本来の骨格を維持できれば、スタイルも体調も改善!?
206個の骨が組み合わさって形作られる人の骨格。建築士を経て整体師になった樋川由紀さんには、最良の構造物に映る。
「バランスをとりながら様々な動作を可能にし、地面や自分の体重の衝撃からも身を守ってくれる、まさに体の屋台骨。臓器や神経、血管などを保護する役割も担う大切な存在です。骨が本来ある場所に収まっていれば動かしやすいし、見た目も美しく、脚などは今より細く見えるはずなんです」
骨に歪みをもたらすのは、前かがみなどの悪い姿勢だけでなく、いわゆる美しい姿勢も原因となる。
「背中や膝をピンと伸ばし、腰を反らした姿勢は一見美しいですが、骨には無理な力がかかり、筋肉もこわばってしまいます」
悪い姿勢も美しい姿勢も、本来の骨格とは異なるので、血流は滞り、偏った体の使い方でコリや痛みを生む。目指すべきは、骨や筋肉にとって心地よく、見た目も自然な姿勢(上写真)。
目指したいのは、こんなナチュラル美骨!
骨も体も安定する姿勢こそ、骨格が整ったニュートラルな状態。鍵を握る4か所の骨で、理想の形をよりわかりやすく説明します。
ポイント1:肩
高級ハンガーのカーブをイメージ。
「肩には、高級なハンガーのように緩い湾曲があるのが正解。腕が前に出てしまうと巻き肩ですが、後ろに引きすぎるのもNG。どちらも肩を平たくしてしまいます」
ポイント2:助骨
ふんわり丸い鳥かごのような形に。
「前傾姿勢や、肩を引きすぎの状態だと肩まわりがこわばり、肋骨も硬直して平たくなって内臓を圧迫。立体的な丸い形が理想。呼吸が深く入るよう肋骨を広げて」
ポイント3:頸椎
小さな7つの骨で緩やかなカーブを描く。
「5~6kgの頭を支える頸椎。7つの椎骨が連なり、後方に向け緩やかなカーブを描くことで頭の重さに耐えられます。顎がほんの少し上向きになるのが自然です」
ポイント4:背骨
背骨が持つ様々な機能を生かすカーブ。
「S字カーブをキープすることが何より大事。衝撃から体を守るだけでなく、背骨の中を通る自律神経の働きも整い、骨の近くの血流がスムーズになります」
NG
悪い姿勢の代表ともいえる前重心。首と肩が前に出てしまい、頭の重みを支えるため肩や背中が硬直。骨の歪みをもたらす。
樋川由紀さん 整体師。「せぼねじれ調整院リキュア」顧問。背骨調整と骨格調整を組み合わせた施術が人気。症状や生活に合わせたセルフケアメニューも提案。
トップス¥6,600 レギンス¥12,100(共にダンスキン/ゴールドウイン カスタマーサービスセンター TEL:0120・307・560)
※『anan』2021年5月26日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・高松由佳 モデル・大塚まゆか(BRUTUS) イラスト・井上 明 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)