していた半導体製造が分散されれば、リスクも軽減されます。韓国はそうした動きに支援をしたいと、今後10年間で4500億ドル以上の半導体関連への投資を発表しました。

日本はかつて世界をリードする半導体国家でしたが、価格競争に負けて、技術者は海外に流出してしまいました。日本の電子産業を今後どう再興するのか? 国には科学技術分野への投資と人材育成を強く求めたいです。

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堀 潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。

※『anan』2022年2月23日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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周りとの温度差や⼿応えのなさに、ふと虚しさを感じるかもしれません。現状を変えたい強い想いがあっても、今は感情に任せて動くのは控えておくべきです。今度どうしたいかは⾃問しつつ、周りには温和に接して摩擦を避けること。冷静に、そして柔軟でいることで、⾃分をすり減らさずに次の好機を静かに待つことができます。

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