ミュージシャンとして脂が乗っている今だからこそ作れるコンセプチュアルな意欲作だ。
「今回のアルバムタイトルは“クイズの司会者”という意味なんです。生きていく中での謎や、今を生きているが故に生じる違和感と、音楽の中で向き合うことをテーマにして作りました」(光村)
しかも今作は同じ曲を全く違う2種類のアレンジで、バンドスタイルの「NICO盤」とアコースティックスタイルの「ACO盤」に収録したCD2枚組。まさに二刀流とも呼ぶべきこのスタイルが「今の自分たちの一番の武器」なのだとか。
「もともとアコースティック編成は、僕らの曲の良さをもっと伝えるにはどうしたらいいかを考えて始めたものだったんですけど。僕らはいろんなタイプの音楽が好きなので、アコースティック楽器を手にしたら、表現できるジャンル感など、別の視点での景色が広がった感じがして。もうひとつ別のバンドを組んでるくらいの感覚があります(笑)」(光村)
同じ曲でも例えば「NICO盤」ではシリアスなロックナンバーが「ACO盤」ではボサノバ風だったりと、聴き比べるのも楽しい。しかし同時期にアレンジやレコーディングを行う制作は大変なのでは?
「作業は大変ですけど、最初にNICO盤のアレンジをして、その反動なのか、ACO盤のアレンジの時には遊び心やバンドの空気感が出しやすい感じもありました」(古村)
「ドラムがアコースティック編成でカホンになるのは実はそんなに大変なことじゃないんですよ」(対馬)
「うん、ベースもACO盤だとさらにシンプルに削ぎ落とされたりしますし(笑)。やっぱり一番大変なのは歌ですよね。アレンジによってすごく繊細な違いがあります」(坂倉)
1曲目の「18?」から《どうして夢を見るの? 何世紀経ったって/未だわかっちゃいない事だらけなのさ》と歌っているように「自分たちの未来やロックバンドとしての未来を自問自答しながら作った、僕たちにとっても大事な局面の作品」(光村)だという。伝えたいことを、親しみある主人公や鮮やかなモチーフでポップに描き、それを豊かな音楽性で膨らませていくのが彼ららしい。
そんな今の4人の絆を支えているものは、音楽のみならず、食べ物への貪欲さなのだとか!?
「今回のアルバムの歌詞にも、サラダやチョコレートなど、食べ物が出てきすぎなんですけど(笑)。僕らはツアー中に各地で美味しいものを食べるのが癒しだったりします。でも上品な味のものが続くとちょっとジャンクなものが食べたくなって、僕が吉野家に行ったと言うと、同じ日にマクドナルドと松屋に行ったメンバーがいたりして」(光村)
「みんな同じ気持ちだったんだなって確認できましたね(笑)」(坂倉)
「サラダノンオイリーガール?」「マカロニッ?」など食べ物ソングも。『QUIZMASTER』【完全生産限定盤2CD+バンダナ】¥5,250 【初回生産限定盤2CD+BD】¥5,250 【通常盤2CD】¥3,700(Ki/oon Music)
ニコ タッチズ ザ ウォールズ 左から、対馬祥太郎(Dr)、光村龍哉(Vo&Gt)、古村大介(Gt)、坂倉心悟(Ba)。'04年結成、'07年メジャーデビュー。光村が紡ぐメロディとライブパフォーマンスが魅力のロックバンド。
※『anan』2019年6月12日号より。写真・井手野下貴弘(HITOME) 取材、文・上野三樹
(by anan編集部)
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