カラダの調子を教えてくれる。ツボ刺激で、日々を体調管理。
カラダのどこかにコリや痛みがある時、いわゆる“ツボ”を刺激すると症状が改善した経験がある、という人は多いはず。
「ツボは、自分の健康状態を知らせてくれるバロメーターです。直接治療できるだけでなく、このツボが痛いならこんな不調が想定できる、といった診断点にもなります」(鍼灸師・石垣英俊さん)
最近では、西洋医学の観点からもツボ刺激の効果が評価されている。
「神経や血管の密集箇所や関節の繋ぎ目など、電気抵抗が低い場所にあり、圧や熱などの刺激が脳に伝わりやすいんです。その結果、様々な反射が起きて血流が良くなり、鎮痛効果が起きたり、自律神経が整うなどのエビデンスが増えました」
特に、即効性を期待できるのがツボ刺激のいいところ。そこで今回、頭痛、急な腹痛など、“今”ある不調を改善してくれるツボを教えてもらうことに。
「イタ気持ちいい程度の刺激を与えながら、押していることに集中するのが大切。日々の体調管理に役立ててください」
クイックツボ
10回ほどゆっくり押してみよう!
※持病がある方は医師の指示に従ってください。また、症状が続く場合など、気になる時は専門家の診察をお受けください。
目の疲れ【晴明(せいめい)】
目の充血やドライアイの改善にも効果的。
ここを押す!
目頭の少し上で、鼻の骨との間にあるくぼみ。テーブルなどに肘を置き、人差し指の第二関節をツボに当て、頭の重さを使い関節の骨をグーッと押し込むように刺激。
頭痛【肩井(けんせい)】
頭痛の主な原因、僧帽筋の緊張を解消。
ここを押す!
頭を含め全身の血行が良くなるツボ。肩の一番高いところで、バストトップの真上。首の付け根と肩先の中間点。反対側の手の人差し指、中指、親指を使いツボをつまむ。
食欲不振【中府(ちゅうふ)】
副交感神経のスイッチを入れ、食欲が復活。
ここを押す!
鎖骨の外端下のくぼみから指1本分下を、親指の腹でグーッと押し込む。呼吸の機能を高めるツボ。深い呼吸ができれば副交感神経が優位な状態になり、食欲が復活する。
二日酔い【太衝(たいしょう)】
アルコールの代謝で疲れた肝機能をサポート。
ここを押す!
肝臓の機能を高め、消化不良の改善にも有効とされるツボ。足の甲の親指と人差し指の骨が交わるところから、やや指先寄りの凹み。親指の先をグッと押し込むように刺激。
石垣英俊さん 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。「神楽坂ホリスティック・クーラ」代表。東洋医学をベースに、痛みや不調と関わりの深い背骨に特化したヘルスケアを提唱。著書に『ココロとカラダの地図帳』(池田書店)など。
※『anan』2022年2月16日号より。イラスト・サヲリブラウン 斎藤ヨーコ 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)