羊肉、エビ、ニラ…は温性食材! 簡単“薬膳こなべ”レシピ

2020.12.4
冬の食卓の定番、鍋料理も今年は新しい生活様式に合わせて、小さな1人用サイズを個々で食べる「こなべ」が主流。そんな新スタイルをベースに、東洋医学の食養生をポイント的に取り入れ、簡単かつ温活効果をより高めた“薬膳こなべ”メニューを紹介。

鍋料理の温活パワーは理にかなっているのです。

寒くなると温かい鍋料理が恋しくなるけれど、「薬膳的な観点でも、鍋料理は温活に最適です」と薬膳料理研究家の谷口ももよさん。

「温かい食べ物は、内臓を活発に動かし、消化・吸収力を高めます。すると代謝が上がり、体を温めるのです。鍋調理の場合、材料を煮込んだスープをおいしく味わいながら、溶け出した栄養も余すところなくいただけるのがメリット。さらに、生ではカサが多くてなかなか量を食べられない野菜も、たくさん摂ることができます」

そんな鍋料理の温活パワーをさらに高めるためには、温性食材、スパイス、発酵食品を意識して使うことがポイント。

「この3つは、冷えを改善するのに有効。それらをバランスよく取り入れることで効率の良い温活が叶います。ただし、辛すぎ、食べすぎなどの“過ぎる”摂取は、内臓に負担がかかって逆効果。おいしく、腹八分目で、心地よく食べられることが薬膳では重要です」

ここでは“温性食材”を用いたレシピをご紹介します!

温性食材

摂るべきは、温性の食材。冬の旬と北でとれるものを目安に。

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薬膳では五行説に従い、食材をその性質に合わせて熱性、温性、平性、涼性、寒性の5つに分類。体を温めるには、温性の食材を食べることが有効とされる。「食材選びの注目ポイントは、旬と産地。冬に旬を迎えるもの、北でとれるものには温性が多いんです」。厳密に言えば違うものもあるし、体質によって選ぶべきものは異なるけれど、いろいろ摂っていれば大きくバランスを崩すことはないのだとか。

例えば…羊肉、エビ、ニラ、ねぎ、かぶ、かぼちゃ、玉ねぎ、ニンニクなど。

かぼちゃと玉ねぎのクリームスープ鍋

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温性食材のかぼちゃと玉ねぎを使い、保温性の高いクリームスープ仕立てに。玉ねぎとベーコンをしっかり炒め、ブイヨンなしでもコクのある味わい。

材料(2人分)
かぼちゃ…1/8個、玉ねぎ…1個、ベーコン…1枚、オリーブオイル…大さじ1、カリフラワー…4房程度、牛乳…400ml、小麦粉…大さじ1、A[塩…小さじ1、こしょう…少々]

作り方
1、かぼちゃは食べやすい大きさに切り、玉ねぎ半分は千切りに、もう半分は大きめのくし形切りにする。

2、小鍋にオリーブオイルを入れ、1の玉ねぎの千切りとベーコンを小さく切ったものを加え、玉ねぎがしんなりするまでしっかり炒める。

3、2に小麦粉を入れ粉っぽさがなくなるまで炒めたら牛乳を加え、1のかぼちゃとくし形切りした玉ねぎ、カリフラワーを加えて火にかける。かぼちゃがやわらかくなるまで20分ほど煮込んだら、Aを加えて味を調え完成。

谷口ももよさん 薬膳料理研究家。東洋美食薬膳協会代表理事を務め、身近な食材でおいしく作る薬膳を提唱する。薬膳茶やスイーツの講座も主催し、著書も多数。www.yakuzen-salon.com

※『anan』2020年12月9日号より。写真・山口 明 料理製作・谷口ももよ スタイリスト・野崎未菜美 構成、文・野尻和代

(by anan編集部)