影を見ることで月日の流れを感じられます。
もともと芸人をしていた、10年前から知っている友だちがいます。その子は、カフェやカメラが好きでセンスがいい。最近も、“どこで見つけてくるの?”と思うような、とてもオシャレなカフェに連れていってくれて、あらためてすごいと感じたばかりでした。先日、そんな彼女と一緒に遊びに行った時、私が気づかないうちに写真を撮っていたんです。それは、私と友だちが歩いている時にアスファルトの道路にできた影を写したもの。それを見た瞬間、10年前にもこの子が影の写真を撮っていたことを思い出しました。影の写真を撮るのは青春ぽいですよね。だからこそ、今の年齢になっても影の写真を撮っている彼女を素敵だと思ったし、“自分がエモい存在の一つになれるなんて!”と嬉しくなりました。私は顔を写すことで精一杯なのに…。影では顔や表情はわからないけど、髪型や服のシルエットで誰かということは一目瞭然だし、影の長さで撮られた季節もわかります。今、子どもたちを抱いて写っている影を見て、“なんて素敵なんだろう!”と思えたと同時に、“こんなに月日が流れていたんだ”と気づきました。彼女のスマホには、きっと影の写真だけを集めたフォルダがあるのでは。「夕陽を見に行こうよ!」と人を誘い出し、太陽に照らされて生まれたシルエットを見て楽しんでいそうですよね。
まずは、そもそもですが影を作るために日の当たる場所に出ていってみましょう。その友だちもよく子どもと公園に遊びに行ってます。あと、自然のもので遊ぶ習慣を身につけるため、インテリアにおしゃれな木の椅子や観葉植物を取り入れてみるのもよさそう。きっと誰もが、影を写真に撮っていた若き日があったはず。その時のことを思い出してみてください!
よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。2月に第一子を出産。
※『anan』2020年12月23日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)