赤楚衛二「ひとりが好きだけれど寂しがり」 夜のおうち時間は何してる?

2021.3.14
作品によって全く異なる顔を見せる赤楚衛二さん。役に没入しがちという赤楚さんがリセットできる時間とは? 憧れのひとり暮らしを始めた上京話から、理想の暮らしなど色々語ってくれました。

食器洗いが苦手。次に引っ越したら食洗機を買いたいです。

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ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』では、好きなものに囲まれた平穏な暮らしを慈しむ主人公を。映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では、棚を埋め尽くす映画のDVDを心の拠り所にする青年を。表情や佇まいに、生活の匂いまで感じさせるような繊細な演技で、役に命を吹き込んでみせる赤楚衛二さん。その赤楚さん自身は、一体どんな生活を送っているのだろうか。

「わりと頻繁に引っ越すタイプで、今の家で4軒目なんです。上京したての時は、モノトーンの部屋に憧れてインテリアを黒で揃えたんですけれど、結果、家に帰っても全然落ち着けなくて(笑)。今の家も、引っ越した時はすごくいいと思っていたはずが、収納が少ないのもあって手狭になってきて、そろそろ断捨離も考えなくちゃいけなくなっています。しかも買ったソファがめちゃくちゃ大きくて、さらに部屋が狭くなってしまって。まさに今、引っ越したいと思っているところです」

自宅は、「僕が僕でいられる場といいますか…何も気にしなくていい、ひとりで物事を考えることができる、自分にとっては一番必要な空間」。また、精神面や身体面でのリセットの場でもある。なかでもとくに大事にしているのは睡眠と入浴の時間らしい。

「もともとロングスリーパーで、寝ないとダメなタイプなんです。ただ、十分な睡眠時間が取れない時もあるので、睡眠の質を上げたいと思って、寝具は寝心地を重視した、いいものを選ぶようにしています。でも、それだけこだわっていても、寝ても寝ても疲れが取れないっていう状態になったことがあって…。どうしたら睡眠の質を上げられるんだろうって調べてみたら、お風呂だったんですよね。僕、睡眠スコアが測れる機器を着けて寝ているんですけれど、湯船にゆっくり浸かるようになったら、スコアが上がったんです。だから今は、どんなに疲れて帰ってもお風呂は欠かさないです。浸かるのは15分くらい。45度とかの結構熱めのお湯が好きで湯船から出ると体がぽかぽかなんで、シャワーで体を洗うタイミングで一緒に湯船もゴシゴシしています。これが一番効率がいいんで(笑)」

無邪気な笑顔でそう話す。この気取らない等身大な暮らしぶりが、画面越しに伝わる人肌を感じる演技に繋がっているのかもしれない。ひとり暮らしも6年近くなり、家事も板についてきたけれど、いまだに食器洗いは苦手だとか。

「洗濯も料理も好きなんですよ。とくに料理は、始めてみたら奥深いじゃんってなって一時期めちゃくちゃハマってました。でも、食べ終わった後に動きたくなくて、近頃はテイクアウトに頼っちゃうことが多くて。次に引っ越したら食洗機を買いたいです。そしたら料理するようになるのかなって」

今回の撮影テーマは“夜のおうち時間”。普段の夜は?

「意外と寂しがりで、友達に“ヒマ電”することが多いです。地元の友達とか共演して仲良くなった友達と、長いと2~3時間くらい。基本、メールより電話が好きです。イヤホンで話しながら洗濯したり片付けもできるから。誰も構ってくれない時は映画を観るか、テレビだったり本だったり。ひとりが好きだけれど寂しがりっていう、よくわからない感じです」 

ただ、もともと役に没入してしまうタイプ。それゆえ、ひと度作品に入ると生活までが一変する。

「まだ、うまく切り替える方法がわかってないだけなんですけど。撮影期間中は映画も観られないですし、テレビもつけないし。音楽も曲の趣味が変わっちゃうくらい、全然違う曲が聴きたくなったり。その期間は友達とも急に連絡を取らなくなって、メールも返せないってことも多いです。セリフは、カフェとか外で覚えることが多くて、わりとセリフ覚えが良いほうではあると思うんですけど…。でもこの間、2つの作品を並行して撮ることがあって、これまでのずっと役でいるやり方ではダメだと思ってアプローチを変えてみたんですね。作品のなかでの自分の役割を把握して、シーンの意味をちゃんと理解した上で、いざ現場に入ったら真っ白で立とうって。この方法を試してみたら、意外とうまく切り替えられたんです。もしかしたら、現場でエンジンをかけるスピードが速くなっただけかもしれないですけどね。今までは徐々にしか上げられなかったけど、スイッチ入れたらバンッてエンジンを動かすことができるようになってきているのかな。そっちの手法を極められたら、撮影前日の夜もお酒とかを楽しめるようになるのかもしれません」

さまざまな経験を重ね、少しずつ自分に合う快適な暮らしが見えてきたところ。今、住みたい部屋の条件は、仕事関連のものを持ち込まない空間をひとつ持つこと。

「最近、木の温かみのある家具に目が行くようになって。次に引っ越したら、思い切ってそっちに買い替えたいなと思っています」

LIFE STYLE 1:何より睡眠を大事に。眠りの質の向上のため寝具にはこだわります。

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贅沢をするほうではないですが、睡眠の質を上げるためには惜しまないようにしています。マットレスは体が沈みすぎない硬めのタイプで、逆に枕は柔らかいもの。お風呂上がりには、マッサージガンでコリをほぐしたり、赤外線で脚を温めたりしています。

LIFE STYLE 2:思考に浸れるよう余計なものを遮断した何もない空間を大事に。

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ともすると、家でもずっと役や作品のことを考えています。でも、物が多いと目から入ってくる情報が多くて集中できないといいますか…。なので今は、思考したい時は余計なものが一切ないトイレにこもる。俗世を遮断できる僕のサンクチュアリです。

LIFE STYLE 3:好きな香りに包まれ湯船に浸かって今日一日をリセット。

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もともとお風呂が好きなのもあるし、睡眠の質を上げるためにも、毎日必ず湯船には浸かるようにしています。お風呂は、余計なことを考えずにリラックスできる場所。なので入浴剤にもこだわっていて、好きな匂いのものを何種類も買って使っています。

あかそ・えいじ 1994年3月1日生まれ、愛知県出身。昨年、主演ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』が大きな話題に。3月22日放送のドラマ『ハクタカ 白鷹雨音の捜査ファイル』(テレビ東京系)に出演。今夏公開予定の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』に出演。

写真1、2枚目・古着のブルゾン¥7,800 古着のスウェット¥5,800(共にaNiKi TEL:03・5728・4410) オーバーオール¥50,000(ニート/にしのや TEL:03・6434・0983) その他はスタイリスト私物

写真3、4枚目・スウェット¥10,000 パンツ¥11,000(共にチャンピオン/チャンピオン ブランドハウス シブヤ トウキョウ TEL:03・5962・7600)

※『anan』2021年3月17日号より。写真・金 玖美 スタイリスト・壽村太一 ヘア&メイク・廣瀬瑠美 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)