岡崎体育 “がんばったご褒美”をしない理由とは?

2020.11.20
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ご褒美」です。
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よく女性が「がんばったご褒美」として自分のためにエステに行ったり、ちょっといい鞄やアクセサリーなんかを買ったりするというのを目にします。僕はそういう「ご褒美」を自分のためにわざわざ考えることってないなぁって思います。実際に、念願だったさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを終えたあとも、とくにこれといったご褒美はなかったように思います。ぶっちゃけると、スタッフとの打ち上げもしていませんから。もう、たまアリ終えて1年以上たっていますが、パーッと打ち上げてさえいないわけです。でも、僕的にはそれがいいんです。だって、がんばったご褒美においしいお寿司やお肉を食べに連れていってもらったりしたら、もうそれは食べるほうが主になるじゃないですか。「おいしい」ことに目的がいってしまう。僕は、おいしいものを食べられるのはもちろんうれしいんですが、何か自分で自分を褒めたいようなことがあったら、家でひとりでじっくり浸りたいんです。たまアリのあとも、終わったら即実家に帰って、部屋でひとりで寝ているときに、ついに達成したんだって、じわーっと感動が蘇っていちばん幸せでした。そういう時間を持てることのほうが僕にとっては贅沢なことのように感じています。

それで言うと、もうひとつ思い出深いのが、たまアリ終わってちょっと長めのお休みをいただいたときに、地元の幼馴染みと遊んだことかもしれません。一緒に近所のリサイクルショップで漫画を全巻一気買いして、そのあとファミマでエナジードリンクとファミチキをおごってあげて一緒に食べて。で、なんか帰る途中にやったこともないのに勢いでパチンコに寄って。でも、全然やり方わからんからすぐに終わっちゃって、「もう二度とやらん」と家に帰って漫画を読んだだけの日。多分、総額2万円くらいの出来事ですが、音楽のことも考えず友達と好きなことだけして…。そういう時間が僕にとって贅沢であり、がんばったご褒美なのかもと思いました。ご褒美は、自分にとって幸せであればいいわけで、金額の問題じゃない。そのためには、まずは自分にとっての幸せが何かを知っていることが大事ですよね。僕にとっての幸せは、友達とオンラインゲームしたり、一緒に遊んだりすること。だから、やっぱりご褒美は、それが気兼ねなくできる時間を持てることだなって思いますね。

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※『anan』2020年11月25日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)